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毒妻探偵〜サレ公爵夫人、愛人調査能力で殺人事件を解く〜  作者: 地野千塩
第2部・サレ公爵夫人の内助の功〜呪いの愛人ノート殺人事件〜

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番外編短編・公爵一家はバカンス中

 蒼い海、白い雲。心地よい潮風。


 フローラはその素晴らしい風景を感じながらコーヒーフロートを啜っていた。海辺で飲むコーヒーフロートは最高の味わいだ。アイスが溶けてしまう前に、手早くスプーンを動かした。


 夫は海で泳いでいた。珍しい水着の美女にも目をくれず、漁民と親しくなり、釣りにも興じているという。フローラも夫もこんがりと日焼けしていた。


 今、公爵一家はバカンス中だった。ビーズ島という天国のように美しい島へ行き、パティの事件や日常で受けたストレスを癒していた。


「奥さん! シスター・マリーもこの島に来ているんですって! これから海辺にも来るそうですから、一緒に遊びましょう!」


 海辺でリラックスしていると、フィリスが飛んできた。その後ろにもアンジェラがいる。二人とも派手なカラーシャツ、短髪、サングラス姿だったが、すっかり島の生活に馴染み、バカンスを楽しんでいた。


 世間ではブラック公爵家と噂されていたが、こうしてバカンスも同行でき、フィリスもアンジェラの表情も伸びきっていた。


 また、仕事でこの島に来ていたシスター・マリーとも合流し、海辺で日焼けし、飲み食いし、一同はすっかり腑抜けていたが。


「あれ、奥さん! あそこに白警団のコンラッドがいますよ!」


 すっかりリラックスしていた時、フィリスが少し離れた浜辺を指差す。そこには天敵のコンラッドもいて、一同は顰めっ面。シスター・マリーだけがコンラッドに近づき、挨拶をしていたが。


 コンラッドは麻薬の売人調査の為、この島に来ていたらしい。内偵中か、カラーシャツに短パン姿で島民に擬態していたが、相変わらず目は鋭く、バカンスに来たわけでは無い事は明らかだった。


「なんだよ、サレ妻一同なんて見たくねぇーよ!」


 しかも相変わらず口が悪く、いつもは穏やかなマリーでさえ、閉口していた。


「あの調子だと麻薬調査も上手く行ってないでしょう」


 フローラはため息。バカンス先でも見たい顔では無い。


「だったら奥さん、私達で売人調査しない?」


 アンジェラはニヤリ。いつもは冷静なアンジェラ。こんな事を言うのは、バカンスで気が大きくなっているのだろうか。


 とはいえ、他の面々もバカンスで気が緩んでいた。無能なコンラッドの為に一肌脱いでやろうという事になり、みんなで手分けして島中を聞き込み、尾行も続け、最終的にはフローラたちが犯人を捕まえてしまった。


「サレ妻が余計なことするなー!」


 相変わらずコンラッドは遠吠えをしていたが、すぐに島から帰って行った。他にも王都で事件があり、多忙だそう。


 一方、フローラ達はBBQ大会も開き、犯人無事に捕まった事をお祝いした。


「全くお前はおもしれー女だな」


 夫は呆れていたが、焼きたての肉の美味しさに事件の事など全部忘れてしまう。


「奥さん、まだ肉焼いて来ますよ!」

「ええ、どんどん焼きましょう!」


 フィリスと共に肉を焼きながら、バカンスの一日もあっという間に過ぎていった。

ご覧いただきありがとうございます。


3部は9月下旬〜10月ぐらいからの予定です。本リライトも3部で完結予定です。よろしくお願いします。

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