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毒妻探偵〜サレ公爵夫人、愛人調査能力で殺人事件を解く〜  作者: 地野千塩
第1部・サレ公爵夫人、探偵になる!〜悪魔な恋愛カウンセラー殺人事件〜

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番外編短編・公爵家のお皿

 僕は公爵家のお皿。


 フローラがメンヘラヒステリーを起こすたびに、割られていました。まあ、新しい皿に転生し、結局後者家のキッチンの戸棚に戻ってしまう事も多いけれど。


 どうも最近はフローラもメンヘラになる事が少なくなり、僕も割られる事は少なくなってしまったけどね。


 公爵も家に帰って来るようになったから、僕の出番も増えた。昨日はサラダを乗せたよ。


 新米メイドのフィリスは田舎者らしく、僕を洗うのも雑だ。ドレッシングのシミがまだ残っているのに、洗った事にされた時は参った。昨日もメイド頭のアンジェラが怒ってたよ。やれやれ。


「しかし最近の奥さんはメンヘラしなくなったので、お皿買わなくていいですね!」


 僕を吹きながら、フィリスはアンジェラに話していた。


「そうよな。前は皿代だけで私の給料の半分ぐらい使ってから」

「えー、そんなにですか! 奥さんのメンヘラは筋金入りです!」


 そう、それは僕が一番よく知ってる。


「でもよ、メンヘラ女辞めろっていうのもどうなんかね」

「アンジェラ、そうですか? マムもメンヘラ辞めろって本に書いてたよ」

「だって、自分でご機嫌とって物分かりよくニコニコして、見かけも美人で稼いで自立している女なんて、都合の良い女だよな。自己中のヒモ男か、クズモラハラ男しかよってこんだろ。それがモテるっていう事か? 私はわからない」

「まあ、確かにメンヘラ女でも許せる男はかなり良い男ですね!」

「まあ、うちの坊ちゃんはね?」

「まあ、公爵は単にメンヘラ製造機ってだけでしょね!」


 公爵の悪口で盛り上がってメイド二人を見ながら、僕も笑いそうだ。確かにあの公爵はメンヘラ製造機だった。


「お、二人とも何を盛り上がってるんだ?」


 そこに公爵が登場。紅茶のお代わりが欲しいとキッチンにやって来たらしい。


 突然に公爵の登場に二人とも慌てふためき、僕を床に落とした。


 ガッシャーン!


 僕は粉々の砕けてしまった。


「おいおい、君達、なんか俺の悪口言ってただろ?」


 公爵の猜疑心モードはオンになり、メイド二人はしばらく目を泳がせていた。


 一方、僕は新聞紙にぐるぐる巻きにされ、ゴミとして回収されてしまった。


 メンヘラ女が治ったと思ったら、うっかりメイドに粉々にされるとは予想していなかったが、仕方がない。


 まあ、人生、いや、皿生はこんなものである。次も公爵家のキッチンに生まれ変わる事を望みながら、僕は意識を手放していた。


「ふふふ、ありがとう、お皿さん。今度メンヘラ女になったら、思いっきり割らせて貰うから。その時はよろしく!」


 意識が消えかける瞬間、どこからかフローラの声が聞こえる気がした。


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