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序章
序章
―ドゴオオオ・・・・・・ん・・・
爆音とともに押し寄せてきた熱風に押され、燈麻は壁に背中を勢いよく打ち付ける。
「つっ・・・!」
背中に鋭い痛みが走り、うめき声がこぼれた。
今、燈麻の目の前には巨大な人間が立っていた。
いや、正確に言えば人の形をしたなにか、だ。
輪郭もはっきりせず、体中を青白い光で包んでいる。燈麻が手に持つ武器で攻撃しようとしても、巨人が熱風とともに吐き出す青い炎に弾き返されてしまう。
―どうするか・・・
燈麻はその場から動くこともできず、相手の巨大な体を見つめた。巨人は咆哮をあげながら、周りの家や木をむしり取り、地面にたたきつけている。
―CG映画の怪物みたいだ
そう思った瞬間、上からコンクリートの塊の雨が降ってきた。燈麻は思いっきりジャンプし、降ってくる壁をうまく使って次々と巨大な人間に向かっていく。その時、辺りが急に暗転した。と共に彼の意識が飛んだ。
……ああ……なんでこんなことに…………
――――――そうだ――――――