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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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久しぶりの自宅



レイアがつけてくれた印が消えた途端、オプションもログアウトも可能になった。

「ユナ姉、どうしたんだよ?元気ねぇな」

「零くん…」

「オレはレイアだって」

うちにはどっちも同じなの!


ログアウト出来るようになったって言ったら喜ばれちゃった…。

それ、うちは悲しいんだよ?ずっと一緒にいられなくなるんだから。

零くんが私と離れたいとか、そういうつもりじゃなく心配してくれてるのはわかってるんだけどね。


「ユナ、お母さんが説明を本人から聞きたがってるから行ってきなさい〜」

「…仕方ないか。レイア、またね?」

「おう、母親によろしくな」

「わかったよ」

この何日か一緒にいた間に写真も撮りまくったからね。

こういう機能は使えるんだよなぁ。レイアはそんなの無いって言ってたのに。

写真を撮るなら専用のアイテムが必要なんだとか。

カフェで使ったから知ってるって。…あのカフェか。



一人でログアウトして、お母さんを探す。

多分店かな?

一階に降りたら、店が忙しそうだったからとりあえず手伝う。


お母さんもなにか言いたそうだけど、接客を優先してるし。

お父さんのパン屋は相変わらず人気だな…。女性客に。





客足が落ち着いたのはそれから随分たってからだった。

「由乃、来い」

お母さんにそう言われ、二階の自宅へ戻る。


「大丈夫だったか?ひどい怪我をしたって聞いたぞ…」

「うん、零くんが必死に治してくれたから」

「アイツにそんな特技があったんだな…」

お母さんにログアウトできなかった期間の話をしながらレイアの写真を見せてあげた。


「見た感じは元気そうだな。 私の事はなにか言ってたか?」

「さっきログアウトする時によろしくって」

「それだけか!?」

「お母さん、普段から零くんに冷たかったでしょ…会話も殆どしないし。それで何を求めてるんだよ」

「…話すとな、甘やかしちまいそうなんだよ。可愛くて仕方ねぇんだ! わかるか?私が産んだのにあんなに可愛いんだぞ?」

「可愛くて仕方ないって気持ちはわかるけど…」

「こんな事なら目一杯甘やかして可愛がっておくんだったって、毎日後悔してるんだ…」

それはそれで凄いことになりそうだけどな…。


「私は会いに行くぞ。そんで甘やかして甘やかして可愛がる! いいよな?」

「待って! まだ迎えに行く目処が立ってないんだってば! ゲームに詳しい美緒に聞いたけど、魔の国はうちらのいる場所と大陸も違うらしくて、お母さんがこっちに来る方法すらまだわかんないんだよ!?」 

「単車で…」

「そんなものないよ! あっても海を渡れないよね!?」 

うちのお母さんも頭はいい筈なのに、お父さんや零くんの事になるとポンコツになるんだから!


以前、お父さんと零くんが揃って熱を出した時なんて悲惨の一言だった。

救急車を呼ぶ! とかいって救急に電話をかけず、何故か電話帳を引っ張り出してきたり、終いには倉庫に仕舞い込んでて、手入れだけしてる現役時代のバイクまで出してきた。

バイクで二人をどうやって運ぶんだよ!? って止めるのにホント苦労したんだから…。


熱を出してたのに機転を利かせたお父さんが、”ただの風邪だから傍にいてくれたほうが嬉しい”って。その一言でお母さんは大人しくお父さんの傍にベッタリになった。

あれだけくっついてて風邪がうつらないのはさすがとしか。

まぁ、うちらも零くんにベッタリだったけど誰もうつらなかったのは同じなんだけど…。


「とりあえずその写真全部よこせ。 それと、なるべく早く頼む…」

「うん、毎日そちらへ行けるものを探してもらってるから、見つかったら必ずお母さんに言うよ」

「あぁ…。 それと、聞いたぞ?」

お母さんはそう言うと自分の首を指差す。


マーキングの話?理乃か詩乃姉か!

「零からだったんだろ?別に咎めるつもりはない。 ただ…わかってるのか?実の姉弟なんだぞ」

「問題ある?」

「いや、お前にそれを貫く覚悟があるなら何も言わねぇよ。生半可な気持ちなら止めるけどな」

「うん。うちね…今回ログアウトできなくなった時本当に嬉しかったんだ…。これで同じ世界で生きていけるって」

「そこまで想ってるなら止めないが、問題がある事は覚えておけよ?」

「うん…」

世間的には許されないもんね。

理解のある母親でうちは嬉しい。普通なら頭ごなしに否定されて終わるだろう。バカな事言うなって。

もしそうなってたら、零くんを連れて家出してたけどな?

うちのお母さん相手だとすぐ捕まるだろうけど…。



お母さんは転送してあげたレイアの写真をずっと見てる。

なるべく早く方法を見つけるから、待ってて。

お願いだからもう余計なことしないで! 切実に!




その日の夜だった。

美緒から情報を貰ったのは。


理乃だけがログアウトしてきて、詩乃姉が落ちて来ないから、うちが簡単な夕食の仕度をしていたときに、理乃のスマホがなった。

メッセージを確認した理乃が、内容をうちにも見せてくれた。

「これ…どう思う?」

「ゲーム内のイベント? オンラインサービス開始後、初の運営による大型イベントねぇ…。魔大陸への船旅か。”自ら船を手に入れて魔大陸へ渡ろう。最初に到着した参加者には特別な土地をプレゼント“か。土地なんてどーすんだ?」

「何してもいいみたい。新居を建てたり、店を建てたり、畑にしても…本当に好きに使える土地みたいだよ」

「新婚の家とかか…。 まぁ、報酬は別としても、参加する理由はあるな」

「そうだね」

「理乃、参加条件とかは?」

「えっと…」


参加条件を簡単に纏めるとこんな感じ。


一、船を所有している。

これは、自分で作る、購入する、稀に敵がドロップするのを拾う…とにかく手にいれればいい。

既に準備期間に入っているらしく、プレイヤー達が躍起になって船を手に入れようと動いてるそう。


ニ、最低三人以上のチームで挑む。

仮にゲームイベントだからと、レイア達が参加不可だったとしても、ミミも参加するだろうし、うちら姉妹だけでも人数は問題ないな。


三、海上は危険らしく、ある程度の戦闘力が必要。

レベルで言うなら最低ラインが10。既にうちとシノ姉は30を越えてる。

リオも大丈夫だと言ってるし、うちらにはこれも問題ではない。


四、犯罪歴が無いこと。

前にいたバカ共みたいなのはイベントへの参加権さえなくなる。

当然だよな。


「でもなんで急にこんなイベントが始まるんだろ?」

「美緒が言うには魔大陸にはまだプレイヤーが殆どいないらしくて、固まりすぎてるプレイヤーをバラけさせたいんじゃないかーって言われてるみたい。元々チラッと告知されていたイベントと内容が大きく変わってるから憶測が多いとは言ってたけどね」

お母さんがまさかの魔王になって、そのままログインしてないのも影響してないか?

運営にとってもうちのお母さんはイレギュラーなんだろうな…。


何にしてもお母さんと合流できるチャンスだから参加するしかない。

願わくばレイアも参加できたらいいのに…。



夕食時になっても詩乃姉がなかなかログアウトしてこないから、理乃に理由を聞いたら…。

…くそっ、上手くやりやがって!

得意な料理で報酬として本当にもらったのかよ…。

しかもログアウトできないって事はそれだけレイアからの感謝の気持ちが強いってことか?

はぁ…ほんと、うちもしっかり料理を作れるようにならないとな。







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