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王様と勇者くん  作者: 鈴澄泪
12/19

お買い物と師匠

パーティーを組む約束をし、その代わりと言ってはなんだが、装備を見て貰うことにした。

鎧専門店ブルーウッド

兵士、冒険者のフレッシュマンを応援するをブルーウッドでお馴染み、なんと言っても安い!

そして、動きやすい、軽いなど

独自の開発の鎧を販売している。

オーダーメイドだと高く付き新兵や、初心者冒険者には手が出ないので、徹底したコスト管理と作業の効率化で低価格を実現している。

「とりあえず、このフレッシュマン応援アーマーで良いかな?」

アーマーを手に取ろうとするとお姉さんが手で制した。

「貴方にはアーマーはまだ早いと思う」

えー!凄く格好いいのに!

この青のアーマーとか凄く強そうで格好いいから

買う気満々だったのに

「えー!じゃ、なにを買えば良いんですか?」

そうねぇ・・・と言いながら店内のフレッシュマンコーナーこら中古コーナーへ

ジッと眺め、何個かの鎧を手に取り

「これが良いわ、3000ゴールドだけど、安くて軽くて丈夫、あと武器はこのショートソード辺りかしらこれなら2000ゴールドだけど、研げば5000ゴールドくらいの武器と遜色ないわ」

うおぉ!メッチャなんか慣れてらっしゃる!

確かに手に取ると凄く軽くて動き易そうだ。

ショートソードも中々の重さだけど

振り回す事も出来そう、腰に差しておいても邪魔にはならだろう。

そして、檜の木刀を1本渡された。

長さはショートソードと変わらない

これは?

「貴方、戦い方何も知らないでしょ?それで練習しましょうか?」

ん?素振りでもしろとでも?

「私が手解きしてあげますから」

そう言ってニッコリお姉さんは微笑んだ。


3人で城を出て少し離れた山まで行く

旅行用のリュックに薬草をたらふく買い込み

食料品も一週間分買い込んだ。

水場の近くにキャンプを張り、ここで修業してくれるみたいだ。

何故こんな事になったのか?

それは昨日に遡る

3人で買い物の後、食事をする事にした。

安くて美味しいことで有名な食堂を教えて貰い

買い物を見てもらったお礼にご馳走することになった。

「自己紹介がまだだったわね、ナオミ・スカーレットです、元冒険者でもあり、今は斡旋カウンターのカウンターレディーよ」

道理で手慣れていると思った。

装備に着替えてみたけど、確かに動き易くて軽い

ショートソードも邪魔には感じない

亮くんは顔を強張らせながらおどおどしている?

「ステインガー・・・スカーレット!」

亮くんは絞り出す様にそう呟いた。

ステインガー?

「昔の名前は忘れたわ」

「凄いですよ!勇治さん!ステインガーですよ!本物のステインガーさんですよ!」

だから、誰?

有名な冒険者とかに点で興味がない

だって、最近無理やり冒険者にされたばかりか、冒険者になるつもりなんて一切無かったのだから

「凄いの?ステインガーって?」

バキッ!

お姉さんことナオミ・スカーレットの手元の食器が砕ける音がした。

「あのね!ステインガー・スカーレットと言えば武道家の憧れ!400戦無敗の天才美女格闘家にして、無敗のまま引退した格闘家、それが私!!!!」

うわー自分で美女格闘家と痛いこと言ってるわこの人

やっぱり、メンヘラ女だったか・・・

「へ~凄いですね」

「あんた一回死んどく?」

無表情に褒めたから直ぐにバレた。

「レベル1で冒険に出るのは良いけど、調子に乗ると直ぐに死ぬわよ、そこでキャンプを張り貴方をもう少し強くしてから冒険に出て貰うわ」

それは有り難いな、なんていっても有名な冒険者らしいし

でも、この人武道家だけど勇者を育てられるのかな?

「格闘術をですか?」

「格闘術もそうだけど、木刀を買ったでしょ?あれを使うわ、ちょっとは使えるようにはなるわ、あと亮くんは魔法の練習と集団戦のコンビネーションを勉強して貰うから」


と、いう訳である。

「日が暮れる前にまずは薪を集めて貰うわ、火を起こさないとモンスターたちが夜中に襲ってくるわよ」

3人で薪を集め歩く、その間に見付けた果物や、キノコなど

食料になる物を教えて貰いながら集める。

薪も枯れた物を集めた方が煙が少なくて済むとか色々な事を教えてくれた。

昼食を食べ談笑しながらキャンプを楽しんだ。

「食べ終わったら訓練を始めるからね、木刀持ってきてね」

ナオミ・スカーレットは戦い易そうな服装で準備運動を始める

やはり、元冒険者として有名な人だけあって

一つ一つの動きが美しい

格闘術の型を練習しているのだろう

流れる様な動きから繰り出される拳や蹴りからは空を裂く音が聴こえる。

「準備運動は終わりと、さあ始めましょうか!」

始めましょうと言われても

「どうすれば良いですか?」

「小難しいことは言わないわ、その木刀で掛かってらっしゃい、身体に当てれたら次のレベルの修業をして貰います」

ナオミは全然構えなど取らずに自然体で立っていた。

「では、行きます」

木刀を構えて距離を詰める。

亮くんに見つめられながら特訓が始まる。

ジリジリと距離を詰め、木刀が届く間合いまで近付く

しかし、ナオミは微動だにしない・・・

流石はって感じだね。

これならどうだ!と初撃を縦に打ち込む!

紙一重でかわされる!そこから横薙ぐ!

綺麗にバックステップでかわされる!

流石!ならばと色々な角度で斬って掛かるがことごとくかわされる!

「体捌きが悪い!次の挙動に無理が生じるから見てからでもかわせるわ!もっと次の動きも考えて打ち込んで来なさい」

ナオミの的確な指導の元、一撃、二撃と打ち込む動きを作り、そこから連続して攻撃出来る様に工夫しながら攻撃した。

徐々に1、2、3と繰り出す攻撃の流れ作り出していく。

体捌きが悪いと足を引っ掛けられて転ばされる。

何度も何度も転ばされ日が暮れてきた。

「今日はここまで!」

はぁはぁとこっちは激しい呼吸をしているのに、ナオミは全く息が乱れていない。

「あ、ありはぁ、ございはぁ、ました」

こうゆうの息絶え絶えと言うのだろう。

川で汗を流して、晩御飯を食べると泥の様に眠った。


朝起きると身体中が痛かったが、妙な充実感があった。


二日目

四連撃から五連撃まで打ち込める様になってきた。

「キレは良くなってきたわ、そろそろ動きにフェイントを入れなさい」

また的確な指導が飛ぶ、フェイントか、色々な動きを考えながら

攻撃を繰り出す。

五連撃を出し、最後の一撃を大振りして背中を見せる

と見せ掛けて回し蹴りを繰り出す!

が、ナオミに易々ガードされる!

クソ!

「それまで、レベル1は合格ね」

そう言われて合格したのを思い出した。

「良く出来ました、次はこちらからの攻撃をかわすか、いなして、反撃する特訓よ!木刀を貸して」

そう言われ木刀を渡す、あれ?僕の武器は?

「ショートソードを抜きなさい!刃はまだ立ててないから切れないから」

腰のショートソード抜く、木刀と違い重い

だが、特訓の成果かどう扱えば良いのか持つと同時に分かる。

軽く振ってみる。

流石はナオミが選んでくれただけあって扱い易い

ショートソードをそっと構える。

「お願いします」


そして、夕暮れ

「そこまで」

ボッコボッコのフルボッコでした。

木刀であっても身体中青タンだらけだ、この人本当に格闘家ですか?

「格闘家でしたよね?なんでそんなに剣使うの上手いんですか?」

「格闘家と言っても拳や蹴りだけでは勝ち残れないの、だから、場合によってはナイフと組み合わせる格闘術もあるからそれでよ、まあ、それだけではないけど」

道理で強い筈だ・・・なるほど

晩御飯を食べてまた、泥のように眠る・・・


チャラララ チャ チャララ~♪


と音楽が流れたかどうかは知らないがまた朝がくる。

筋肉痛と打ち身の痛みが全身に広がる。

だけど、どんどん強くなってるのが手に取るとように分かる。

「ホラホラ!相手の剣先を良く見なさい!あんた何回切られてるの!」

的確な指導の元、攻撃の受け止め方、受け流し方を実地で教えられる。

お昼の休憩では疑問などをナオミにぶつけると答えではなくヒントをくれる。

それはナオミの教育思想で答を教えるのではなく

実戦において経験から答を出させるのが、一番効率が良いと言うのが、天才格闘家の名を欲しいままにしてきただけではなく、名トレーナーとしての才能も持ち合わせていた彼女の凄いところである。

それ故、彼女は格闘家の憧れの的なのだ。


「今日はここまで!」

昨日とは比べ物にならないくらい打ち身の箇所が減った。

身体を洗い、晩御飯を食べながら談笑出来るまで成長してきた。


三日目

レベル3の特訓が始まった。

ここからは実戦形式で戦う、得物を木刀にして、ナオミは手甲と具足を装備する。

ここからは彼女本来の戦い方で攻撃してくる。

「じゃ、いくわよ!」

嬉しそうにそう言うと同時に視界から彼女が消える

後ろか!前に前転して彼女の鋭い蹴りをかわす。

速い!!だが、かわせた!構え直してナオミを見据える。

「やるわね!久々に本気出しちゃおっかな!」

やめて~‼と思うことは出来ても声にすることは出来ずに

構えを崩さない。

ナオミもここ最近の勇治の成長に舌を巻いていた。

地力が付いてきた、ここまでの格闘センスを持ち合わせているとは正直、思って無かったので嬉しい誤算だった。

おそらく後四日もすればここらのモンスターでは深手を負わすことは出来ないだろう。

ここからはどこまで仕上げられるか楽しみになってきた。

今まで封印してきたユニークスキルを使う時がきたと

久しく忘れていた格闘家の性がムクムクと沸き上がってきていた。


素早い動きの構えから現役時代の構えをとる

「あ!あの構えは!」

見ていた亮くんが思わず声をあげる。

それはその筈、彼女が悉く敵を打ち砕いてきた必殺の構え

ステインガー・スカーレットの2つ名はこの構えから繰り出される必殺技に由来する。


勇治は渾身の一撃を放つ


ユニークスキル発動!!

「カウンターレディー」


勇治が目覚めるともう夕暮れになっていた。

・・・何が起きたのか

「ごめんこめん!勇治さんがメキメキ強くなってきたからついつい本気出しちゃった、ごめんね」

両手を合わせて謝る姿からこの人が格闘家とは到底思えないほど綺麗で愛嬌がある。

「何をしたんですか?」

彼女固有スキル

カウンターレディーの説明を聞いた。

「魔法攻撃以外の物理攻撃の完全カウンター!?」

チート過ぎる技に絶句する。

「でも、弱点が無いわけでないの、物理攻撃と言っても、武器や拳などに魔法を付与すれば完全なカウンターではなく、普通のカウンターと大差は無くなるの」

カウンターレディーは全ての神経をカウンターに活用する

そして、脳への電気信号で動くのではなく

身体に直接触れた瞬間に身体を直接電気信号で動かして

カウンターを放つ

その為、武器や、拳に魔法を付与すると先に魔法が触れてから

物理攻撃がくるのでズレが生じる。

一度、それを利用されダウンを奪われた苦い経験がある。

それ以来、対戦相手が魔法詠唱を始めたら

カウンターレディーを解除することでそれ以来ダウンは

一度も奪われていない。

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