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王様と勇者くん  作者: 鈴澄泪
8/19

王様は妄想で戯れる

なんでじゃ!なんでなんじゃ!

あやつは勇者ではないと言うのか!?

ドラクエアを

いや、世界を救う勇者ではなかったのですか!

神よ、オオ神よ、オオカミと高身長!

なんつって(笑)

あれ?儂いまスゲー面白いこと言えてない?

ヤバくない?今日儂ヤバくな~い?

今日は何か冴えてるわ~!

もう、今日気分良いし

このまま、流れで押しきって

もうコイツで良いから勇者って事にして

面倒事は丸投げしちゃおうか?

正直、もうこの歳だしー

馬とかあんまり上手く乗れないしー


って・・・あれ?

馬を上手く乗れない?

ウマをウマく乗れない?

あれ?これは、、ぷっぷっ

ウマとウマが掛かっててスゲーダジャれじゃね?

儂、今日ヤバくない?マジでヤバくない?

もうコイツでいこう

馬のダジャれ早く誰かに言いたいし

でも、なんて言おうか?

さあ!勇者よ!冒険の旅に赴くのじゃ!

・・・

ちょっと無理があるかなぁ~

・・・

折角、沈黙してるのに何か儂だけ声張り上げて

さあ!行くのじゃ~!とかちょっと恥ずかしいよね?なんかセンスないよね?

・・・・・

・・・・

・・・

機は熟した・・・

勇者よ!冒険の旅に赴くのじゃ~!

おお!このフレーズ良くない?

この沈黙を利用しておもむろにキメ顔作って

このフレーズとか何か渋くていいんじゃね?

よしよしよし、表情をちょっと作って・・・

うんうん、こんな感じかな?

よし、言うぞ

言うぞ

せーの!


「機は熟『・・・あの~ですね』者よ!」


被ったーーーーーーー!!!!

マジか!マジでか!!

儂、今年中で一番最高に渋い声だしたよーー!

何で被った~!痛恨!マジ痛恨!

もう恥ずかしいから、質問聞くか?

「なんじゃ、申してみよ」

「あの~ですね、まあ、仮にですよ?あくまで仮の話なんですが、その僕の横に本当の勇者が居たら、いや、あくまで仮定の話なんですが何を命じられるおつもり何でしょうか?触りだけで良いんで」

おお?どうした?どうした?なになに?

やる気出ちゃった?折れてくれちゃいました?

そうかそうか、聞かせてやるとも

「勇者よ!お主に頼みがある、このドラクエアに巣食う異形の者共を、そして、それを束ねる魔王をそちに退治して欲しい、そし」

「無理無理無理無理無理無理無理だーて!無理だーて!そんなの無理だーて!」

「話は最後までちゃんと聞きなさいと学校で教わらなんだか!あと私語は厳禁とか!」

本当に最近の若いもんは最後まで話を聞けって!

あぁ、最近の若いもんとか思っちゃった。

ダメダメ王様!最近の若いもんとか言っちゃったら

老化の始まりだぞ?

てへぺろ!


気を取り直して・・・

「そして、拐われた我が王女ヘカテリナをどうか救い出して欲しい・・・なんじゃ、手を上げて?ゆうてみい」

「いや、絶対もう○○れてますよ!それどころかきっとですよ散々○○注ぎ込まれて肉○○にされて○○されてんじゃないすかねきっ」

近衛隊長に鋭いアイコンタクトを送る!

黙らせろと!!

近衛隊長は凄い早業でスッと勇治の背後に回り込み、腰のナイフを喉元に当てる

「お兄さん、いや、勇者さんよ・・・あんまりこれ以上さ○○なこと言われると冒険じゃないところに旅に出て貰わねぇといけなくなるんだわ?分かるよね?」

分からせろ!と更にアイコンタクトを送ると

トントンっとナイフを喉元に当てて否定させる。

「オッオッオッオッオッ、オウジョサマハキットブジデスヨ」

「そうじゃ!ヘカテリナは絶対無事じゃ!」

よしよし、これで儂の恐ろしさが少しでも伝わったであろう

またアイコンタクトで戻れと近衛隊長に指示を出す。

安心したのか勇治は質問をしてきた。

「王女様はどうして誘拐されたのですか?」

そこに触れちゃう?何々興味ひかれちゃった?

ここは渋く悩める王様の姿を見せてやる気出させちゃうよー!

「わからぬ、わからぬのだ、だが、あれはそう3年前・・・」

「いや、それ絶対に○○れて絶対に○○さ」

肘掛けを儂が2回トントンと指で叩くとまた直ぐに

近衛隊長が動き出す!

「勇者さん、ダメだよー?話は最後まで聞かないと~」

この若造は本当に遠慮も糞もないな!

「ヘカテリナは生きてる!あの子は絶対に生きてるの~!」

「そうですね、生きてると思いますよ!ところで何歳なんですか?ヘカテリナ王女は?」

お?もしかして褒美にヘカテリナを欲しくなっちゃった?

そうだよね?拐われちゃう位なんだから可愛いに決まってるよね?勇治コイツ意外と鋭いなぁ

「あの当時はまだ弱冠26歳でまだ右も左も分からぬ小娘を拐うという卑劣極まりない奴等じゃ!」

あれ?今、一瞬凄く白い目しなかった?

人を人と思わぬ・・・

いや、王様を王様とは思わぬ、まるで下等動物を見下すかの様な目をしなかった?

「おいたわしや!王さまは何と不幸な境遇か!」

あれ?儂の思い過ごし?おお!何か良い感じじゃわい

ここで、王様としての心の深さを更にアピールして

一気に押しきるのじゃ!!

「おお、察してくれるか、いや、だが、一番不幸なのは儂ではなくヘカテリナよ!あの子の心の苦しみを考えるだけでこの胸が張り裂けんばかりだ」

どうじゃ!儂の会心の演技力!!

子供を思う、王様としてではなく!

一人の父として苦悩する親子愛!

来るじゃろ?グッと来るじゃろ?

さあ、勇治よ!儂の為に勇者として働くと言うのじゃ!!!!

「このような時は人海戦術が一番でございます、街の人間総出で手分けして探しましょう!どうぞ、御触れを公布なさって下さい今から帰って参加する準備をしてまいります!これにてごめん!」

トントンと肘掛けを叩く

近衛隊長!逃がすな!!!!

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