3.ハンターとポータルの発生
俺はその本をひたすら読んだ。文字を覚えるためだ。
今まで母に呼んでもらっていたこともあってある程度はこの世界の言葉についてわかってきていた。
まず、母や父が使っている言葉が日本語。そして世界には数多の言語が存在している。
そして、俺の名前は先達 奏。この名前の意味は特にないらしい。
この世界のことについて少しわかったことがある。この世界は大きな戦争が3度繰り返されていた。
そんなこと知っているはずも無くはない。誕生日の日にくれた本だ。
1回目の戦争はそれほど(それ以降の戦争と比べて)死者の数は少なかった。西の国のフェンレスと呼ばれる国を中心とした連合国。
対してロシャンと呼ばれる国との戦争だ。
その戦争には、馬兵や歩兵などを用いた大規模な戦争だった。
その戦争はフェンレス国の勝利で終わったらしい。
2つ目は科学戦争とも呼ばれるほど恐ろしく、激しい戦いだった。
海を越えアメリカとローガス国との戦争だった。
国土はローガス側がアメリカの4分の1ほどだったが、アメリカと戦えるだけの戦力はあった。
毒ガスや戦車、飛行機などを用いた近代的な戦争だったと記されている。
毒ガスは毒魔法のようなものだろうか...
3つ目は、20年前になる。
西VS東、と言った方がわかりやすいだろうか。魔法を使う国と武術を主に使う国の対立で起きた喧嘩....?だ。
結果はどちらも戦力を削ぎあったが攻めあぐれていて結局は停戦となっている。
その後、終戦という形になった。お互いにこれから仲良くした方が良いと気づいたのだろうか。
だとしても、魔術は分かるが、武術とはなんだ?、
ここには魔術の方が記載されているので、武術の方はあまり詳しく書かれていなかった。
―――◇◇◇―――
それから3年がすぎた。
「奏〜何してるのー?」
「本読んでた。」
「今から暇だったら買い物について来ない?」
「...うん」
外は危険だ。そんな感じのイメージを持っていた。外に出るまでは。
外に出てみたがそれほど危険じゃなかった。ただ......
見たこともないものが走っている。生物では無いようだ。人間が作り出した「車」と言うものらしい。
お母さんと一緒に手を繋いで歩いていた。
たくさん走っている。俺はとても驚いていた。
前世では考えられなかったからだろう。
スーパーに買い物に行くところだった。それは起きた。
目の前の、空間が突如として裂けた。
どういうことだ、、前世じゃ考えられない。
転移魔法は高度魔法だ。俺でも使えなかったくらいだ。
「離れてください!」
お母さんの横にいる男が俺たちに向かって言った。
でも俺の予想は外れ、それは転移の裂け目ではなかった。
その後、そこらの周りは立ち入れなくなり、代わりに、その中に入っていくであろう男達と女2人がやってきた。
「FST株式会社から来たハンターの長野 波羅太です。」
「駆けつけて頂きありがとうございます!」
警察官のひとりが敬礼して礼を言う。
「今回発生したゲートは3星ゲートと判明しております。失礼ですが、ランクは?」
「私はA級です。その他はB級が2人と残りはC級です」
男が代表して答え、自分のハンター免許証を提示する。
パーティーの場合、ゲート進入するにはパーティーリーダーだけ提示すれば、自ずとその人の周りがパーティーだと理解してもらえるため、長野が提示するだけで良かった。
「ありがとうございます!」そこにいた警察官が敬礼して礼を言う。
そして確認が取れたあと、現状を聞いたハンター達は中へ入っていった。
「グァァァ、ガァ!」
「トドメだ」長野が剣を振り下ろす。
「……」
倒したのはオークと呼ばれる魔物だ。Cランク相当の魔物だ。
ゲートを閉じることには成功したらしい。その後知った。ハンターたちがゲートに入ったあと俺たちはその場を去った。
「お母さん、あれなに?」
「ゲートと呼ばれるものよ。」
「へーそうなんだ」興味なんか無いみたいな口調で返す。
「興味、ないの?」お母さんが不思議そうな声で俺に対して口ずさむ反面少し嬉しそうな顔を見せた
「母さんね、お父さんがハンターしてるから奏にはハンターに、なって欲しくはないの。だから、少し安心したの。」
衝撃だった俺にとっては。お父さんがハンターだったなんて...
帰ってきたお父さんにハンターの仕事やなんやらをベッドで一冊の本とともに聞かせてもらった。
それは20年前サウランド戦争が停戦してまだ終戦まで至っていなかった時のことだった。
突如として世界的にゲートと呼ばれるものが発生した。
当初は調査が進んでおらずわかっていなかった。ゲートの性質を。
その怖さを。
あー、私はこんなところで死ぬのか.....周りには逃げまどう人、既に噛み殺されて死んでしまっている者。
必死に車のガラスの破片でで食われないように血まみれになりながら倒れても抗う者。
あー私は死ぬのか。死ぬんだな。そんなことを考えて目の前が暗くなる中で一人考えていた。
横には弟が倒れている。弟はもう息絶えているだろう。それくらい酷い状態だった。
でもなんでこんなことが、誰か助けてよ....
それは世界でも起こっていた。同時的に。そんな中でも、武芸者や魔術師などといった力を持つもの達はその異変に対応していた。
街で倒れまくっている人達を生存確認して、運んだり。そんなことはしない。原因を潰すのだ。
突如として出てきた魔物は、武芸者や魔術師によってせき止められ、その後ゲートからでてきたボスを倒し、ゲートは消滅した。
それでもたくさんの被害は出た。人が数え切れないくらい死んでいる。魔物を倒したものの..…
これから先歩いて生活を送って行けるか分からない者、家族が死に悲しみ、それを知ってその場で崩れ、涙するもの。
世界は一日にして混乱に陥った。
政府は以後これをゲートと呼称し、「それを狩るもの」をハンターと呼称した。
だが、それは武芸者や魔術師を指すものではなかった。
『スキル』を獲得したものを指す言葉だった。
良ければ以下のことをお手数お掛けしますがよろしくお願いします!
-小説評価をつけていただく
-感想欄に感想を書いていただく
-ブックマークをつけていただく
-誤字を指摘していただく
など
以上のことをして頂けたらモチベになりますので投稿頻度もあげようかと思います!!そして、だれかに読んでいただけている跡を残して頂けたらとても嬉しいので!!!!
感想欄にはここ良かったとか自分の思ったことを書いていただけると、とても嬉しいです。!
どうぞよろしくお願いします!!