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7日間の留学を終えて〜ただいま、魔法学園〜

「……帰ってきた、私の場所」


ここが――リリィ・アズラが帰るべき場所。


たった七日間の人間界への留学。けれどその七日間は、私の中に深く、確かに刻まれていた。


「……」


魔族の王女として、そして一人の魔術師見習いとして送られた異邦での滞在。その中で私は、ある人間と出会い、自分がずっと知らなかった魔法の意味に触れた。


――だから、戻ってきた。


もう使命や王の意志じゃない。これは、私自身の選択。


 


====


 


魔法学園の正門前に立った瞬間、風が髪を揺らした。懐かしさと少しの緊張が胸を満たす。


生徒たちのざわめきが耳に入る。


「えっ……リリィ・アズラ?」


「たった一週間で戻ってきたって聞いたけど、本当に……」


「……雰囲気、変わった……?」


その視線のすべてを、私はまっすぐに受け止める。もう逃げない。もう怯えない。


私は見せる。私が何者なのかを。


 


====


 


教室の扉を開けたとき、空気が一瞬だけ止まったようだった。


「……戻ってきたのね」


そう言ったのは、ルナ・ヴァルゴ。誇り高く、そして真っ直ぐな剣士。彼女は、変わらない眼差しで私を見つめていた。


「七日間。短かったけど……あんた、何か変わったわね」


「……わかる?」


「わかるわよ。だって、前よりずっと……強い目をしてるもの」


それは、何よりの歓迎の言葉だった。


「何を見てきたかは聞かない。でも、もし強くなったつもりなら――」


「私がちゃんと試してあげる。覚悟してなさい、リリィ・アズラ」


「ふふ……その挑戦、望むところよ」


 


====


 


席に着いた私は、そっと窓の外を見た。


――カイ。あなたは、今どこにいるの?


人間界で出会った少年。彼はもう、ここにはいない。でも……その声も、眼差しも、まだ私の中にある。


きっと私はもう迷わない。


ここからが本当の始まり。リリィ・アズラとしての、私の物語の続き。


「ただいま。魔法学園――もう、私は私のままでいい」


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