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第二十二話

 それから施設に案内されたレイ達は、応接室でフォックスからユニスタル合衆国の現状について衝撃の事実を聞かされる。


「――テロ……だと?」


「ああ……中南の過激派組織が独立国家設立を宣言したと同時に、我が国に対して宣戦布告とも言える“爆破テロ”を仕掛けてきたんだ――」


 レイがこの世界でランパードとして生きていた頃から、世界情勢は大きく変化していた。


 『弾道ミサイルの製造及び保有禁止』


 異世界では“戦争勃発の抑止力”として巨大兵器の製造が過熱していたが、ユニスタル合衆国が再度掲げた『脅威のない世界平和』の名の下に国際連合の条約が改正された。


 それは。


『一定の射程距離を超える弾道ミサイルの製造と保有禁止』


 これによって弾道ミサイルを保有していた連合加盟国は続々とそれら全てを破棄したが、この条約に抵抗する国に対しては徹底的な“経済的制裁”が実施された。


 しかし、経済的制裁によってやむを得ず弾道ミサイルを破棄した国では、反政府組織が“歴史上でも類を見ない残虐な計画”を水面下で企てていた。その計画とは――ユニスタル合衆国への大規模爆破テロという明らかな報復行為だった。


 ユニスタル合衆国の首都で起きたこの事件によって、約五千人にも及ぶ尊い命が奪われてしまう。

 甚大な被害を受けた政府は、テロリスト組織の首謀者とされる『ガザフタス』の行方を追うために莫大な費用を投じた。


 だが事件発生から七年経った現在、国内屈指の捜査員達を総動員しても未だに彼の発見には至っていないという――。


「――そんな……私の家族は無事なのか?」


 レイが首都付近に住まいを置いていた家族の身を案じてそう訊くと、フォックスは「心配いりません。二人とも元気に今も暮らしています」と安心させるように微笑んだ。


 家族に会いたい。


 だが『また自分の身に万一の事があったら』と考えたレイは、込み上げてくる気持ちを抑えながらフォックスに“ある提案”を持ちかけた。


「私が転生した世界では、魔物と呼ばれる存在によって人類が滅亡の危機に晒されている。そこで、この国の軍事力を一時的に拝借したいと思い立ってここへ訪れたのだ」


「き、急に拝借したいと言われましても……ランパードさんの要求には応えたい気持ちはあるのですが――」


「無論タダでとは言わない。ユニスタル合衆国の宿敵である『ガザフタス』を私に討たせてくれないか? その見返りとして政府に魔王討伐の協力を要請したい」


「……え? ――」


 レイの座る背後では、リネットが覚悟を決めた真剣な顔付きで頷き、カズオは応接室の深刻な雰囲気に飲まれ、内心にある『若干家に帰りたい』と願っていた気持ちを押し殺していた――。


 レイ達は、フォックスの計らいによって国防長官から『ガザフタス捜索チーム』に加わることを許可された。


 かなり異例の措置ではあるが、レイ達の持つ特殊な能力はユニスタル合衆国にとっても至極貴重であり、他の国に彼等の存在が明らかになる前に“囲ってしまおう”という思惑も垣間見れた。


 そして、レイ達は異世界物質転移の実験も同時進行で行わなければならない。


 そこで、ガザフタス捜索チームにはレイがメインとして加わり、リネットとカズオの二人は異世界物質転移の実験をする時間を設けるため、レイの補佐役として配属することとなった――。

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