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2話 これから、人を救います

目を覚ますと綺麗な青空が目に映り、視線を横に移動させると草原の上をバッタのような生き物がピョンピョン跳ねて飛んでいた。

身体を起き上がらせ、軽く身体中を調べてみたが身体には一切の痛みは無かった。周囲には見たことも無い山々や草原だけが広がっていた。どうやらここが異世界というところらしい。


「んー。取り敢えず、道に出れば町か村には辿り着くことはできるだろう」


俺はそう判断し、道に向かって歩き出した。それからしばらくすると道が見えてきた。


「なんとか、道に出れたけどこれからどうするか・・・。取り敢えず、この世界地図っていうのを使ってみるとするか」


なんとか、道に出ることはできたがこれからどっちに行けばいいのか分からないため、取り敢えず特典の世界地図というものを使用とした時、突然俺は謎の頭痛に襲われた。


「な・・・なんだ。この痛みは・・・?」


『あーあー、聞こえますか』


「この、声は神様か?」


『どうやら、無事に転生することができたようですね』


謎の頭痛が治まると、突如頭の中に神様の声が聞こえてきた。


『今更になってしまいますが、スキルについて説明していませんでしたね』


「は・・・はい」


『では、今からしますのでしっかりと聞いていて下さいね。収納空間は人間や魔物以外の物なら何でも収納できる魔法です。収納した物は自在に取り出すことが出来るので戦闘にも活用することができるので、是非お試し下さい。次にゲートは1度行ったことのある場所なら数秒でその場所に行けるというものです。これは日常生活や依頼が終わり宿をとっている町や村に戻るのには使えるものです。最後に世界地図は簡単に言えば地図のようなものです。これさえあれば道に迷うことは無いので安心してください』


神様は特典の中でも若干謎だった収納空間とゲートと世界地図に関して説明してくれた。

やはり道が分からない時は世界地図を使ってみるのがようだ。


「じゃ、早速道に迷っているので世界地図を使ってみますね」


『やはり、道に迷っていましたか。ですが、世界地図を確認して進めば無事に町や村に辿り着くことはできると思うので是非頑張って下さいね』


「はい、また色々とありがとうございました」


「【スキル 世界地図】」


神様のとの「念通話?」と言うものを終えた俺は、早速世界地図を使用してみた。すると、道を左に曲がり数キロ歩いた所に町があるらしい。町の名前はバヤンガ町というところらしい。


「よし、じゃあバヤンガ町ってところに向かうとしますか」


俺は世界地図で方角を確かめながらバヤンガ町を目指し歩き出した。



▪▪▪▪▪



しばらく歩いていると、俺はあることに気が付いた。今俺にはお金が無く食糧や水も無い。お金が無いと言っても元の世界のお金はポケットにいくらか入っているがこのお金がこっちの世界で使えるわけはないだろう。


更に、俺には食糧や水が1つも無い。そうなると町に着く前にいずれ餓死してしまう可能性があるだろう。

俺はそんなことを考えながら、歩いていると前方から男の悲鳴が聞こえてきた。


「今の悲鳴か?取り敢えず、世界地図で確認して見るか」


男の悲鳴が聞こえ男の場所を確認するため世界地図を使用した。世界地図によると、男は1キロ程度離れた場所で数体の魔物に襲われているようだった。魔物数はこの丸の数からして5体ぐらいだろう。


「・・・流石に、見捨てるのもあれだし向かってみるか」


正直に言って、今の俺が魔物と戦って勝てるかどうかは分からないがここであの男を見捨ててしまったら夢見が悪いと思い男が魔物に襲われている場所に向かって俺は走り出した。



▪▪▪▪▪



しばらく走っていると、前方に荷馬車が止まっているのが確認できた。更に近づいて行くと荷馬車の近くには巨大な熊のような怪物がいた。恐らくこの怪物というのが魔物という存在だろう。


「・・・まずは、鑑定してみるか」


俺はまず【スキル 鑑定】を使用し巨大な熊のことを調べてみた。


『ベアー・コング。二足歩行型の魔物。高い腕力を持っており一般成人男性なら一撃で即死させることが可能。高い防御力も持っており剣や弓では倒すことはほぼ不可能。魔法を使い倒すべし』


成人男性なら一撃で即死させることが可能って・・・。

成人を迎えてない俺に倒すことはできるのだろうか・・・。だが、ここで俺があの魔物を倒せなければあの人は死んでしまうだろう。


確か、鑑定では剣や弓では倒すことは不可能と書かれていたけど魔法を使い倒すべしと書かれていたはずだ。ここは、一か八かやってみるしかないな・・・。


「【初級火魔法 ファイヤーボール】」


俺は今使用することができるファイヤーボールと言う魔法をベアー・コングに向かって使用した。

ファイヤーボールはベアー・コングの腹部に命中し、命中したところから炎が広がりベアー・コングはあっという間に丸焦げになってしまった。


「・・・やったか?」


丸焦げになったベアー・コングを確認していると、男が俺に近づいてきた。


「いやぁ、貴方のお陰で助かりました!本当にありがとうございます!」


男は何度も俺に頭を下げ、俺の手を握り何度もブンブンと振り回しながらお礼を言ってきた。

なんかこう、面と向かって何度もお礼を言われるのは流石に恥ずかしいな・・・。


「改めて、この度はベアー・コングから助けていただき誠にありがとうございます。申し遅れましたが、私の名はアマロ。見ての通り商人をやっております」


「・・・自分はハルトと言います。今は旅人をしています・・・」


事情を知らない人に「異世界から来ました」と言っても信じてくれる訳も無いため適当に旅人ということにしておいた。


「それで、アマロさんはこれからどうするんですか?」


「はい、これから大事な商談があるのでバヤンガ町に向かおうと思っています」


「バヤンガ町ですか。でしたら、道中護衛致しましょうか?自分もバヤンガ町に向かっているところなので」


「それは是非、こちらからもお願いします。実は言うと護衛として冒険者たちを数名雇っていたのですがベアー・コングと遭遇するなり直ぐに逃げられてしまって・・・」


どうやら、アマロさんはバヤンガ町に向かっている最中だったらしいく、念の為魔物の襲撃に備え3人の冒険者たちを雇っていたがベアー・コングに遭遇するなりアロマさんを置いて逃げ出してしまったらしい。

確かに命が欲しいのは分かるが、だからと言って護衛対象を見捨てて逃げるのは冒険者としてどうかと思うな・・・。


「なるほど・・・。それで、荷馬車はどうしまょうか?」


「商品は惜しいですが、荷馬車はこの通り破損してしまい運びようがありませんし、ここに置いていくしかありませんね」


俺は荷馬車に視線を移すと、ベアー・コングに襲撃されたせいか荷馬車の車輪は外れ、馭者台は見るに堪えないほどに破損していた。

アロマさんは、荷馬車に積まれている商品を諦めることにし、最低限の荷物を荷馬車から運び出した。とはいえ商人のアロマさんからしたら商品を置いていくことには抵抗があるようで、荷物を運び出しているアロマさんの表情は決して明るいものじゃなかった。


「・・・あのアマロさん。もし、良ければ俺のスキル収納空間で荷馬車を運びましょうか?」


「お・・・おぉ!!なんとハルトさんは収納空間を使えるのですね!!ですが、流石にこの量の荷物を収納するのは厳しいのではないでしょうか?」


「あっ・・・、まぁ大丈夫ですよ」


「そ・・・そうですか」


アマロさんの言動からして、収納空間はやはりレアなスキルのようだ。そして、収納空間の容量については俺も知らないが神様から授かったスキルなのだからなんとかなるだろう。そんなことを思いながら、荷馬車に手を触れ「【スキル 収納空間】」と唱えた。すると、荷馬車は一瞬にしてその場から消え去っていた。


「一応、無事に収納できたみたいですね」


「な・・・なんと、通常の収納空間は食糧や水分だけで限界な筈なのですが・・・凄いですねハルトさんのスキルは」


どうやら、通常の収納空間は食糧や水だけで容量がいっぱいになってしまうらしい。そう考えると俺の収納空間は結構なチートなんだなぁ・・・。


「ま・・・まぁ、とにかく今はバヤンガ町に向かいましょう。いつまでも、ここにも居る訳にもいきませんし」


「・・・そうですね」


若干、アマロさんに疑いの目を向けられながらも、バヤンガ町に向かって歩き出した。

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