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毒妻探偵〜サレ公爵夫人、愛人調査能力で殺人事件を解く〜  作者: 地野千塩
第1部・サレ公爵夫人、探偵になる!〜悪魔な恋愛カウンセラー殺人事件〜

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番外編短編・フィリスとお皿

 新米メイド・フィリスは冷や汗を流していた。


「フィリス。あなた、一体何枚お皿を割っているの? お皿だけでなく、紅茶カップ、小皿、花瓶まで割ってるわね?」


 ある日、フローラに呼び出されたら、今までに割った皿類の名称や金額を一覧にされ、見せつけられていた。


 さらに冷や汗タラタラ。フィリスはうっかり者で、ここで働き始めてから、何枚も皿を割っていた。


「いや、でもメンヘラしている奥さんの比じゃないですよー。むしろ奥さんの方がいっぱい割ってません?」

「フィリス、黙って。アンジェラからも注意するよう言われてるのよ。あなたの田舎者らしさは全てが欠点ではないけど、何とかしてちょうだい」


 久々にフローラに叱られ、フィリスはシュンとしていた。


 とはいえ、自分のミスである事も確か。フィリスは弁償の為、庶民の市場に出向き、皿や紅茶カップをいくつか購入する事に決めた。


「わあ、可愛い皿!」


 テーブルウエアの雑貨店に向かうと、可愛いデザインの皿も大く、フィリスのテンションは爆上がりしていた。


 特にフチに向日葵の絵がデザインされた皿が可愛い。これだったらフローラの機嫌も回復しそうだし、自分も気をつけて仕事できるかも。


 フィリスはニコニコ顔でこの皿を購入していた。


「きっと奥さん、喜ぶよ」


 当初はトンデモブラック公爵家に来てしまったものだと後悔しかなかったが、事件を通し、フローラもただの変な女じゃない事を知った。


 むしろ困難な時でも負けな毒入りの奥さんだ。つまんねー女なんかじゃない。強く根を張り、その毒で周囲を魅了していく毒草のような女だ。


「よし、はやく帰ろうー。仕事もうっかりしないで頑張るから!」


 フィリスは皿を大事に抱え、公爵家まで走り続けていた。




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