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平日の昼過ぎ、スーパー銭湯にて

 サウナに入ると、男が倒れていた。

「どうしたんです! 大丈夫ですか!」

 駆け寄る。見たところ、外傷は無いようだ。

 サウナには男一人だけだ。一体何が……。

「……ド……ド……」

 何か伝えようとしている。

「ド?」

 男の口元に耳をよせて何とか声を聞き取る。

「……ド……ドアの立て付けが悪くて……一度閉まると……中から開かなくなる……気をつけろ……」


 ガタッ。


 背後のドアのほうから、何かがハマリこんだような嫌な音が聞こえた。

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