4話 これから、アマロさんの屋敷に行きます
町に入ってから言うのも遅いと思うがどうやら、バヤンガ町に入るには身分を証明する物つまり身分証明書が必要だったようだ。だが、生憎俺は身分を証明する物はなにひとつ持ってはいなかった為今回だけはアマロさんが俺の身元引受人になることでバヤンガ町に入れるようにしてくれたらしい。
「今回は、本当にありがとうございます。アマロさん!」
「いえいえ、ハルトさんは私の命の恩人ですから、この程度のことは当然のことですよ。それより、これから予定などはありますでしょうか?」
「予定ですか?いえ、別にこれといった予定はありませんが・・・」
「そうですか、それは良かった。もし、よろしければ私の屋敷に来てください、是非お礼をしたいので」
「・・・有難いお誘いですが、いきなりお邪魔したらご迷惑になるんじゃ・・・?」
「いいえ、迷惑なんてとんでもない!命を救ってくださった恩返しをさせてください!」
「・・・分かりました。では、お言葉に甘えてお邪魔します」
「それでは、私の屋敷まで案内しますね。着いてきてください」
最初は見返りを求める為にアマロさんを助けたわけじゃ無かった為アマロさんの誘いを断ろうと思ったがここまで言われたら、流石に断る方が無礼になってしまうだろうと思い、俺は素直にアマロさんの屋敷にお邪魔することにした。
アマロさんに先導してもらい古めかしい石畳の上を歩いて行くと、やがて商店が並び沢山の人々で賑わっている大通りに入って行く。そして、大通りを抜けて行くと今度は大きな住宅が立ち並んでいる住宅街に入って行く。すると、アマロさんはそんな中でもひときわ目立つ立派な建物の前で足を止めた。
「さぁ、参りましょう。ハルトさん」
「お・・・お邪魔します」
「お帰りなさいませ、旦那様」
アマロさんにそう声を掛けられ俺はアマロさんの屋敷に入って行った。屋敷に入ってみると、玄関にはメイドや執事さんたちが横一列に並び頭を下げていた。俺が思った以上にアマロさんは大金持ちだったらしい。
まず、アマロさんは自分を出迎えてくれたメイドや執事さんたちに俺のことを紹介してくれた。俺がアマロさんを助けたことを知った執事さんは俺に向かって涙を流しなら「ありがとうございます」と言ってきた。そして、後ろに控えているメイドさんたちも俺に向かって頭を下げていた。
どうやら、アマロさんは使用人の人達にとても愛されているようだった。
俺は使用人の人達にお礼を言われた後、客間の1つの部屋に通された。
部屋に通された俺はまず収納空間に収納していたアマロさんの荷物を全て取り出しアマロさんに渡した。
自分の荷物を全て受け取ったアマロさんは、俺の目の前に肌色の巾着袋と1本の刀を置いた。
「アマロさんこれは?」
「はい。これは、私の命を救って下さったハルトさんへのお礼の品です。この、巾着袋には金貨が10枚入っています。そして、この刀は腕の良い鍛冶師に打たせた刀で滅多なことでは刃こぼれしない高級品です」
「いやいや!!そんな物受け取ることなんてできないですよ!!」
「いえ、是非受け取ってください。これは、私の命を救って下さったハルトさんへのお礼の品なんですから」
「・・・分かりました。有難く受け取らせていただきます」
どうやら、巾着袋には金貨が10枚入っていて、刀は腕の良い鍛冶師が打ったとされる高級品らしい。
最初はそんな、大金や高級品を受け取ることはできないと思い一度は断ったが、アマロさんは絶対に引いてくれないと思いここは有難くアマロさんからのお礼の品を受け取ることにした。
「それで、これからハルトさんはどうする予定なんですか?」
「・・・取り敢えず、今日は色々あって疲れたので宿屋を見つけて休もうと思います」
「宿屋ですか・・・。それなら、「銀鷲」という宿屋がオススメですね」
「「銀鷲」ですか?」
「えぇ、「銀鷲」は女将が作る料理がとても絶品と言われていて有名なんですよ」
「なるほど。それじゃ、この町に居る間は「銀鷲」に泊まることにします」
俺が宿屋に泊まることをアマロさんに話すと、アマロさんは「銀鷲」と言う宿屋を薦めてくれた。この、「銀鷲」と言う宿屋は女将さんが作る料理が絶品と言われているらしい。
確かに、長い間宿泊するなら料理は美味い方がいいよな・・・。
俺はそう考えて、この町に滞在する間はアマロさん薦めてくれた「銀鷲」と言う宿屋に宿泊することにした。




