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異世界転生トラック君のお仕事  作者: 真碑
第1章 異世界転生トラック君の初仕事
10/18

10.【回想】作戦開始

 一時は怒りで飛び出しそうになったが、藤堂(とうどう)のオッサンのおかげでなんとか踏みとどまった。


 が、怒りが消えたというわけじゃない。


 表面の目立つ大きな炎は消火したが、その内側では今もまだチリチリと、怒りの炎が(くすぶ)っていた。



「!……彼女(ターゲット)が会社から出てきた!」



 時刻は23時ちょうど。


 あんな事があった後なので予定時間が大幅に狂う事も覚悟していたが、普段の彼女の残業退社時間と10分程度しか違わなかった。


 この時間であれば会社の最寄り駅の終電にまだ間に合うだろう。



 駅にたどり着ければ。




『よし、所定の位置につけ。お前の初仕事だ!』


「ああ」



 さぁ、俺の『トラック君』初仕事だ。


 彼女、天乃巣来夢(あまのすらいむ)に、異世界の新たな人生をプレゼントしてやろう。


 そして………



「こっちの世界での無念は俺が引き受けてやるよ」

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