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我は魔王
ドラクエア・アイオリス
父から王位を譲り受け最初に行ったことは
国民の安全を確保することだった。
柵を張り巡らし、見張りを交代で行うことにした。
また、正規軍が崩壊したことを受け
民兵と正規軍を混成した部隊を再編と訓練を
行った。
兄が軍と防衛を強化している間
弟のアイオロスは収容した国民の食糧や
これから賄わなければならない物資などを
調整するなど
兄を内側から支えた。
二人の努力で状況は好転するかに思われた。
しかし、異形の者の勢いは衰えることはなかった。
防衛線は簡単に突破され深く侵入されてしまう
王国の喉元まで迫った時に敵が始めて名乗りを挙げた。
「我が名は魔王」
喋った!いや、同じ言葉を使った。
「無駄な抵抗は辞めて我らの家畜になるが良い、まあ抵抗するなら力ずくで従わせるがな」
敵の大将は魔王と名乗り言葉も話せる。
この事が人間達を動揺させた。