一章 shadow sign
あの、最近気づいたんだけど―――
何?―――
ごーくたまに力を入れると手が光るんだけど―――
あ・・・w魔力が残ってる証拠だよ―――
・・・てことはっ―――
まだ戦えるよ(キリっ―――
それは勘弁してくれ―――
と、雅とメールでやり取りをしていると母親が部屋に入ってきた。
「―――!!」
すごい勢いでケータイを閉じる。
「勉強してんの?勉強?」
「い・・・今からしようと、ね」
「本ばっか読んでるんじゃないわよ?」
ガチャっ ・・・パタン
「・・・ふうっ・・・」
もう一度ケータイを開くと、
俺もあるケドな!!―――
という文章が目に入ってきた。
「『shine of hero』がここにあるから魔王がここから生まれることは無いと思うんだけど・・・」
「ああ・・・その方がいいさ・・・」
「まあ、この本からは、な」
「??」
「この世界は広い。すなわち、また『darkness a rular』が生まれる可能性だってあるだろう?」
「う~~・・・」
そんな話をする休み時間。教室の端っこで。
雅から見れば、最近明るくなり始めた燈麻に興味を示す女子が増えた―・・・まあそんなこと気にしたって燈麻はあれだもんな。
「そういや今日部活休みだったっけ。どっか遊びに行こうぜ」
「ああ、いいね。―今金ないから公園でおごってくれよ」
答えながら、燈麻が外を眺める。雅も窓枠に肘をつき、校庭を見下ろした。
「―あ」
よく知った顔を見つけ、声をあげる。
「ん?」
「マネージャーだぞ」
小声で言った途端、燈麻が勢いよく立ち上がった。
「どっ・・・どこ!?どこ!?いた!!」
「と・・・とうま・・・」
勢いに驚き、苦笑する。素直な燈麻の反応が新鮮だった。
「おーい、マネージャー!!」
「うあっ、雅・・・」
大声で叫ぶ雅の腕を、燈麻がつかむ。しかし間に合わず、マネージャーがゆっくりと振り向いた。
「・・・・・・」
「こんにちはーっす!!」
「ああ、こんにちは!」
―ん?
マネージャーが元気に手を振って返す。
しかし燈麻は妙な違和感を覚えた。
―なにかこう、雰囲気が・・・・・・?
疑問に思いながらも、目があったので慌てて会釈で返す。
―・・・気のせいだよね。
燈麻はため息をつき、青空を見上げた。
「目の輝きが無かったきがした。周りの空気とかも・・・」
「燈麻。
見すぎ」
「いやだってね!?本当にね!?」
―あの感じ・・・少し・・
「いろいろ考えてたら頭痛くなってきた・・・」
「燈麻が元気になんねーと俺も元気でないよ・・・。今日は帰ろう」
翌日、部活での燈麻はマネージャーをものすごく気にかけていた。
―目つきが・・・鋭い・・・
雅も最初はなんとも思ってなかったが、うすうす気づき始めていた。
―悪霊のオーラに近い。
偶然であってほしいが、前に見た吉田たちの雰囲気と似てる・・・
「・・・」
雅は燈麻が心配だった。燈麻は、覚悟ができているだろうか。どうしても、今後。
思いをよせる人と戦うことを。




