想い出すたび、微笑と懐かしみ
あなたは誰かに、世界の中で1番愛されているという自信がありますか?
あなたは誰かを、世界の中で1番愛しているという自信はありますか?
そんな愛を、してみたかったのだけれど、私には無理だと、私は思っていた。
私は「私こころ」が強すぎたので、周りの人が入り込む隙がない人間なんだろうと思っていた。
けれどね、そんな鉄壁、かぁるくすり抜けて、こころの中に入ってきた彼女の不思議さ。
《想い出すたび、微笑と懐かしみ》
若いころ
新聞配達をしていた
君もつきあい
まるで真っ黒で朝じゃない午前3時
朝刊配るのに
ふたりでバイクつらねてね
あっち行ってはこっち行き
ミニバイクの騒音まきちらし
(ちっちゃなぼーそーぞく みたいね)
ってけらけら笑った君
(ふたり、
この街の
女王様と女王様だね)
(それもいうなら「王様と王妃様」だろ?)
(だって ふたり けっこんしてないもん)
かおに当たる風が
無数の針を顔に突き刺し
終わるころにはふたりとも
マネキンフェイスになってたね
前の日は
昼間 日向なら暖かいほどの快晴だったが
午前4時の身体の芯から来る小さな震えは
本当なら
1人で耐えなきゃいけないけれど
彼女が
いてくれたので
顔見合わせて
「表情、ないもん」
ってゆびさしあいげらげら笑いあい
「ちょっと寒いね」
って2人キツく抱きしめあい
そんな幸せな朝が、
あの頃はあったってだけの 話、
それが、あいの話。
そんな愛で、私のこころに入り込み、いまなお、居座り続けてる彼女、ほんとうなら、私ごときが、拝謁許されるわけない高貴な、やんごとなき姫君だとの自己申告、話聞くだけ聞いて、笑って済まして、でも、全然不快じゃないのは、ほんと彼女の人徳っての?
アワセテクレタコトダケ感謝しています。
その人のためなら、死ぬのもへっちゃらと、思わせてくれる愛する人に逢わせてくれて、それだけで、すべての世界に、感謝します。
して、後悔いたしません。