表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
毒妻探偵〜サレ公爵夫人、愛人調査能力で殺人事件を解く〜  作者: 地野千塩
第1部・サレ公爵夫人、探偵になる!〜悪魔な恋愛カウンセラー殺人事件〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/162

番外編短編・洗濯婦の暗躍

 洗濯婦・エリサはゴシップが大好きだった。毎週、書店へゴシップ誌を買いに行き、職場でも噂話に花を咲かせる。


 幸い、エリサは様々な貴族の住まいへ行き、洗濯をする仕事をしているので、耳だけは立派になっていった。見かけは小柄なおばちゃんだが、その耳は数々にゴシップで埋まっているのだ。


 そんなある日。仕事で公爵のアガター家に関わった時、殺人事件に巻き込まれていると耳にした。


 元々アガター家の公爵夫人、フローラはきつい見た目から誤解をうけ、よく噂をされていた。夫の公爵もかなりのイケメンな恋愛小説家。そんな夫婦は冷え切り、公爵も浮気をしまくっていた事はよく噂されていたが、想像以上だ。


 フローラは公爵の愛人を調べ、一冊のノートにまとめていた。偶然、それを読む機会があったものだが、耳年増エリサもドン引きするぐらい細かく調査してあった。


「これは面白いかも」


 エリサも真似して公爵家の愛人を調べたくなった。特に今は殺人事件に巻き込まれて、公爵はアリバイがないらしい。事件当日、女性にナンパをしていたらしいが、その人物が見つからず、困っているとも聞いた。


「だったらその女性を見つけてみようかしら」


 エリサはそう決意すると、職場の貴族の家を渡り歩き、調査を始めた。


「という事で、奥様、何か知りませんか?」

「そうねぇ。あの伯爵家のご令嬢はモテるのよ。ストーキングされている噂」


 仕事で向かった男爵家の奥様に気になる噂を耳にした。確かにその伯爵家の令嬢は、清楚な見た目の美人だと有名だ。


 すぐにピンときたエリサは伯爵令嬢に会いにk行き、事件当日、公爵からナンパを受けたという証言も引き出した。


「アガター家の公爵様、本当にスケベな目で見てきて気持ち悪かった! あんな浮気相手は、マムみたいな極悪女でちょうどいいわ。一緒にしないでもらいたい」


 伯爵令嬢の言い分は散々だったが、白警団にも証言させ、晴れて公爵のアリバイが成立された。


 白警団のコンラッドはエリサが証人を連れて来た事に悔しそう。


「素人が首を突っ込むな!」


 怒られたが、事件調査は全く進んでおらず、被害者であるマムを恨んでいる者は膨大に存在し、気が狂いそうだと吠えていた。


「まあ、コンラッド頑張れ」

「うるさい、この洗濯婦が!」


 コンラッドに何を言われても気にするものか。エルサは白警団内部でもコソコソ噂を探り、コンラッドがコネで出世した事も聞いてしまった。


「ふふふ、洗濯婦を甘く見ていると酷い目に遭うよ」


 エリサは今日も貴族の家を渡り歩きながら、噂を耳に入れていた。


「ああ、そうなの。本当?」


 噂を聞くエリサは、まるで夢見る少女のように生き生きとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ