1話 空虚な世界と暇つぶし
―僕は世界を10回滅ぼした。
その度に新しく世界を作り直した。
最初は楽しかった。
自分の強さが高まっていくのを感じれたから。
自分と渡り合える存在が沢山居たから―。
しかし、7回目からは1発の魔法のみで滅びてしまった。
その後も何度か手を抜いてみたがいくら手加減しても世界は滅びる。
もう、僕は強くなりすぎたようだ。
昔、全てを手に入れた者は最後には退屈の中で死んだらしい。
僕は残念ながらとある事情から死ぬ事は出来ない。
そして老いることもない。
だから、退屈を紛らわすため11回目の世界では自身の力を制限した。
まぁ、自分の力を全て防御に回してるだけなのだが。
頑張ってもこれくらいしか出来ない力が憎たらしい。
僕は生憎、力の細かい調節ができない。
というよりも力が強すぎて調節しても圧倒的すぎるだけなのだが。
そんな訳でこの退屈で空虚な世界を僕は5000年生きている。
5000年間、世界には沢山の変化があった。
多くの種族が生まれ、滅びる。
そこには種族同士の戦争や災害など多くの物語がある。
それらをただ、僕は見守る。
自分が参加したいのは勿論なのだが
存外、傍観するのも退屈しのぎくらいにはなる。
ともかく、今の世界では主な勢力が
【魔族】【人間】【亜人】となっている。
細かく言えばもっとあるのだが…大まかに言えばこんな物だ。
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ある時、僕はふと外界との交流をしようと思った。
なにせ最近は争いも膠着状態でつまらないから。
後は誰かを育てるのも面白そうだと思ったから。
とにかく、僕は暇を潰すためにそこら辺の森を散策することにした。
森は閑散としていた。
しかし、近くに何者か気配がいくつかある。
殆どは魔族のものだが、1つは少し面白そうな物だ。
今の僕はあらゆる攻撃手段を制限している。
その気になれば解放できるがまた世界が終焉を迎えてしまうので絶対にやらない。
故に戦闘になったときどうしようかと考える。
存外、これを考えるのは楽しいかもしれない。
そんな事を考えながらぼくは歩いていた。
「貴様、この土地で何をしている?」
向こうから接触を図ってくれた。
残念ながら相手は魔族だが…
「少し、道に迷っていまして」
「ほぅ、人間が…ね。」
僕の姿は人間と同じだ。まぁ正確には人間では無いが。
でも今の僕は殆どの機能は人間と変わらないしね。
「あはは…ではこれ位で…」
別に逃げてなくてもいいのだが、僕はこんなやつよりも先程から感じてる面白い存在と交流したいのだ。
「ははは!!人間が勝手に俺らの領土に入っておいてただで帰るとでも?」
「めんど…」
つい本音が…
「なに!?なぶり殺しにしくれるわ!!」
男の魔族が凄まじいスピードで接近し、大きく腕を振り上げる。
「なっ!?」
ただ、男は跳ね返された。それはもう、盛大に吹っ飛んで。




