2話 姉ソフィア
翌日、父と姉が帰ってきた。父は、授業を終え姉は今日から夏休みに入るので、夏休みは家族と一緒に過ごしたく、家に帰ってきた。ちなみに姉は俺の2個上だそうだ。だから5歳。そんなに早く魔法学校に通うのか…。
『おかえりなさい、あなた、ソフィア。』
『ただいま、リリィ。』
『ただいま、ママ!』
姉は実に活発な女の子だ。あと魔術の才能があるらしい。なにせ全属性を上級まで無詠唱で使えるようだ。それに、剣術も中級らしい。剣術も魔術と同じような区分で初級、中級、上級、超級、聖級、魔剣王級、神級とあるそうだ。
『ただいま、ジーク!偉い子にしてた?』
そして姉は過度のブラコンである。帰ってきてすぐに俺のもとに駆け寄ってきた。
『うん、姉さん。母さんの料理がとても美味しかったよ!』
そして俺もなぜかシスコンになってしまった…。不覚。
『そっか、私も久しぶりにママの料理たべたいなー』
そんな会話をしているのを見て両親は微笑んでいた。
夕飯後、俺は姉さんに魔法を教えてもらうことにした。
『姉さん、魔力操作のコツって何?』
『一番大事なのはイメージだよ、ジーク。自分の中に流れている魔力をイメージするの』
『わかったよ、やってみる』
自分の中に流れている魔力をイメージ。魔力が別のエネルギーに変換して手から炎が出るイメージ。
『ファイアーボール』
すると、俺の手から炎が出た。
制御も完璧だ。魔力が暴走したりすることもない。
『やったよ、姉さん!無詠唱でファイアーボールができた!』
『すごいね!ジーク。流石は私の弟だね、中級までは全属性同じ容量でできるよ。ただ、闇魔術がめんどくさいね。無詠唱なら多分関係ないけど。』
『わかったよ、他の属性も同じようにやってみる。』
そんなふうに深夜まで魔術を練習して全属性中級まで無詠唱でできるようになった。闇魔術は普通にできたが、なにが厄介だったりめんどくさかったりするのだろうか。気になるな…。また父の書斎で闇魔術に関する本を漁ってみようかな。そうして深夜まで姉さんと魔術の練習をしていたら両親にこっぴとぐ怒られた。
次の日。今日は、姉さんと外に散歩に行く約束をした。ここら辺の街をぶらぶらする。これはまさに姉弟デートだ。憧れのやつではないか。前世ではこんなことしたこともなかった。出かけるとしても堅苦しいやつだ。
『ジーク、行くよー』
『いまいくよー』
『忘れ物ない?大丈夫?水筒とかもった?』
『大丈夫だよ姉さん、心配性だなぁ。ほら、早く行くよ』
『『いってきまーす』』
そうして10分くらい歩くと、街に着いた。家は少し街から離れた丘の上にあり、移動には少しだけ時間がかかる。でも10分だ。大したことはない。
そうして街をぶらぶら歩いていると、看板に魔術ギルドや、冒険者ギルド、商会ギルドなど様々なギルドが目に入った。
改めてここは異世界なんだと実感する。特に、街を歩いている獣族の一般人や冒険者らしい人とか…。
え?獣族?猫耳だ!!すごい、尻尾も生えてる……
そうして街並みや人に感動していると、姉に話しかけられた。
『ジークは、中級まで魔術を使えるようになったから、魔術ギルドに行って、中級魔術師の称号、もらってこうか』
『わかったよ、でもね、姉さん。水と火と風は上級も使えるようになったんだよすごいでしょ』
『本当に⁉︎やっぱりジークはすごいね!流石はパパとママの息子、そして私の弟だね!』
『えへへ』
危ない。姉さんに褒められて頭を撫でられて、嬉しすぎて変な顔でニヤついてしまった。今のはキモかった。見られなくてよかった。
そうして俺たちは魔術ギルドへ行き、俺は全属性の中級魔術師しと、火・水・風の上級魔術師の称号をもらった。齢3歳でこれは史上初らしい。魔術の才能あるかもしれないな…。
外に出ると、看板に図書館と書いてある建物があったので、姉さんに言って行くことにした。
魔術の本が父さんの書斎にないものがあるかもしれない。
中に入ると、それはすごい本の数だった。魔法がある世界からか、杖が勝手に動いて本の数を数えたり整理したりしている。画期的だ。しかも本棚が浮いたりする…。これはすごい。
そうして周りをら見渡しながら歩いていると、年が同じくらいに見える女の子とぶつかった。
『ごめんなさい』
『ご、ごめんなさい…!』
コートのフードを被っていたのでよく顔は見えなかったが、怯えるようにそこからすぐいなくなった。
『なんだったんだろう…』
そうして本棚を見渡しながら歩いていると、闇魔術に関する論文が見つかった。
本にはこうあった。
闇魔術は上級からが非常に厄介だ。闇魔術の派生は自分で魔術を生み出すこと。尚、派生魔術は魔王級以上だが、上級でも似たようなことがある。上級は人によって魔術が異なるのだ。例えば、自分で生み出したものしか使えないはずの転移魔術。これを上級で使えるものもいる。また、魔術キャンセルができる不思議な魔術など、色々だ。そもそもが上級の闇魔術を使えるものが少ないため、現段階ではどういうものなのかもわかっていない。
とあった。姉さんは全属性上級まで使えるってことは闇魔術も…。よし、今度見せてもらおう。
そして俺たちは図書館から出て、帰路につくのだった。




