飲む点滴
「ふうつ」
運動した後の麦茶は旨い。
ゲーセンで太鼓の達人にダンスなどありったけ遊んだあと、
部屋に戻った。
当然、誰もいないから、蒸し風呂と化した部屋を呪う。
これもあいつのせいだ。
私はまたまた、腹が立った。
窓を全て全開にしてから、冷蔵庫から麦茶を取り出した。
ビールでも飲んでやろうっと思ったけど、
彼のお土産を肴にすると決めていたので
ぐっと我慢した。
「そうだ。」
私は、彼の買い置きの甘酒があることを思い出した。
「 甘酒はね、冬だけの飲み物じゃないんだよ。
飲む点滴と言われるくらい、 栄養価が高い。
江戸時代には庶民にも愛された健康ドリンクだった。
現代でも、水分、塩分、糖分、ビタミンてんこ盛りで、
夏バテや熱中症の予防に効く優れものさ。
そんでもって、これはノンアルコールだから最高。」
あん時は自称B級グルメのウンチクをたれる彼に反発して
飲まなかったけど、今日は飲んでやる。
「いい仕事してますね~。」
白くて甘くてヒンヤリと、最高じゃん。
ノンアルコールだったけど、ちょっと飲んでいたら
なんだか眠くなってきちゃった。