姫、地下迷宮でサバゲー合宿!?罠しかない地獄で勝つのは誰だ!
「今日から三日間、地下迷宮での戦闘訓練合宿を行います」
開口一番、担任のセイラ先生が爆弾を投げ込んできた。
「え、地下迷宮? 合宿? それってつまり……」
「寝袋です! 自炊です! お風呂は野外です!」
「文明どこ行った!? ここ、最新魔導学園だよね!?」
ちなみに今回の舞台、「地下第七層・試練の回廊」は、過去に3人帰ってこなかったとかいう縁起悪い実績つき。
「では班を発表します。リリィ、カイ、ノエル、クラリス。以上、C班」
「班長はリリィね。頑張って」
「なぜ私……!? 地味にバランス悪いパーティだよ!?」
やたらテンション高い爆破系少女ノエル
常に闇属性を醸し出すクラリス
筋金入りの剣バカ、カイ
そして、王女(自称)なのに体力に難ありの私
これで地下迷宮を三日間とか……生きて帰れるの!?
【地下迷宮・初日】
ズガガガガガン!!
「ちょっとノエル!! 爆破が早い!! トラップ解除前だよね!? 今の罠だったんだよね!?」
「大丈夫だよリリィちゃん、トラップごと更地にすれば問題ないって科学書いてた!」
「どこの科学だよそれー!!」
「……ふふ、爆発で闇が晴れたわ。悪くないわね……」
「クラリスまでテンション上がってるー!?」
しかも罠の数が異常。
魔法反転の床(味方の回復が敵のダメージになる)
全自動ヘルスライフル(見つかると即ゲームオーバー)
無限ループする階段(出口に着かない仕様)
「ねぇ、これ絶対『罠クリエイター』の趣味で作ってるでしょ」
「それか予算余ったときに無駄に凝ったやつだな」
「分析いらんわ!」
【夜・C班の野営地】
「お、お風呂代わりの川、冷たっ……ああもう、なんでこんな目に……」
「リリィちゃん、焚き火でマシュマロ焼こう! 爆発しないやつ!」
「マシュマロまで火薬入ってたら私の胃が休まらないよ……」
そのころ――
「ねぇカイ。あんた、もしかして、迷宮マスターとか称号持ってない?」
「……いや、特に。方向音痴だし」
「戦力外通告だよねそれ!?」
【二日目・罠地獄モード】
「見て! この先、一発退場ジャンピングパネルが並んでるよ!」
「名称がすでに悪意しかない!?」
ノエルの爆弾によりほぼ地形が破壊され、C班の進行ルートは崖超え一択。
「仕方ない……俺が行く!」
「ちょ、カイ!? それ全力ジャンプとかじゃなくて、普通に落ちるよそれ!!」
――ヒューン。
「あ、落ちた」
「いやああああああああああ!!?」
「……無事だ。下にスライムがいた」
「たまたまセーフだっただけでしょーー!!」
クラリス「……スライムが救いの存在とは。人生とは深いものね」
「深くないよ!?」
【三日目・ボス戦】
「C班、最奥に到達しました。ボス戦を開始します」
出てきたのは――巨大トースター型ゴーレム。
「なにこれ!? どう見てもパン製造機じゃん!!」
カイ「……敵にするには惜しいな」
「いや、戦うしかないから!! でもってなんでゴーレムなのに焼きたての香りがするの!?」
ノエル「リリィちゃん! 今のうちに爆弾パイ投げるよ!!」
「誰がパイ投げを採用したの!?」
――結果、カイの斬撃&ノエルの爆弾の連携で、ゴーレムは焼き上がりながら崩れ去った。
「……焼きたてメロンパン、おいしいね」
「なんで食べてるの!?」
【地上・合宿終了】
「というわけで、C班は『地形破壊最多班』として特別賞を受賞しました」
「どんな称号だよそれ!? 褒められてるの!?」
「褒めてはいないわ。むしろ、購買補修に続いて地下修復もよろしく」
「うわーん! また補修ー!!」
「まぁでもさ、なんだかんだで一番チームワークあった気がするよね」
「そりゃ爆破で強制的に団結したし……」
「これが友情の炎……なのかしら。ふふ」
こうして、トラブルだらけの地下迷宮サバゲー合宿は終了した。
でも、これで終わると思ったら大間違い。




