人間界異変発生!リリィ、スーツで突撃!
翌朝、リリィはもうすっかり目が覚めていた。寝不足なはずなのに、今の彼女はまるでエネルギーチャージ完了したロボットのようだ。
「次の任務、どうなるかなー。まあ、私がスーツを着るのは、完全にカッコよくっていうアレだからね! うん!」
リリィは自分を鼓舞するように言い聞かせた。その視線の先には、あたかも世界を救うかのような堂々たる顔で食事を摂る後輩・カエデの姿。
「カエデ、頑張りすぎでしょ。そんなにフルーツ盛り盛りで食べて、どんな能力持ってるんだろうね?」
そんなことを考えながら食事を終えると、訓練の開始時間が迫っていた。
人間界:異変発生!
その日の午後。リリィは仲間たちと共に、異世界へのゲートをくぐった。彼女の心には不安と興奮が入り混じっていた。
「リリィ、今回は人間界での調査だ。街中で異変が起こっていると報告があった。君の魔法の力が試される瞬間だな」
「うぅっ……わかってます、レンさん。バッチリやってやるって!」
リリィは胸を張ったが、内心はどこか心細かった。
人間界、繁華街
一行がゲートを抜け、現れたのは賑やかな都市だった。ビル群に混じって商店街が広がり、人々が普通に行き交っている――その中に、奇妙な雰囲気が漂っていた。
「ここ、どこかおかしいね……」
リリィが声を上げると、レンがうなずく。
「街中で、何かが異常に流れている。この空気、感覚的には魔法の干渉だ。おそらく……」
その瞬間、街の中心から激しい音が鳴り響く。
ドガァァァン!!
「な、なにぃっ!?」
爆発音とともに、巨大な魔力の波が視界を揺らす。まるで空気が震えているかのような感覚。
「これ、やばい! すぐに行動しないと!」
リリィは急いで、スーツのフードを被り直す。フードの下で顔が引き締まる。
「これぞ、魔法少女リリィだ!」
「はいはい、かっこいいのはわかったから、早く行こうよ」とカエデが笑うが、リリィの顔が少しだけ真剣になった。
「これは、まさに私の出番ってわけ!」
リリィは思わず、スーツの装飾を一瞬手でなでながら、息を吸う。
「まずは何が起きているのか、現場で確認だ!」
異変の中心地に到着!
急ぎ足で向かうと、そこには大勢の人々が集まっていた。しかし、目を凝らすと、彼らは何かに取りつかれたように、不安そうに空を見上げている。
「何だろう、あの空……?」
リリィが言った通り、空は不自然に歪んでいた。雲がねじれるように渦を巻き、青い空からは冷たい風が吹き込んでいる。
「これは……確実に魔力の暴走だ。これが原因で、異変が起きているんだろう」
「でも、どうやってその暴走を止めるんだろう?」
カエデが不安そうに尋ねると、レンが冷静に答える。
「まずは暴走している源を特定し、魔法で封じ込めるんだ。リリィ、君の魔法が重要になる」
リリィは少し緊張した顔を見せたが、すぐに気を取り直して笑った。
「よし! わかった! 行ってくる!」
その瞬間、空から激しい雷鳴が鳴り響き、暗雲がさらに膨らんでいく。
「うわぁ、何だこれ、絶対に面倒くさいやつだ!」
リリィは気合を入れて、空に向かって両手を広げる。自分の魔力を解放し、風を操る感覚を呼び覚ます。
「風よ、私の力になれ! その力を、あの魔力の渦にぶつけて! いけぇぇぇぇ!!」
すると、リリィの周囲に強風が巻き起こり、魔力の渦へ向かって突撃していく。
その瞬間――
バチッ! バチバチッ!
「うわっ!?」
魔力の暴走が弾け、リリィを吹き飛ばす。彼女は空中でグルグル回転しながら地面に転がった。
「うぅ、もう。何なんだ、これ!」
「リリィ先輩、危ない!」
カエデが叫ぶが、リリィは即座に立ち上がった。
「おお、何とか着地成功! いや、失敗じゃねぇか!」
「頑張れリリィ!」とレンが声を掛け、再度魔力を集中させる。
「リリィ、今度は流れを読んで、渦を打破して!」
リリィはふと顔を上げた。
「うん! これでどうだっ!」
リリィは今度こそ、風を操り、魔力の渦に向かって突撃する。今度はその流れに乗り、完璧な角度で渦を打ち砕いた。
「やったっ!?」
リリィの魔力が渦を消し去り、空が晴れ渡る。
その時、リリィは振り返り、レンとカエデに向かって、にっこりと笑った。
「やっぱり、風を味方にすると、気持ちいいね!」
「うん、さすがリリィ先輩!」
カエデが笑顔で答え、レンも満足そうにうなずいた。
「完璧だ。これで一つ目の任務は終了だな」
リリィは高く手を挙げて、次の冒険へと足を踏み出す――




