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第二十六話

 大統領は、テロリスト組織による大規模爆破テロ事件の首謀者である『ガザフタスの殺害成功』を大々的に全国放送し、国内は歓喜の渦に巻き込まれたのだった――。


 その後、レイは国防長官に呼び出されて賞賛を受けることとなる。


「――レイの()()が捜査チームのガザフタスを発見するに至るまでの大きな躍進に繋がったと報告を受けている。また、今回の突撃任務において一人も被害を出さずに済んだのも、君が単身で乗り込んでくれたからだ……本当に感謝している」


「捜索チームやカズオ達が尽力してくれたおかげです」


「さて、君は今回の件で我々に見返りを求めていたはずだったな。使いたい物があるなら、何でも申し出てくれて構わん」


「有難う御座います。それにつきましては、すでに検討はついております――」


 レイは国防長官に対して、()()()()の一時的な借用を願い出た。


「――何? あんな物を持っていくことなど可能なのか? だが、それだけ持って行っても“本領”は発揮できんぞ?」


「問題御座いません。転移させるのは関連する設備と人員を含めた()()ですので――」


 この時すでに。


 捜索チームがガザフタスを追っていた間にリネットとカズオは試行錯誤を繰り返し、異世界物質転移に関する疑問解消課題を全てクリアしていた。


 どれだけ物質が多かろうが巨大だろうが、特定の条件さえ揃えれば任意で転移させることが理論的に可能となっていたのだ。


 まず、異世界物質転移に関しての結論の一つとして『転移させる物質の大きさは開門能力を同時発動させる“女神の人数”と“転移能力発動者の魔力量”に比例する』ということが判明した。


 対象となる物質に対してその二つの条件を満たせば、種類や大きさを問わずして転移が可能となる。


 しかし、転移させる物質はある一定の大きさを超過すると『制限時間』が発生し、それが経過すると“元の世界に戻ってしまう”ということも明らかになっていた。


 つまり――強力かつ巨大な兵器を召喚しても、制限時間内に魔王を討伐することが必要になるということ。


 そして、転移先の世界で“問題なく兵器が作動するか”という疑念も抱いていたが、それに関して異世界の優秀な有識者達に見解を求めたところ。


『二つの世界の環境は星の大きさを始めとする重力や空気構成だけでなく、他にも非常に多くの類似点が存在しており、もはや“惑星版二卵性双生児”とも言える一種のパラレルワールド的な相関性が見られる。さらに女神の能力によって開かれるワープホールにも似た“次元連結空間”を通過しても人体に全く影響がないところを踏まえて考察する限り、転移させた兵器も正常に稼働することが可能なのではないか』


 とのことだった。

 

 また、レイ自身にも達成すべぎ課題がもう一つだけある。それは聖剣『エクスカリバー』の熟練度を極めること。


 ユニスタル合衆国から兵器を拝借したとして、それでも魔王の討伐に失敗した場合は、いよいよレイ個人の出番となる。

 保険となる手段を用意しておくのは戦争でも必須であり、兵器一辺倒でいては最悪の事態に対応できない。


 剣神から譲り受けた聖剣が“最後の切り札”となるのだ。


 今まで聖剣を全く振ってこなかった訳ではなく、現段階でも大木程度なら一振りで斬り倒せるまでに至ってはいるが、まだレイの納得できる域には達していない。


 覇閃――極限まで神経を研ぎ澄ませた一振りにより生み出される“真空波”での斬撃技。


 レイは剣神直伝の奥義を聖剣で放てるようにならなければ、強力な魔王には対抗できないと懸念していた――。


 異世界から帰還したレイ達は、神殿にて各々の役割を再確認した。


 リネットは全世界に散らばる女神達の召集。


 レイは聖剣による覇閃習得後にリネットと合流。


 カズオは魔力量の絶対値強化及び魔力増強剤の大量確保。


 と相なった。


「――では三ヶ月後に……またここで会おう」


 魔王討伐に向けて準備期間を設けた三人は、再び神殿に集まる約束を取り交わして解散した――。

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