6話 これから、女の子を助けます
どうも、黒虎です。
やっと、6話が書き終わりました。
今回はヒロインである2人の少女が登場するので是非ご覧下さい。
「・・・うん?俺は、あのまま寝ちゃったのか?」
開けっ放しになっている窓から射し込む夕陽の光で俺は目を覚ました。どうやら、俺は自分のステータスを確かめた後ベットに寝っ転がりそのまま眠ってしまったらしい。
俺は、ベットに横になった状態でクローゼットの上に掛けられている時計を見て今の時間を確認した。時計の針は4時を指していた。確か俺がこの「銀鷲」に到着したのは12時過ぎだったはず、つまり俺はあれから4時間近くも寝ていたことになる。
「うーん。まだ、夕食まで時間はあるみたいだし、折角だから散歩でもして来ようかな」
「銀鷲」の夕食の時間は6時。そして現在の時間は4時。夕食まで2時間ある為、俺は町の探索ついでに散歩に出ることにした。
ベットから立ち上がり部屋に鍵をかけ、階段を使い1階に降りて行った。因みに、アマロさんに貰った刀は流石にこんな町中で使うことにはならないだろうと思い部屋に置いていくことにした。
「あれっ、どうしたのハルト君?まだ、夕食の時間じゃ無いけど」
「あっ、リナさん。少し、町の探索ついでに散歩して来ようかなって思って」
「あぁ、そう。じゃ、気をつけていってらしゃいね」
階段を降りて行くと、受付けに居るリナさんが声をかけてきた。俺は、リナさんに「探索ついでに散歩してくる」と言い「銀鷲」を後にした。
バヤンガ町は、日本の町とは違い見たことが無いもので溢れていた。その為、俺は町にある全てのものに興味がいってしまった。そして、すれ違う冒険者らしき人たちを見てみるとほとんどの人が剣や弓など様々な武器を装備していた。
どうやら、この世界では街中でも武器を常時装備していることが常識らしい。そうなると、俺もあの刀を持ってきておいた方が良かったかもしれない・・・。
「まぁ、まずはそんな事よりも何か職につかないとな・・・。いつまでも、アマロさんに頼るわけにはいかないし」
俺はこの世界で生活する為に、何か職に着くことにした。まず、俺の頭に浮かんだ職業は冒険者と商人だった。冒険者は命を落としてしまう可能性はあるが依頼によって大金を手に入れられることができる。それに対して、商人は一気に大金を手に入れられることはできないが安全にお金を稼ぐことはできる。
「うーん、やっぱり商人になって商売をすれば安全にお金を稼ぐことはできると思うけど、商売が絶対に成功するとは限らないしな・・・。やっぱり、ここは危険はあるけど冒険者になった方がいいかもしれないな・・・」
そんな事を考えながら歩いていると、大通りの外れにある路地裏から男女が言い争う声が聞こえてきた。
「・・・少し、心配だし行ってみるか」
俺は、言い争いが聞こえてきた路地裏に向かった。
▪▪▪▪▪
言い争いが聞こえてきた路地裏に入って行くと、路地の奥の方で3人の男と2人の少女が壁を背に言い争いをしていた。
男は3人で2人の少女を壁際まで追い込んでいた。3人の男たちははっきり言ってガラが悪そうな感じだった。日本で言うとカツアゲをしてくるヤンキーのような感じだろう。それに対して、2人の少女たちはどちらも可愛くここが日本なら2人とも芸能事務所からスカウトがきていただろう。
「ちょっと、離しなさいよ!」
赤髪のショートヘアの少女が男の1人に手を掴まれ、手を離すように声を荒らげた。だがしかし、少女の手を掴んでいる男は少女の手を離すことなく、ただニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべているだけだった。
「そんな事言わないで、俺たちと遊ぼうぜ」
「そうそう、俺たちといいことしようぜ」
「絶対に楽しませて上げるからさ」
「嫌よ!!アンタたち見ないなクズと遊ぶぐらいなら、まだ魔物と遊ぶ方がマシよ!!」
「へぇー、それならしょうがないな。力ずくで「俺たちと遊びたい」って言わせてやるよ」
少女の手を掴んでいる男がそう言うと、今まで後ろに居た男たちも前に出て少女たちの退路を塞いだ。
「・・・力ずくで来るなら、受けて立つわ!!」
「ふん。そんな刃こぼれをしまくってる剣で俺たちとやろっていうのか?笑えるぜ」
「う・・・うるさいわね!!そんなの、やってみないと分からないじゃない!!」
少女は男の手を振り払い、腰に指している2本の剣を抜き構えた。だが、少女の剣は年季が入っているのか刃こぼれをしていた。
「あー、すいません。少しいいですか?」
流石にこんな状況に遭遇して、見て見ぬふりをするわけにもいかないため俺は声をかけ割って入ることにした。男たちは、突然面識の無い俺に声をかけられ後ろを振り返った。
「なんだよ、兄ちゃんも混ざりてぇのか?」
「あっ、別に用があるは貴方たちでは無いので大丈夫です。俺が用があるのはそっちの人たちなので」
後ろを振り返った男がそう言ってきたが、俺は男を無視して剣を構えている少女に声をかけた。
「困っているみたいだし、手伝って上げようか?俺、こう見えても強いし」
「・・・じゃ、お願いするわ」
「なぁ!!ふざけんじゃねぇよ!!」
俺と少女の一連のやり取りが終わると、男の1人がそう言いながら俺に殴りかかってきた。俺は、拳の軌道を確認し簡単に男の拳を避けてやった。簡単に男の拳を避けることができたのは特典の1つ「身体強化」のスキルのお陰だろう。
俺は、そんなことを考えながら殴りかかってきた男の腕を取りそのまま勢いに任せて背負い投げをした。勿論、頭からいってしまうと下はコンクリートの為頭蓋骨が割れてしまうので仕方なく背中から落としてやった。
「ぐはっ!」
俺の背負い投げにより、背中をコンクリートに強打した男は短い悲鳴を上げ、意識を失った。
さてと、あの子は大丈夫かな・・・?
俺は、後ろで2人の男と戦っている少女の方に視線を移した。すると、少女の足元には男の1人が倒れており、今立っているのはリーダー格らしき男だけだった。
そんな、リーダー格の男は「クソがァァ!!」と叫びながら短剣を振り回し少女に突っ込んでいった。少女は冷静な刃こぼれをしている剣で男の短剣を防ぎそのまま男を切り伏せた。倒れた男からは血は流れていない為峰打ちだろう。
「2人とも大丈夫か?」
俺は、2人の少女に近寄り声をかけた。
「助けてくれてありがとうね。あたしエリス・バーデンって言うの」
「わ・・・私は、シリリア・シルスタって言います。この度は私たちを助けて下さりありがとうございました」
赤髪のショートヘアの少女エリスと青髪のロングヘアのシリリアがお礼を言い頭を下げてきた。
「それで、アンタは?」
「俺は、ハルト旅人をやっている」
俺は、エリスに名前を聞かれ2人に「ハルト」と名乗った。
作品をお読み下さりありがとうございます。
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次回の更新ですが来週中には投稿したいと思っていますのでお待ちください。




