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戴邦物語  作者: 龍本 明
始まりの霹靂
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東璃争乱 & 戴邦図

景安十七年、

彰王桂岱、東璃邦十余郡を統べ、

其の威甚だしく、英声天を突かんが如し。

天下に号令し諸侯是に伏して、天下安寧せしむ。

賛の宵鳳、之を悪みて自ら鳳師を率いて彰を討たんとするも

楚驍にて桂岱是を討ち、此に賛滅ぶ。

賛の西芯王倒れて後、凡そ五十余年に及ぶ争乱遂に結し万庶安楽す。

彰王桂岱、帝冠を戴きて名を東彰師君、昂竜と称し、元号を章初と為す。

是を以て、畿禁城太極殿に至り、龍廟の御前にて古龍尊に天下安寧の詔を奏し、功政を敷く。

昂竜、諸邦を徳を以て治る。


章初八年、

昂竜、殿中にて乱心し、侍従数多扼殺す。

諫臣あるも、此を磔刑に処し、一族皆絞首に処して宮門に晒す。

近臣慄きて、皆閉口す。

迄に昂竜疾みて、懐郷の禽する所と為り、顛狂して堕つ。

乃ち諸侯叛きて、各々東璃邦の城府に籠りて抗ふ。

昂竜の仔、漢竜立つも、卒に諸侯を鎮めること能はず。

天下悉く乱れ、群雄興亡し、戦火竜が渦を巻くが如し。

貴賤老少皆嘆息し、堕つ者日に日に多し。

堕つ者、儚獣と為りて民を喰らい、民嘆きて更に儚獣殖ふる也。


東璃邦、以て再び乱世と為る、況や戴邦をや


     ―『東璃史』

挿絵(By みてみん)

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