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毒妻探偵〜サレ公爵夫人、愛人調査能力で殺人事件を解く〜  作者: 地野千塩
第1部・サレ公爵夫人、探偵になる!〜悪魔な恋愛カウンセラー殺人事件〜

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番外編短編・シタ夫の後悔

 公爵ブラッドリー・アガターは、夢を見ていた。最近はちゃんと家に帰るようになったブラッドリー。


 浮気を繰り返し、別邸や女の家、ホテルを渡り歩いていたが、事件をきっかけに不倫は控えようかと思っていた。


 だからと言ってフローラを女として見れるかは微妙だったが。確かにフローラを見直すようになったが、さすがに寝室が別々だ。また不倫してもいっかなーという軽い気持ちは残っていた。


 そんな夜、仕事の執筆で疲れて眠ってしまったら、夢を見た。


 日本という高度な文明の国が舞台だった。ブラッドリーと同じ職業の田辺という男が出てこた。


 この男も不倫をネタに恋愛小説を書いていた。妻の文花はメンヘラ地雷女だし、しゃーないだろと思っていたが……。


 田辺は中年男だった。ルックスも冴えず、頭も薄いし、腹も出ている。そんな男が同じく中年の編集者と不倫している映像が見えたが、気持ち悪くなってきた。


「中年不倫カップルって絵にならんよな……」


 夢の中でブラッドリーは呟く。ブラッドリーは、金髪で青い目の美男子だ。背も高く、声も美しいと評判だったが、あの薄汚い中年不倫カップルの絵面は悪夢でしかない。


「俺も中年になったら、ああなってしまうのかー!?」


 そう叫んだと同時に目が覚めた。どうやら悪夢だったらしいが、まだ心臓がバクバクいっている。


 絵にならない汚い不倫カップルを思い出すと、さすがのブラッドリーも後悔し始めていた。


「フローラ、悪い」

「は? あなた一体何を謝っているの?」


 朝食の時、思わずフローラに頭を下げていた。当のフローラは首を傾げ困惑していたが、しばらく不倫は辞めようと思う。


「公爵さま! あぶなーい!」


 新米メイドのフィリスはうっかりもので、皿や紅茶カップを割り、大騒ぎ。そのせいでフローラもブラッドリーの態度の変化を受け流していたが。


「ああ、もうフィリス。お前、本当に田舎っぽいな!」

「酷い、公爵さま!」

「あなた、フィリスの田舎者っぷりは今に始まった事じゃないでしょうよ」


 まあ、三人で騒いでいると、少しはあの悪夢も忘れられそうだ。


 ブラッドリーは小さくため息をつき、田舎臭いメイドと呆れ顔の妻を眺めていた。

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