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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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今いる世界



セーラがコアの制御を取り戻したから、無事に扉も開きダンジョンを脱出。

魔の国へ戻ったうちらは、ポチョムキンのおっさんに頼んで城の図書室へ案内してもらった。

「あの…レイアお嬢様は…?」

「…セーラと一緒にいるから」

「そうでしたか! それなら安心ですね」

本当の事を言えるわけがない。

当然お母さんにも…。



城の図書室では司書に頼んで、吸血鬼関連の蔵書を出してもらった。

だけど…

「これ、お伽話よ〜」

「こっちもね。 そもそも太古の歴史の情報なんてここにあるの?」

リオの言い分は最もだけど、何かしてないとおかしくなりそうなんだよ!


「あの…私、一度ゲームを落ちて、ゲーム側の細かい設定とか見てきます。世界が酷似しているのならなにか手掛かりがあるかもしれませんし」

「そっか! 頼むミミ」

「はいっ!」 

ゲームに関しては間違いなくミミのが詳しい。


「レイア…」 

「ユリノ、気持ちはわかるけど」

「どうして落ち着いていられるのですか!」

「落ち着いてなんかねーよ!」

叫んで暴れてどうにかなるのならいくらでもしてる!

でも今はそれをしてどうにかなるものじゃないんだよ!


「お静かに!!」

「「すみません…」」

ユリノのせいで叱られたじゃねーか。


「申し訳ありません…。二度と傍を離れないと誓ったのにこの体たらくで…私は自分が許せません」

「それはうちも同じだ。だからこそ今やるべき事があるだろ」

「はい…」



そうやって無理に意気込んではみたけど、吸血鬼関連の本はどれも創作や憶測のみで手がかりは一切ない。

「これ、どういう事かしら〜」

「うん?」

シノ姉が持ってきたのは、吸血鬼関連の本ではなく歴史書。


「”太古に今とは違う文明があったのは間違いない事実だ。証拠として挙げられるのは各地に残るダンジョンだろう。今の技術では到底再現不可能な事から考えても、今を超える技術を持った文明があったのは間違いない“」

「どう思う〜?」

「どうって言われても…セーラ達みたいなドラゴンが管理してるんだから人の技術では無いだろ」

「でも〜、全部がドラゴンの管理下なの…?」

「…ダンジョンの謎は解明されていません。むしろ、セーラ達ドラゴンから直接話を聞いた私達は最先端の情報を持っている立場です」

だよな…。

ただ…シノ姉の言う、全部のダンジョンがドラゴンの管理下なのかってのは疑問だ。


ノーラ、フォーラ、セーラ、あと一人のドラゴンが最強の4体って言うのは聞いたけど、他にいないとは聞いてない。

その辺はセーラにでも確認するしかないな…。



吸血鬼だけではなく、歴史書から考古学まで手を出して調べてわかったのは、今の文明の前に間違いなく高度な文明があったって事。

それがある日突然消滅した…。

たまにリアルでも似たような話は聞くよな。

アトランティスとかムー大陸とか。都市伝説だっけか…。

零くんがそういうのを好きで見てたから、うちも多少は知ってるけど、ここは世界が違う。


「戻りました!!」

「ミミ、なにか分かった?」

「はい! ご説明しますね」


ミミが話してくれたのは、うちらが遊んでいるゲームの根幹にあたる設定。

元々は少人数で作ったドットのゲームが始まりだったらしい。

お父さんの姉の会社は、ゲーム業界に進出する時に、色々なゲーム会社を買収。

その結果、今うちらの遊んでいるゲームがあるんだけど…。

「最初のゲームを作った人たちもまだ現役なんです。なので、設定として世界観は繋がっているんです…」


一作目はシンプルに勇者が魔王を倒す王道のRPG。

二作目は勇者の娘が活躍する。

三作目では、復活した魔王の誘惑に負けた勇者の裏切りで世界は滅んだ。

「裏切った勇者は、魔王の娘に惚れて、人と力を与えてくれたドラゴンを裏切りました。その結果、地上は魔王の支配化に入ってしまいました」

「それで世界が滅んだの?」

「いえ…滅ぼしたのはドラゴンです。魔王に魅入られ、腐敗した人で溢れた世界を浄化するために大洪水を起こしてすべてを流し去りました。無事な人を少数だけ保護して…」

どこかで聞いたような話だな?


「ノーラが言っていましたね。天候を操れる姉のドラゴンが大洪水を起こしたと」

「それだ!」

「四作目は、何もなくなった世界へ呼ばれた人が世界の復興をしていくお話でした」

「呼ばれた?」

「現代から召喚された勇者みたいな物です。この作品からキャラクリができるようになりました」

その情報は別にいいけどな。


その後もしつこく復活する魔王と戦う勇者だったりと、王道ファンタジーな世界観が人気で長く続いてるゲームらしい。

「吸血鬼は過去作にも一切出てこなかったので気が付かなかったのですが、魔王を吸血鬼に置き換えたら似てませんか?」

「そっくりね〜…」

てことはレイアのいる世界は、ゲームで言うなら四作目以降、復興された新しい文明の世界ってことか。


「では、また復活した魔王にレイアは攫われたというのですか!」

「魔王はうちのお母さんだし、攫ったのは多分吸血鬼だろ」

「そうでした…。ややこしいですねもう!」

うちに言われても知らんがな…。


「ユリノさん、こちらの歴史は詳しいですか?」

「…どうでしょう。知識としてあるのは今の世界の物ですし。実際、私は吸血鬼とドラゴンの戦いについても知りませんでしたから」

「それはほら、ゲームのサポートキャラが元になってるのなら、今の情報しか無いんじゃない?」

「リオ!」

本当お前は…。言い方気をつけろよ。それ、ユリノにはデリケートな部分だろ。

自身の記憶もないんだぞ?


「ごめん…」

「いえ、構いません。実際にその通りですし…。ただ、私の唯一守りたい、守るべきレイアを失っては…私の存在意義はどうなるのでしょう…」

「諦めるなよ! もし吸血鬼になってたってレイアはレイアだろ! 助け出すだけだ。それから治す方法を探せばいいだろ」

「…ええ。その通りですね。 今は取り戻すために何ができるかを考えます」

「そうしろ」

うちそっくりな姿で弱気になるなよ…うちまで引っ張られるから。



「…おまたせ…? 今わかる情報持ってきた…?」

よしっ、セーラも戻ってきた。これで次に何をしたらいいか考えられる!

待っててね、零くん…。 絶対に迎えに行くから!
















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