22話 これから、いい案を出します
「それじゃ、まず今まで話し合った結果どんな案が出たか教えてもらえますか?」
「分かったわ。取り敢えず、今まで出た案を紙に書くから、ちょっと待ってて」
リナさんの横に座った俺は、取り敢えず今まで3人で話し合い出た案を教えてもらうことにした。リナさんは、そう言うと紙とペンを取りに行く為席を立ち、カウンターの奥に向かって行った。
それにしても、銀鷲の方の営業は大丈夫なんだろうか・・・?
俺は、そんな事を思いながらリナさんがカウンターの奥から紙とペンを持ってくるのを待つことにした。
「持ってきたわ。じゃ、今まで出た案をこれに書き写すわね」
「お願いします」
紙とペンを持ってきたリナさんは席に座り、3人を代表として今まで出た案を紙に書き始めた。
一体、3人はどんな案を出していたんだろうか?
▪▪▪▪▪
「はい、書き終わったよ」
数分後。今まで出た案を書き終わったリナさんは、ペンを置き書き終わった紙を俺に渡した。俺は、紙を受け取り軽く書かれている案に目を通した。
紙に書かれている案は以下の通りだった。
・従業員の数を増やし、お店の回転を早くする。
・お店の名前を誰もが足を止める名前に変える。
・可愛い、看板娘を用意する。
・新しいメニューを考える。
・新しい飲み物を考える。
・料理の値段を安くする。
・お店の雰囲気を良くする為に音楽をかける。
・お店の清潔感を出す為に店内の掃除を怠らず従業員も身だしなみに気をつける。
・冒険者が好きそうなメニューを考える。
・子どもが好きそうなメニューを考える。
どうやら、3人で話し合って出した案は全部で10個のようだ。そして、この10個の中で使えそうな案は4つぐらいだろう・・・。
「どうかな?いい案とかあった?」
「ん〜、俺が使えると思った案は4つぐらいですかね」
「・・・・・・4つしかないんですか」
リナさんに「いい案はとかあった?」と聞かれ、俺は正直に思ったことを伝えた。
俺の返答を聞いたリナさんは「そうか・・・」と言い新しい案を再び考え出し、ミカさんは何一つ考えること無く紅茶をすすっていた。
そして、マナルさんと言うと使える案が4つしか無いことに対して落ち込んでしまっていた。
確かに、使える案は4つしかないのは確かだけど、その4つの案を全て合わせたら結構いい案が出来そうなんだような・・・。
「一応、俺なりの考えはあるですけど、ライバル店はどんな客が多いんですか?」
「え・・・えーと、ライバル店は肉料理とかが美味しくって評判なので、やっぱり冒険者たちのお客さんが多いですかね・・・」
「なるほど。じゃ、次にこのバヤンガ街の人口は冒険者よりも子どもがいる家庭の方が多いですか?」
「えっ・・・それは、流石に分かりません」
「私も、それは分からないわね・・・。お母さんは?」
「ん〜、多分子どもがいる家庭の方が多いと思うわよ」
どうやら、ライバル店は肉料理が評判らしく客層は冒険者たちがメインらしい。そして、ミナが言うにはこのバヤンガ街は冒険者たちより子どもがいる家庭の方が多いらしい。
なるほど。バヤンガ街は冒険者たちよりも子どもがいる家庭の方が多いのか・・・。
そうなると、俺も子どもの頃よく食べてたアレと便利なアレを作れば経営は元に戻りそうだな。
「なるほど。これで、いい案が思いつきましたよ!!」
「ほ、本当ですか!!」
「は・・・はい、本当ですよ」
俺がそう言うと、今まで大人しかったマナルさんが席を立ち上がり興奮気味に聞いてきた。
それにしても、マナルさんの顔が近い・・・。
俺は、そんな事を思いながら興奮気味のマナルさんを落ち着かせて、俺が今考えている案の説明を始めた。
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