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23話 これから、ケーキを作ります

これで、2.5章は終わりです。

次回から3章に突入となりますのでどうぞよろしくお願いします。

「それで、ハルト君が考えたメニューは一体なんなの?」


「俺が考えたメニューは2つです。1つ目は、子ども向けに考えた料理お子様ランチです。2つ目は、女性向けに考えたデザート料理ケーキです」


「・・・・・・お子様ランチ?」


「「・・・・・・ケーキ?」」


そう。俺が考えたメニューはお子様ランチとケーキの2つだ。


お子様ランチは子どもが食べるには最適な量だし値段を安くすれば必ず子どもがいる家庭には売れるはずだろう。

ケーキは大きさを小さめにすれば食後のデザートや小腹が空い時にちょうど間食になるし、なによりこの世界の女性は日本の女性より甘い物が好きそうだしデザートの代表格であるケーキならきっと売れるはずだろう。


それにしても、3人の反応からしてどっちもこの世界には無いものらしい。お子様ランチはともかくケーキもこの世界に無いのはなんか意外だな・・・。クッキーとかがあるならケーキもあると思ったんだけどな・・・。


「あ・・・あの、そのお子様ランチとケーキってどんな料理なんですか?」


「えーと、お子様ランチは少し少なめのご飯と子どもが好きそうな揚げ物のセットかなでらケーキはスポンジケーキにクリームを塗ってその上に果物を乗せたものなんだけど分かるかな?」


「・・・・・・一応、お子様ランチは理解できましたけど、そのスポンジケーキってなんですか?」


自分が分かる知識だけでなんとかお子様ランチとケーキについて説明することができた。元々俺は、料理をする方じゃ無いし少し間違っている可能性もあるがここは大目にみてほしい。


取り敢えず、マナルさんは俺のたどたどしい説明でお子様ランチのことについては理解してくれたようだが、ケーキについては首を傾げるだけだった。


とゆうか、それ以前にマナルさんはスポンジケーキのことすら知らなかったようだ。どうやら、この世界にはケーキ同様スポンジケーキも無いらしい。


「う〜ん、スポンジケーキって言うのは簡単に言うと小麦粉がメインで作られたフワフワした感触が特徴的なスイーツなんですけど、聞いたことありません?」


「・・・聞いたことは無いですね」


「私も、そんなスイーツ聞いたことは無いわね。お母さんは?」


「私も、無いわ」


どうやら、3人の返答を聞く限りケーキとスポンジケーキがこの世界に無いことは本当らしい。


「それで、ハルトさんはそのスポンジケーキで作られているケーキと言うスイーツの作り方は分かりますか?」


「・・・・・・う〜ん、作り方ですか。少し待っててください」


この、マナルさんの質問に答えるまで若干の間が空いてしまったが、中学と高校の時の調理実習で何度もケーキを作ったことを思い出し何とかその時に使った材料を思い出すことにした。


「えーと、じゃ今から俺が言うことを紙かなんかに書いておいてください」


「は・・・はい。分かりました」


「小麦粉100g、卵3個、砂糖110g、牛乳10ml

、生クリーム300ml、いちご1個・・・とここまでで分からないこととかある?」


しばらくして、辛うじてケーキを作る際に必要な材料を思い出すことができた。まぁ量とかは思い出せなかったからほぼ勘みたいなところはあるけど・・・。


そして、全ての材料を言い終わり、マナルさんが全ての材料を紙にメモし終わったことを確認してから、何か分からないことはないかとマナルさんに聞いた。


「えーと、特にありません」


「よし、じゃ次は作り方を説明するからよく聞いておいてね」


「は・・・はい」


特に、分からないことは無いようなので、続けてその材料を使ったケーキの作り方の説明を始めた。



▪▪▪▪▪



ケーキの作り方をメモし終わり、マナルさんは銀鷲の調理場を借りて早速ケーキの調理を始めた。本当はケーキを作ったことがある俺が作ればいいんだろうがなにせ料理に関しては俺は素人なため、ここは料理人でもあるマナルさんに料理してもらうことにした。


まぁ、流石に砂糖を加えて泡立てる作業はマナルさんには荷が重いと思ったため、俺が代わりにやることにした。なにせ、この作業は5分間ずっと掻き回す必要があるからだ。


牛乳を加えるまでの作業を終え、早速掻き混ぜたものを型に流す作業に取り掛かった。

型に流す作業を終え次は焼く作業に取り掛かった。型に流したものを年季が入っているオーブンに放り込みしばらく放置した。


そして、頃合いを見てオーブンからケーキを取り出し、前もってリナさんに用意してもらった金網の上に置きしっかりと冷ました。

冷めたことを確認して、俺が代表としてスプーンで一口食べてみることにした。やはり、味は今まで食べたことがあるケーキとは微妙に違うが食べられないことはなかった。


俺は、調理場から3枚の皿を取り出し、その上にそれぞれケーキを乗せ3人に差し出した。


「お、美味しいです!!」


「美味しいわ!!」


「本当だわ。今まで味わったことの無い味だわぁ」


3人はそれぞれケーキを一口食べて、「美味しい」と感想を口にした。

どうやら、3人ともこのケーキをお気に召したようだった。


「まだ作っては無いですけど、お子様ランチは子ども受けするし、このケーキがあれば女性受けもするはずです。そして、どっちともライバル店より値段を少し安くすれば恐らく経営は元の状態に戻ると思いますよ」


「はい、ありがとうございました!!ハルトさん!!」


マナルさんは、俺にお礼を言った後、まだ作っていないお子様ランチを作ってみたいと言い自分のお店に戻って行ってしまった。


そしてその数時間後、隣町から帰ってきたエリスとシリリアにケーキを作っていたことを知られ2人に作るように要求されてしまいリナさんとミナさんの3人ともう一度ケーキを作る羽目になってしまった。

ブックマークのほどよろしくお願いします。

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