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撮影会モデルに 嫉妬するなんて  作者: 三ツ星真言
6/6

キスの味は

 美味しそうな匂いに、私は眼が覚めた。

 台所では大好きな彼が背中を向けて立っていた。

 普通の女の子なら、「お帰り。」とか「寂しかったよ~。」とか、

「いつの間に帰ったの、起こしてくれたらいいのに。」などと

可愛く後ろから抱き付くだろうが、そんな真似は私にはできない。

 私のプライドが許さない。

 私は甘えたいところをぐっとこらえた。


 私は気配を消しながら、彼の背後に近付き肩甲骨のど真ん中に

右の拳で突きを入れようと構えた瞬間、

「やめろ。火を使っているから危ない。」

彼は振り向きもせず冷たく言い放った。

 まったく隙がないというか、愛想がないというか、

彼もまたある武道の黒帯であった。


「お土産は買ってきたんでしょうね。」

 買ってこなかったら、顔面に正拳突きを入れる気で聞いた。

「怖いなあ~。買ってきましたよ。

 忘れるはずがない。忘れたら殺されるからね。

 ほら、551の三点セット。

 温めたし、スープも作ったから、食べよう。

 顔を洗ってきて。泣いた跡がある。」

「ふ~んだ。泣いていませんけど。」

 私は、洗面場に走った。

 急いで鏡を見ると、涙の跡はなかったけど、

薄メイク崩れはあったので、素早く洗顔をすませた。

 自分で言うのもなんだけど、私はすっぴん美人だ。

 そんでもって、撮影会モデルみたいにボン・キュー・バンの

スタイルではないけどさ、スレンダー美人ってやつよ。

 しおらしく街を歩いていると、必ずナンパされる。

 それなのに、あいつはこんな私を置いて・・・。


「お~い、まだか。料理が冷めちゃうぞ。」

 彼の声に私は思考を中断した。

「そんな大きい声で言わなくても聞こえる。」

 私は、真っすぐテーブルにつかず、冷蔵庫から

缶ビールを2本取り出した。

「へえ~、珍しいね。風呂上りじゃなくて、今飲むんだ。」

「うるさい、今日は飲みたい気分なの。付き合え。」

 私は、彼に缶ビールを差し出すと、彼は笑いながら

冷蔵庫から冷えたグラスを取り出した。

 彼のこだわりは、こんなところにも表れる。

 私からしたらどうでもいいじゃんと思うけど、

実際常温のグラスに入れて飲むと、

缶ビールを直に飲むより美味しく感じるし、

冷えたグラスだとよけい美味しく感じるから困ったもんだ。


「いただきま~す。」

 私は、素早く箸を伸ばした。

 551の三点セット、恐るべし。

 コメントする間も惜しいくらい、激ウマだ。

 何よりも、一人で食べるよりめっちゃ美味しい。

 そんなことを考えながら、彼を見ると目があった。


「何だよ~、顔になんかついてるか。」

 私は内心ドギマギしながら聞いた。

「 ついてるよ。

  切れ長でキューと少し吊り上がった大きくて二重の

 美しい瞳がね。」

 この野郎~って思いながらも、つい顔が崩れる。

 美味しい料理を食べているせいか、

ドンドン機嫌がよくなるから不思議だ。


「ふ~んだ、おだてても何も出ないぞ。」

 彼は何も言わず、笑った。

 ヤバい、この涼しい瞳の笑顔にやられる。

 私はあわてて、肉団子に箸を伸ばした。


「そんで、どうだったの。

 撮影会とやらは・・・・・。」

 本当はもっと早く聞きたかったけど、

しゃくにさわるから我慢していた。

「それがね・・・・・」

「何だよ。もったいぶらず、早く言えよ。」

「綺麗は綺麗だったけど、僕が抱いていたイメージと違った。

 やっぱ、おまえの方が良い女だよ。」

「ずるい~。」

 私は意地を張るのをやめて、彼に抱き着いた。

 私の方から、激しいキスをする。


 彼とのキスは、551の味がした。



 レースクイーンは、レースクイーンだけやっているのではありません。


 彼女らは、それぞれ事務所に所属する芸能人なんです。

 ファッションモデル、撮影会モデルをはじめ、テレビ、ラジオ、

イベントにパチンコ、競艇のCM、いろいろな仕事をやります。


 ちなみに菜々緒さんも、レーククイーンやってました。


 僕は、個人的にはレースクイーンを崇拝しており、

今後の活躍を応援しています。



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