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プロローグ

初めまして、風狼龍です。

星座を敵として出す、という感じで書いていこうと思います。

楽しんでもらえると嬉しいです。

どこにでもある様な景色。

コンクリートでできたビル群に、その間を行き交う人達。

携帯片手に楽しそうに電話している人、腕時計を確認しながら走るスーツを着た人、放課後を楽しんでいるであろう学生たち、車道を行き交う色々な車。

そう、どこにでもある様な当たり前の景色、当たり前の日々。

ただ……一つ、違う・・ところがあるとすれば、事故などが可愛く思える『危険』が存在するところだ。

ドカァン! とビルの一つからの爆発音が響き渡る。

それに反応して、行き交う人々は足を止めて、その爆発があった方へと視線を向ける。

爆発したことによって、立ち込める煙から一人の女性がふらつきながらも、出てきて、涙目になりながら、必死そうな形相で周りの人達を見て、手を伸ばす。


「た、たすけ……!」


そこまで言った瞬間、煙の中から何か、が飛び出してきて、女性の体を貫く。

赤い鮮血が飛び散り、その体を貫いた何か……それは熊の手の様なもの。

女性は口から血を吐いて、目を見開いており、煙の中から現れた女性を貫いた張本人が姿を現す。

簡単に言ってしまえば、熊を二足歩行にしたかの様な存在。

茶色い毛皮に覆われ、その手には大きな手に鋭い爪を持っている。

ただ、違うとこがあるとするならば、熊の様な顔には黒い星のマークがあり、凶悪と言えるほどの顔をしている熊だ。

その熊は女性を貫いた腕を振るうことによって、引き抜き、それによって飛んで行った女性、だったものは壁に激突すると、グチャッ! という音を立てて、見せられない様な無残な姿へと変わり果てる。

そのあまりの光景に吐き気を覚える人や呆然としてしまう人達が出てしまう。


「グオオオオオオオオオ!」


熊の怪物が雄叫びを上げると、後ろから三体、同じ熊の怪物が現れる。

そして、熊の怪物の雄叫びによって、意識を現実へと引き戻された人々は恐怖へと顔を染める。


「きゃあああああああ!」

「ほ、『星屑スターダスト』だァァァァ!」

「逃げろォォォォォ!」


熊の怪物……スターダストと呼ばれる怪物を見た途端、人々は蜘蛛の子を散らすかの様に逃げ出し始める。


星屑スターダスト』……星屑と呼ばれる怪物たちの総称で、数十年前に現れた、とある存在の忘れ物とされている。

その存在が引き連れていた怪物たちであり、その存在達が去った後も残っており、こうして出現しては人や動物などを襲い、殺戮と破壊の限りを繰り返している。

危険度で第一型~第六型まで存在しており、第一型が一番危険だと示しており、そこから二、三となっていくと危険度が低くなっていく。

大きさも大型、中型、小型とバラバラではあるが、どんな危険度だろうと、大きさだろうと天敵であることには変わりない。


熊のスターダストたちは雄叫びを上げると、逃げ惑う人達を走って追いかけ、その鋭利な爪で人をバターの様に切り裂いたり、突き刺したり、牙を突き立て、喰らっていたりする。

さっきまでの当たり前にあった日常は一瞬で、地獄へと変わり果てる。

そこに自衛隊が駆け付け、少し変わっているアサルトライフルを構え、熊のスターダストたちに射線を合わせる。

熊のスターダストたちは自衛隊がこちらに銃を向けられていると気付き、体をそちらへと向ける。


「撃てェ!」


一人の兵……恐らく隊長の一言に隊員たちは反応し、引き金を引く。

その瞬間、アサルトライフルは火を噴き、けたたましい銃声を出しながら、熊のスターダストたち四体に次々と銃弾が叩き込まれていく。

スターダストたちに銃弾が命中する度に飛び出すのは血ではなく、淡い黒く煌めく光。

だが、すぐさま傷が塞がっていき、スターダストたちはものともしない。

それに驚愕する自衛隊。


「『アルミラージ』が効いてないだと!? 『ゴブリン』よりも威力はあるんだぞ!?」

「隊長! コレは我々がどうにかできるものではないかと!」

「わかっている! クソ……あの数からして、第三型か? 我々では判断しようも」

「ぎぃあああああああああああああ!」


隊長が苦虫を噛み潰した様な顔をしながら、どうするかと考えていると、悲鳴が聞こえてくる。

それもすぐ近くから。

右の方へと視線を向けると、目の前にスターダストがいて、隊員を貪り食っているのだ。

その光景に報告をしていた隊員は「ひっ!」と短い悲鳴を上げ、尻餅をついてしまいながら、後ずさる。

隊長も突如の出来事に目を丸くするしかない。


―――奴はいつ、攻撃行動へと移していた?

さっきまで、それこそ三十メートル以上は離れていたはずだ。

それを気付かれず、知らない間に隣の隊員を食い殺すなど……。

いや、忘れてはいけない。

今、自分たちが相手しているのは人でも、地球上に存在する生物でもない……星屑なのだと。


人が認知できないスピードで動くことなど容易い怪物たちに常識を当てはめるのが間違っていると、すぐさま理解した隊長は震えながらも、アルミラージと呼ばれたアサルトライフルを構える。


「よくも、よくも俺の部下を!」


アルミラージの引き金を引き、次々とスターダストの銃弾を叩き込んでいく。

だが、傷ができても、すぐに塞がっていき、スターダスト自体も気に留めていない。

痛みのせいで、歪んだ顔で死んでいる自衛隊の死体を一心不乱に貪り食う。

他のとこでも悲鳴が響き渡り、それにより、我に返った隊長は辺りを見渡し、残りの三体たちが次々と部下を襲っていっているのが目に入る。

その移動速度はやはり、人の目で見えるものでもないし、逃げ切れるわけもないために、次々と殺されていく。


「クソ……! クソ……! 何故だ!」

「た、隊長! て、撤退しましょう! このままでは全滅して」

「いや、ダメだ! まだ市民たちの避難が完了していない!」


未だに尻餅をついている隊員の一言を一蹴りする。

そうだ、まだ市民の避難は完了していない。

ここで自分たちが逃げ出してしまえば、逃げ遅れた市民たちが殺されるのは考えなくてもわかる。

スターダストたちはなぜか、武器を持つ者たちを優先して攻撃する習性がある。

危険だとわかっているからなのか、それとも圧倒的力の差を見せつけて、嘲笑うためなのかはわからない。

だからこそ、ここで退くわけにはいかない。

せめて、市民が避難を完了しない限りは。


「グルッ……!」


獣の様な呻き声に反応すると、先ほどまで部下を食らっていたスターダストが食い終えたのか、ゆっくりと立ち上がり、口元を血で汚しながらも、次は隊長の方へと体と視線を向けた。

先ほどまであった部下の死体は骨さえ残さずなくなっている。


―――骨さえ残さず食われてしまったのか……。


骨さえ残らなかった部下に悲しみを覚える。

そして、次は自分がこうなる番なんだと、絶望を感じぜざるを得ない。


「た、隊長!」


尻餅をついていた隊員がアルミラージをすぐさま構えるが、その手は震え、標準が定まらない。

涙さえ滲む目では、敵さえうまく捉えられない。

奴らを……地球の生命全ての天敵が現れて、それを排除すべく戦いに出て。

通常兵器では通じないから、『スターデナイ』が作り上げた特殊武器を手に取ってきたというのに。

自分の両親も、兄弟も、コイツ等に殺されて、復讐するために軍に入ったというのに……結局は変わらない。

隊員の頭には『絶望』と『無力』の二言だけが脳内を占めていく。

こうしている間にも隊長は殺されてしまう。

いや、自分もすぐに別のスターダストに殺される可能性だってあるだろう。

助かる可能性が0ということに本当に絶望しか覚えられない。


「絶望……しろ……! 黒き星の元に絶望し、死んでいくがいい……!」

「このスターダスト喋れて……!? ということは第二型!?」


突如喋り出したスターダストに驚きを隠せない隊長。

スターダストの特徴として、第三型~第六型は例外を除いてだが、喋ることはできない。

だが、第二型、第一型となると言葉を発することができるのだ。

その声はまるで、冷たく、残酷さを覚えさせる声である。

隊長が指揮する者だからなのか、そのために喋り出したのかは謎だ。

コイツ等の考えを、人が理解するなど、不可能なのだから。

スターダストはゆっくりと腕を振り上げ、不気味な笑みを浮かべる。


「死の絶望を……!」


そして、その鋭利な爪が振り下ろされる。


「『アルジュナ』!」


若い娘の声が聞こえてくると同時に次に聞こえてきたのは一つの銃声。

風を、いや、空間そのものを切り裂くかの様な轟音が一瞬聞こえたかと思った瞬間、スターダストの振り上げられていた腕は……消失・・していた。

いや、消失したというよりも、何か強い力によって、消し飛んだと言った方が正しいのかもしれない。

アルミラージを発砲していた隊員たちも、それをものともせずに、滑稽な人たちを嘲笑うかの様に襲っていたスターダストたちも声が聞こえてきた方を見る。

そこにいるのは黄色を基調としたスナイパーライフルを屈んで構えている、ヘッドホンをした小柄な金髪碧眼の少女。

少女はボルトアクションを行い、薬莢を輩出し、再びスコープを覗き込んだと同時に引き金を引く。

それにより響く二度目の銃声。

それと同時に起きたことは隊長を襲おうとしていたスターダストが次は頭が消し飛んだのだ。

再び一瞬だけ聞こえてきた、空間を切り裂く音と共に。

少女は再びボルトアクションを行い、薬莢を輩出する。

その地面に落ちたはずの薬莢は黄色の光と小さな雷を迸らせながら消えていく。

そして、頭が消し飛んだスターダストは絶命した……かの様に思われたが、急に方向を少女の方へと変え、走り出す。

そう、忘れてはならない。

スターダストは星屑……その名の通り、生物ではない。

隊長はすぐさま目の前から消えたスターダストに反応するが、見えないのだからどうしようもない。

だが、少女は見えているのか、何もない空間の方へライフルを構えた瞬間。


「ダメだねェ、ルーキー! コイツ等は頭を撃ち抜いたところで死ぬとは限らないんだから、徹底的にやらないとねェ! 『ファフニール』!」


少女を飛び越える様に現れたのは赤髪が特徴的な女性。

黄色い瞳が特徴的な目をこれでもかというくらい見開き、満面の笑みを浮かべながら、突如現れた黒い大剣を右手で握りしめる。

その瞬間、大剣は黒い炎……『黒炎』を纏い始め、重力に従って落ちていく女性は大剣を思いっきり振り下ろす。

そして、着地と同時に大剣は地面に叩きつけられ、ドゴン! と鈍い音が響き渡ると同時に地面は穿たれ、三メートルはあるであろうクレーターができる。

その中心には先ほどの女性と顔と片腕がないスターダストがおり、スターダストの方は真っ二つになっており、次第に黒炎に包まれていく。

結果、それは倒れ、動くこともなく、そのまま黒炎に焼き尽くされた。

そして、女性はというと、クレーターができてしまった地面を見て、やっちゃったという様な困った笑みを浮かべる。


「アハハ、やっちまったなぁ。どうしても、力を使うと破壊衝動が出て、仕方ねぇ」

「何やってるんですか、『デストロイヤー』先輩!」

「いやぁ、やっちまったもんは仕方ねぇだろ? 『スナイプ』?」


アハハ、と笑いながら、人差し指で頬を掻くデストロイヤーと呼ばれた女性。

スナイプと呼ばれた少女はデストロイヤーに怒りながらも、他へと視線を向ける。

すると、別のスターダストが二人目掛けて迫ってきており、少女はしまったという感じで反応する。


「武器の変更を」


少女は呟くが、その前にスターダストが目の前まで来てしまい、少女目掛けて鋭利な爪が振り下ろされた。


「『ミカエル』!」


その声が聞こえたと同時に少女とスターダストの間に割って入る者が見える。

そして、振り下ろされた爪は少女を切り裂くことなく、ガキン! という甲高い金属音を響かせる。

間に入ったのは銀髪が特徴的な青年であり、盾でスターダストの攻撃を正面から受け止めていた。

それに驚愕するしかない自衛隊たち。

それもそうだ。

スターダストの力に人間が対抗できるはずもないのだ。

それなのに、あの青年は真正面から攻撃を盾で受け止め、更には平然の様にしている。


「大丈夫? スナイプ?」

「ぷ、『プロテクト』隊長……」

「大丈夫そうだね」


青年は優しい笑みを浮かべる。

スターダストの攻撃を受け止めたまま、普通に笑みを浮かべるほどの余裕はどこからくるのだろうか。

そして、隙ができたスターダストを見て、女性が穴から飛び出してきて、大剣を振るい、縦に真っ二つに叩き切ると同時に青年がそれを蹴り飛ばす。

そして、少女はスナイパーライフルを構えると、銃口に雷が迸り始め、溢れ出てくる。


「撃ち抜け。『雷鳴の弾丸ライトニングパレット』」


引き金を引いた瞬間、放れたのは雷の弾丸。

先ほどよりも大きな空間を切り裂く音が一瞬だけ響いた時にはもう……蹴り飛ばされたスターダストはほとんど消し飛んでおり、残った片腕と両足が落ちるが、それもすぐさま黒い光となって消滅する。

残り二体が同時に走り出し、それに三人が反応すると同時に二つの人物が三人の前に降り立つ。

いや、一人は降り立つというよりも、降り立った一人の人物に襟を掴まれて、引きずられているかの様に連れてこられた格好でいる。


「後は私達がやるわ! 『ゲイザー』! いい加減、やる気出しなさいよ! もう現場よ!?」

「えぇ……残りは『ブレイド』がやってくれよ。ブレイドならできるだろ?」

「アンタも働きなさいよ! ほら!」

「いてっ」


降り立った人物……茶髪の髪をツインテールにしている少女が連れてきた人物……黒髪の青年を前へと投げ飛ばす。

青年は本当に痛がってるのかと疑いたくなるような声を上げた後、ゆっくりと起き上がり、眠たそうな目を開くと、血の様に紅い瞳が姿を現す。


「行くわよ、ゲイザー。『アーサー』!」


少女が叫んだ瞬間、手に淡い光が集まり、一振りの剣が出現し、それを手に取る。

姿を現したのは黄色を基調とした輝く剣。

それはまさに聖剣を思わせるほどに輝かしい剣。

少女はそれを構え、走り出し、スターダストとの距離を詰める。

そして、先手と言わんばかりにスターダストは爪を振るってくる。

少女は屈んでかわし、すぐさま立ち上がって剣を振るう。

その瞬間、スターダストの振るった腕は切り落とされ、宙を舞っていた。

それにスターダストが驚いている間に少女の剣に光が集まり出す。

そして、光が十分に集まったのか、剣は光を放ち始め、刀身がそれを纏う。


「これで終わりよ!」


少女はその瞬間、剣を連続で振るい始める。

その動きは素早く、スターダストに一瞬の隙を見せない。

そして、少女が剣を振るい終える頃には、スターダストには無数もの切り傷ができており、そこから黒と剣が纏っていた光が溢れ出していた。

それに苦しみ始め、少女は終わったと言わんばかりにスターダストに背を向けて歩き出す。

それを好機と見たのか、スターダストは少女に襲い掛かろうとした瞬間だ。


「オッ……?」


斬られた場所から光が溢れ出し、スターダストはそのまま細切れとなって崩れ去る。

首が飛ぼうが生きているスターダストでも、細切れになってしまえば、さすがに死ぬ。

細切れになったスターダストは黒い光となって消え、少女は青年の方へと視線を向ける。

青年はメンドくさそうにしながらも、「仕方ない」と一言呟くと、怠そうにしていた目つきは真剣なものへと変わる。

最後の一匹はやる気のなさそうな奴からとでも考えたのか、青年へと迫っていく。

青年はゆっくりと手を前に出す。


「来い、『スルト』」


呟くと前に出していた手の元に紅蓮の炎が渦巻く様に現れ、それが消えると、姿を現したのは炎の様に燃え上がる赤い刀身が特徴的な剣。

そして、剣から紅蓮の炎が溢れ出し、刀身がそれを纏うと構える。


「『炎の刃フレイムセイバー』!」


振るった瞬間、炎の刃が放たれ、それは近づいてきていたスターダストへと迫っていく。

スターダストは爪を振るって打ち消そうとした瞬間、炎の刃はスターダストの爪を焼き切り、そのまま首へと飛んでいき、首を焼き切る。

だが、先ほどと同じ様に首をなくなったくらいでは死なず、そのまま走ってくる。

青年はため息をつくと、剣を構え、再び紅蓮の炎を纏う。


「ゲイザー先輩! 首を切り落としたくらいじゃ、スターダストは」

「わかってるっての、スナイプ。だから、ちゃんとやるんだよ。見てろ、ルーキー」


青年は一度深呼吸をしながら目を閉じ、深呼吸を終えてからゆっくりと目を開く。

青年の真紅の瞳には何かの紋章が浮かび上がっており、スターダストを見ると走り出す。

お互い距離をつめ、射程距離内へと入った瞬間、スターダストが爪を振るう……前に素早く剣を振るい、両手を斬り飛ばし、そして突きの体制を取る。


「お前の『心臓』はここだろう?」


そういって、突きを放ち、足の付け根部分を突き刺す。

そして、そのまま横なぎに振るって切り裂き、青年はスターダストに背を向けて歩き出す。

スターゲイザーは背中を見せた青年に追撃するでもなく、そのまま立ち尽くし、黒い光となって消滅する。

青年の剣は炎となって姿を消し、目からも紋章が消えて、先ほどの四人の元へと合流する。


「ゲイザー先輩、一体何をしたんですか! 首を切り落としても死ななかったスターダストが消えるなんて!」

「まぁ、俺の力としか言いようが」

「頑張れば、ゲイザー先輩みたいなことできますか!」

「うん、無理じゃね? これは俺の力だし」

「唯一弱点を付けるのはコイツくらいだしねぇ」

「本当よね。これでメンドくさがりじゃなければいいんだけど」

「アハハ、まぁ、その方がゲイザーらしいと、僕は思うよ」


そんな風に会話する五人の元に先ほどの自衛隊の隊長が近づく。


「すみません、助かりました。『スレイヤーズ』の皆さん……ですよね?」


その言葉に隊長と呼ばれていた銀髪の男が反応する。


「ハイ、スターダストの出現を聞き、『スターデナイ』から討伐するよう言われてきた、『スターデナイ』第四班です。到着が遅れ、申し訳ありません。僕たちがもう少し早く到着していれば」

「いえ、貴方達が来てくれたおかげで、全滅だけは免れました。ありがとうございます」

「いえ、それば僕たち『スレイヤーズ』の役目ですから。帰投するよ、皆」

「「「了解!」」」

「……了解」


そういって、五人は歩き出し、その場から去っていく。

それを見送る隊長は五人の背中を見ながらつぶやく。


「スターダストたちに唯一対抗できる特殊能力を持った存在……『スレイヤーズ』、か。本当に同じ人間かって、聞きたくなるような奴らだな」


隊長はそれだけ呟くと、隊員たちに命令を出し、帰投準備を始めた。

まだ誰も知らない。

ここから先、星屑とは比べ物にならないほどの厄災が待ち受けていることに。

そして、先ほど第四部隊が後に……『星堕とす者』と呼ばれる、伝説になることを。

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