17.瑞浪光介(みずなみこうすけ)
瑞浪光介は人付き合いが苦手で、幼い頃から一人で勉強ばかりしていた。
高校の成績はそれなりに上位をキープしていたが本番に弱く、トップになる事だけは1度も無かった。
大学受験でも第一志望の国立大の受験本番に体調を崩し、実力を出しきれずに落ちた。
で、第二志望の今の大学に入学したわけだが、勉強に対してやる気が起きず、かと言って友人を作るような器用さも無く、大学に通う意味を見出だせずにいた。
だが、そんな光介に優しく接してくれる女子学生がいた。
光介はすっかりその女子学生に恋心を抱いたのだが、女子学生はテニスサークルのイケメンとあっさり付き合う事になった。
というわけで、以来大学にも行かず引きこもり生活となり今に至る。
まぁ、在り来たりと言えば在り来たり、珍しくも何ともないような現代学生の一人だ。
この情報を調べるのに1日もかかってない。
だが問題は、俺がこの瑞浪光介をどうやって殺すか、という事だ。
せめて標的のアパートとコンビニの間に大きな道路の一つでもあれば計画も立てられるのだが。
またはコンビニ以外のもう少し遠い所まで外出してくれるだけでもいい。
だが、瑞浪光介の監視を始めて既に1か月が経過していたが、アパートとコンビニの往復以外の外出はただの一度も無かった。