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5話 これから、宿屋に行きます

お礼の品を受け取り屋敷を後にした俺は、アマロさんが薦めてくれた宿屋「銀鷲」に向かって歩いていた。そして、しばらくすると「銀鷲」の看板らしきものが見えてきた。その、看板には銀色の鷲が描かれていた。恐らく、遠目からも分かるように銀色の鷲を看板に描いたのだろう。そして、「銀鷲」の見た目は日本でもよくある2階建の木造住宅だった。


俺は、両開きになっている「銀鷲」の扉を開け中に入った。「銀鷲」の内装は1階は食事などを摂る酒場と受付けになっていて、2階は宿泊部屋になっていた。


「いらっしゃませ!!宿泊かな?」


中に入り周りをキョロキョロ見ていると、受付に居た20代ぐらいのお姉さんが声をかけてきた。


「はい。取り敢えず宿泊をお願いしたいんですけど、部屋って空いてますか?」


「空いてるわよ。ウチは1泊銅貨2枚になるけどどうする?」


銅貨2枚って言われてもなぁ・・・。

俺はこの世界の通貨のことについては何も知らないから、銅貨2枚が高いのか低いのか判断することができないんだよなぁ・・・。

でも、アマロさんが折角薦めてくれたんだから、取り敢えず「銀鷲」に宿泊してみるか・・・。


俺は取り敢えず、巾着袋から金貨1枚を取り出し、お姉さんに渡してみた。


「えーと、じゃこれでお願いします」


「えっ!!お客さん30泊もするの!?」


金貨1枚を渡されたお姉さんは声を上げて驚いた。どうやら、金貨1枚で1ヶ月以上ここに宿泊することができるらしい。つまり、そうなると金貨1枚で銅貨60枚分の価値になるということか。


「えーと、じゃ30泊でお願いします」


「そう、分かったわ。まさか、お客さんが本当に30泊もしてくれるなんって驚きだわ。まぁ、でも最近お客さんが少なかったから有難いわ」


取り敢えず、俺は「銀鷲」に1ヶ月泊まることにした。

それにしても、「最近はお客さんが少なかったから」ってお姉さんは言っているけど、アマロさんの話ではここは結構有名な宿屋のはずなんだけどなぁ・・・。


俺がそんな事を考えていると、お姉さんは受付の奥に入って行ってしまった。そして、しばらくすると手帳と羽ペンを手に持って戻って来た。


「はい、じゃここにサインお願いね!」


「分かりました」


お姉さんは持ってきた手帳を俺の目の前に広げ、羽ペンを差し出し、名前を書くように言ってきた。俺は羽ペンを受け取り手帳に自分の名前を書いた。


「はい、書き終わりました」


「ハルト君って言うのね。私はリナって言うのよろしくね!」


「はい、よろしくお願いしますリナさん!」


「うん。じゃ、これがハルトくんの部屋の鍵ね。鍵を無くしちゃうと新しい鍵を作り終わるまで結構かかっちゃうから絶対に無くさないようにね!それと、部屋の場所は階段を上がってすぐ右にある部屋だから」


「はい分かりました」


「あっ、そう言えばなにか食べる?軽い物なら今から作れるけど」


「えーと、今はあまりお腹が減ってないので大丈夫です」


「そう。もし、何か食べたくなったら私に声を掛けてね、何か作ってあげるから」


「はい、お願いします」


リナさんから部屋の鍵を受け取り階段を上がって行き、指定された部屋の扉を開けた。部屋の大きさは丁度八畳ぐらいの部屋で、家具はベット、机、椅子、クローゼットなどが置かれていた。


そして、アマロさんに貰った刀を机の横に立て掛けて、空気を入れ替えるために窓を開けた。


「今更だけど、ゲーム見たくステータスみたいなものって出せないのかな?」


俺は特典の1つ「鑑定」のことを思い出し、試しに「鑑定」スキルを自分に使ってみると俺の目の前にゲームなどでお馴染みのステータスウィンドウというものが現れた。


「まさか、本当に出るとは思わなかったな・・・」


本当に現れたステータスウィンドウに驚きながらも、俺は自分のステータスウィンドウに目を移した。



名前 ハルト

性別 男

年齢 18歳

職業 旅人

体力値 4500

魔力値 5000

使用可能スキル 身体強化 超回復 錬金 鑑定 魔法 剣士

ゲート サーチ 収納空間 世界地図

使用可能魔法属性 炎魔法 風魔法 雷魔法 氷魔法

※魔力値平均値 3000。体力値平均値 3500。



魔力値の平均値が3000ってことは俺の5000と言う数字はだいぶ高いな・・・。体力値も魔力値と同じぐらい高くなってるな・・・。

それにしても、1回も魔法の訓練をしていないのに使用可能魔法属性が4つもあるのは、やっぱりスキルの1つ「魔法」のお陰なのか・・・?


俺は、そんな事を考えながらステータスウィンドウを閉じてベットに横になった。

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