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王様と勇者くん  作者: 鈴澄泪
18/19

最終試練

早朝からキャンプを引き払い

移動を開始する。

しばらく歩いてからシッ!と声をかけ立ち止まる。

「どうした?急に」

「静かに!これから最終試練を課します、ここから見えるゴブリンの巣を攻略して貰います」

見ると見張りが二匹が立っている洞窟の入り口が見える。

「僕ら二人でですか?」

「勿論、手段は自由、相手はゴブリンだけだと思われる、おそらく数もそれなりにいる、ボスの姿は確認出来ていない、おそらく個体として一際大きいのが奥にいると思う、心して掛かってね質問は?」

二人とも沈黙している。

「無理じゃね?二人で攻略出来る気がしないんだけど」

「無理でしょうね?攻略する気がなければ」

勇治はナオミの胸ぐらを掴み睨み付けた。

「遊びじゃねぇんだ!命有っての物種だろうが!」

しかし、全く怯むことも怒りを露にすることもなく

冷たい眼差しで見つめ返した。

「これからあんたがしようと言う冒険はこんなに安全な戦いだとでも思ってるの?笑わせないでよ?ダンジョンに潜れば敵の数も強さも分からないで戦わなければならないのよ?甘ったれんじゃないわよ!」

「落ち着いて下さい!仲間割れしている場合じゃないでしょ?勇治さん、ナオミさんのいう通りです、これからの冒険はもっと危険なものになると思います、大体の敵の数や、武器の情報が有るだけマシだと思わないと」

勇治も少し落ち着いたのかナオミから手を離した。

「どうするの?あいつらに勝てる算段でも有るのか?」

「僕に考えがあります」

亮君は自信は無さそうだが、策を話始めた・・・。


二日後

ゴブリン達は二匹が見張りを勤める。

その手には使い古されたブロードソードと円形の木製の盾を持って立っている。

30分おきに交替する、中々統率が取れている。

交替を終え二匹のゴブリンが見張りを続ける。

ガサガサと茂みから音がする、二匹は音の方に注意を向けた。

何かいるのか?辺りを警戒しながら一匹が茂みに近付く、もう一匹は洞窟の入り口と斥候の中間地点でもしもの奇襲に備えて距離をとって辺りを伺う。

「ファイアボール!」

魔法を行使する声が聞こえたと同時に中間地点で様子を伺うゴブリンに亮が放った魔法で黒焦げになる。

茂みを探っていた斥候のゴブリンが後ろで控えていたゴブリンの上げる絶叫に注目したところで音がした茂みから飛び出した勇治がゴブリンの背中にショートソードが突き立てた!

始めて生き物に刃物を突き立てのでこれが致命傷なのか手応えが分からず、相手が動かなくなるまで何度も突き立てる!

「勇治さん死んでます大丈夫です!」

「はぁはぁはぁ、そうかそっちは?」

もう一匹の方に目をやると丸焦げのゴブリンらしき死体が転がっていた。

「上手く注意を引けたので直撃でした」

「出来れば、俺も強力な魔法を覚えたいね」

そう言ってショートソードを抜き取り血を拭った。

「さて、時間がない次の作戦に移ろうか」

「了解です」

二人はまた動き出した。



ゴブリンの巣

洞窟の奥は広くなっており中に群れで生活していた。

テントの様なお粗末なのが何張りも立っており、家の役目を果たしている。

水があるのであとは食料さえあれば生活は出来るだろう

衛生上の安全性までは保証は出来ないがゴブリンならば

快適な生活が送れるだろう。

しかし、今日はそうゆう訳にはいかなかった・・・

何処からともなく煙が立ち込めた。

じわじわと煙が居住スペースを侵食し始める、異変に気が付いたゴブリン達は辺りを見回して火ともを探すが、火事と言うわけではない、どうやら入り口の方から煙が入って来ている。

流石のゴブリンも立ち込める煙に息が苦しくなるようだ。

また、目も痛いらしく擦っている。

直ぐにゴブリンは群れをなして煙が流れ込む入り口に殺到するがいつもの入り口の明かりが見えない、見張りは何をしているのか?そろそろ出口が見えるハズが二つの焚き火の明かりしか見えない、青々とした枝を燃やしている為、黒くて重苦しい煙が立ち上っていた。

入り口が有った場所を良く見ると布の様な物が垂らしてあり入り口を覆っておりその為煙が居住区に流れ込んだようだ。

ゴブリン達は焚き火を消すよりまず外に出ようと試みた。

最初に布を捲り上げ外に飛び出したゴブリンが絶叫を挙げた!

馬などの進行を妨げる時など用いられる罠が設置されており

それが勢い良く飛び出したゴブリンの胸に突き刺さる。

それからも何匹かのゴブリンが後を追うように飛び出して罠の餌食となる。

仲間の死体で罠に掛からなかったゴブリン達も仲間の死体が邪魔で突破出来ずにいた。

「今だ!」

動けないゴブリン達に勇治と亮は手製の弓を構え矢を放った。

いきなりの矢に防御が間に合わずゴブリン達は絶叫する!

二人で交替で間髪を入れずに矢を放った、これには流石に罠の柵を越えられずゴブリン達も一度洞窟に逃げ込む。

しかし、中は煙で充満し行くも地獄、戻る地獄の状況に混乱を極めていた。

しかし、地獄はここで終わりでは無かった。

長い詠唱を終え亮が唱えれる最大級の火力の洞窟目掛けて放った!

柵を破壊し、布を突き破り、洞窟の入り口に目立たぬように置いてた油に引火し大爆発を起こした。

亮の考えた策は見事に的中し大軍を打ち破った。

想像以上の作戦の成功に二人は抱き合って喜んだ。

洞窟の入り口で燃え上がる炎の大きさが期待した以上だったのが

二人を満足させた。

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