15話 これから、王都に入ります
王都に向かう道を2台の馬車が縦一列になり走っていた。前には、ソーナたちが乗っている公爵家の馬車が後ろには俺たちが乗っている馬車がそれぞれ走っていた。公爵家の馬車の前にはゴブリンたちの襲撃から生き残った兵士たち4人がそれぞれ馬に乗り先導していた。
最初は、俺たちが兵士の馬を借り公爵家の馬車の前を走り先導すると言う話になっていたが兵士たちから「それは、私たちの仕事なので私たちに任せてください!」と言われた為、俺たちは仕方なく公爵家の馬車の後ろに馬車をつけ何時でも護衛ができるようにした。
「まさか、これから荷物を届ける公爵家の娘さんを助けることになるなんって思いもしなかったわよ・・・」
「確かに、そうですよね・・・。でも、何故、公爵家の娘さんがあんな危険な森に居たんでしょうか?いくら、護衛が着いていると言っても普通はあんな森を通らないと思うんですが」
「さぁ?詳しいことは分からないけど、自分から話そうとしないんだから何か色々と深い事情があるんじゃないか?」
シリリアがそんな疑問を口にした。
確かに、シリリアの言う通り魔物が多く出現する森を王族の血を引く公爵家の娘さんが居たのは不思議なことだ。普通はいくら護衛が居たとしてもあんな森を通るとは思わないんだけどなぁ・・・。
実際俺も「何で、こんな森の中に居たんだ?」とソーナに聞いてみたかったが、あんなことがあった直後に聞くのはあれかなぁと思って聞けなかったんだよなぁ・・・。
「う〜ん、確かにハルト君の言う通り何か深い事情があるのかもしれませんね。もし、そうだとしたらあまり詮索しない方が良さそうですね」
「確かに、そうね」
馬車の中で2人と話あった結果、ソーナがこんな危険な森に居た理由は何か深い事情があったのだろうということになり、ソーナ自身から理由を俺たちに話すまでこの話題には触れないことにした。
そして、そんなことを馬車の中で話しているうちに馬車は目的地である王都に向けて進んで行っていた。
「皆さん!!やっと、王都が見えてきましたよ!!」
「おお〜、あれが王都か結構なデカイな・・・」
前を走っている公爵家の馬車の窓からソーナが身を乗り出し後ろを走っている俺たちに向かってそう叫んだ。俺たちは、ソーナの声を聞きそれぞれ馬車の窓から顔を出してみると白と黒を基調としたシンデレラなどのおとぎ話に出てきそうな城と街全体を囲んでいる白い城壁が見えてきた。
王都に近付くにつれ、俺は王都を囲んでいる白い城壁の高さに改めて驚いた。この、白い城壁の高さは恐らくだが数十メートルはあるだろう。城壁をこんなに高くした理由は恐らく巨大な魔物などの侵入を防ぐためだろう。
馬車が王都の正門近くに到着すると、正門の前には馬車や人などで長い行列ができていた。再び窓から顔を出し行列の一番先頭を見てみると槍を持った2人の兵士が立っていた。恐らく、バヤンガ町同様この王都でも検問をしているのだろう。
俺達もこの長い列に並ばないといけないんだろうか・・・。
そんな事を思っていると、公爵家の馬車は長い列を無視して検問をしている兵士の横を通り過ぎようとした。検問をしている兵士は慌てて自分達の横を通り過ぎようとする馬車を止めようとするが窓から顔を出したソーナを見て何もすることも無く自分達の持ち場に戻って行った。
俺達は、ソーナに手招きをされ公爵家の馬車の後に続いて王都に入って行った
「貴族が住んでる家って、意外に普通なんだな」
「えっ・・・、何言ってんのハルト?」
「・・・もしかして、ハルト君は王都の仕組みについて知らないんですか?」
「えっ・・・。もしかして、皆は知ってるのか?」
「そんなの当たり前でしょ。王都の仕組みぐらいなら子どもでも説明できるわよ」
「ふーん。それじゃ、エリスは王都の仕組みについて説明できるのか?」
「あ・・・当たり前じゃない!」
「じゃ、俺に説明してくれよ」
「わ・・・分かったわよ」
エリスはそう言い俺に王都の仕組みについて説明を始めた。
エリスの説明によると、今俺達が通っている場所は「一般エリア」と呼ばれる場所で俺達みたいな「庶民」が暮らす場所らしい。
そして、後数十メートル先にある橋を渡れば「貴族エリア」と呼ばれる「貴族」が暮らす場所に到着するらしい。
それにしても、わざわざ庶民と貴族を分ける必要はあるんだろうか・・・。
俺が、そんな事を考えているうちに馬車はどんどん貴族エリスに向かって進んで行った。
王都の説明はエリスにしました。
理由はシリリアが馬車を操ってるからです。




