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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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契り



ダンジョンに入り、ノーラに頼んで目の前まで飛ばしてもらった。


今回ユナ姉がログアウトできない理由を聞いたのだけど…

「妾が知るわけないじゃろ…それはそっちの理なんじゃろ?」

「じゃあ今のユナ姉はどうなってるかとかは?」

「う〜ん…そうじゃなぁ…レイアとの繋がりが強くなっておるとしかわからんのじゃ。それもそろそろ切れそうじゃがな」

「どういう事!?」

繋がり?きれそう?なんのこっちゃ…


「それって〜消えそうだからじゃないかしら…」

「そういえば随分薄くなったよね、それ…ホント、ユナ姉だけズルい!」

「……印…首に…それってキ、キ、キ…ス…!?」

なんかミミが壊れた機械みたいになってるな。


「うちはレイアからの印を貰ったからこっちとの繋がりが強くなったってこと?」

「まぁ、話から判断するにそうじゃろうな…かなり強い思いが込められておるからそのせいじゃろ」

やっぱりオレのせいか…。


「ユナ姉…ごめん」

「謝らないで。嬉しいってうちは言ったよ?」

「そうだけど…帰れないのは困るだろ」

由乃姉は大学もあるんだし、両親だって心配するだろ…。


「じゃあレイアにまた印をつけてもらえば…」

「無理じゃろうな。言ったじゃろ?強い思いが込められておると。単につけた印では意味をなさんじゃろな」

「………」

なんか姉達が会議を始めてしまった。



「ノーラ、オレさーフォーラってドラゴンに会ってきたぞ」

「それ、聞きたかったんじゃが…なんでフォーラとも繋がっとるんじゃお前は…二股か!!」

「なんだよ二股って…」

「…そうじゃった、こやつアホじゃった」

「うるせぇよ!?」

なんだよ毎回毎回アホ呼ばわりしやがって…。


「あのな?妾がお前にしたのは所謂契りじゃ。生も死も分かち合う夫婦みたいなものじゃ…」

「夫婦?」

「妾は保身の為という意味合いが強いんじゃが、フォーラはどういうつもりじゃ、あやつ…」

「ツンデレみたいで面白かったぞ?友達になったからな」

「お前の中ではそうなんじゃろうな?」

「…?」

意味わかんねぇ…。



「ちょーっと今聞き捨てならない会話が聞こえたんだけど!?」

「誰と誰が夫婦で〜二股ですって!?」

「ひいっ…いいのか!?妾を攻撃したら反動はレイアにも行くんじゃぞ!」

「…うちにわかるように説明してもらえるかなぁ?」

久しぶりにヤッバイユナ姉がでた!!

に、逃げなきゃ…巻き込まれたら死ぬ!!


「どこに逃げてもあれを止めないとレイアも巻き込まれますよ?」

姉達が三人武器を構えて、ノーラに詰め寄ってるもんな?

ノーラが死ぬとオレも死ぬんだっけ?

というか、オレの友達に何してんだよ…。


「なぁ、やめてくれよ! ノーラはオレの友達だって言っただろ! なんで攻撃しようとするんだよ」

「だって!! 既に夫婦とか…」

「…妾達のは人の言う夫婦とは訳が違うんじゃ! レイアにもわかりやすい様にそう例えただけじゃ! レイア、こやつらマジで止めて! 妾死ぬのは嫌じゃ!」

「せめて話くらい聞いてやれよ…。 せっかく最近はユナ姉が優しくなって嬉しかったのに」

「レイア…わかったよ。話し合う。それでいい?」

「あぁ。ありがとユナ姉」

やっぱりユナ姉変わったな…。

前ならオレが何言っても怒ってたら話なんて聞いてくれなかったからな。


今度はノーラも会議に参加しちまったから、オレは一人でヒマ…。


そういや、ここってノーラと話してるばっかで、見て回ってないな。

今ならある程度の範囲は明るく見えるし、ちょっと見て回ろ。



地底湖はオレが初めて落っこちてきて溺れかけたやつだな。

洞窟そのものも、ノーラがいるくらいだから、かなり広い。



ウロウロと見て回ったけど、特に面白いものはなかった。

なんかの残骸とか、ボロボロの装備品とかくらい。

カラスがキラキラしたものを集めるみたいなもんか?


唯一珍しかったのは台座に乗っかった、青白く光る宝石みたいな結晶。

勝手に触るのはよくないだろうから周りをぐるっと見てみた。

「…なんもねぇな」

ほんとに台座と宝石だけ。


そもそもノーラは食い物とかどうしてんだ?いくら引きこもりでも飯くらい食うだろ。

湖に魚でもいるのか?


そう思って湖に戻り覗き込むも、流石に水中までは見えねぇな。

「何をうろうろしとるんじゃお前は…」

「ん?ノーラの飯事情の心配してた」

「妾はお前に心配されるほど落ちぶれとらんわ!」

なんだよ、そんな言い方しなくてもいいじゃねぇか…。


「レイアは美味しいものを食べてるのかって気にしてるだけです」

「あぁ…そういう事か。レイア、こっちに来るといい」

「うん?」

ノーラはさっきの光る石のところへオレを連れて行くと、ダンジョンがどういうものかを教えてくれた。

この石からダンジョンの管理ができるらしい。


「妾がダンジョンマスターなのは話したな?」

「あぁ」

「ダンジョンとはモンスターが徘徊し、宝も手に入る場所なのは知っとるか?」

「うん、姉達が色々集めてたし、オレも多少拾ってるからな」

「モンスターが倒されたり、時には挑んでくる人らが命を落とすこともある」

ユナ姉が怪我したみたいにか…。


「ダンジョンマスターは、そういうダンジョンそのものの活動をエネルギーにしておるんじゃ」

「人の命もか?…サイテーじゃねぇか」

「…そう言えなくもない。だがな?人も宝を求めて、欲にかられて入ってきとるじゃろ?」

「そう言われたらそうだけどよ…」

「なんじゃ、大切な人でも失ったか?」

「…ユナ姉が怪我したからな。ダンジョンはキライだ」

「そうか…しかし、お前らもダンジョンを住処にしておる生き物を倒しておるじゃろ」

「襲ってきたから!」

「それはそうじゃ、突然テリトリーに入ってきて住処を荒らされれば黙ってはおらんじゃろ」

「……」

「納得できんか?」

「…いや、ノーラの言ってることはわかる。ただ、大切な人が怪我したりとかするのが嫌なだけだ」

「そう思うのなら、お前がみなを守れるくらい強くなればいいじゃろ。妾とフォーラの加護もあるんじゃからな」

なんだよ加護って…。

でも、ノーラの言うことは最もだな。

今まで頼ってばかりで、守られてきたオレが何を偉そうなことを言える?


「わかった、強くなるよ。ノーラを倒せるくらいに!」

「…冗談じゃろ?」

「それくらいにってことだよ。友達に攻撃なんてしねぇよ」

「びっくりしたのじゃ」

「ありがとな、ノーラ」

「いいんじゃよ、年長者からの”あどばいす”というやつじゃ」

ほんと姉といいノーラといい、頼ってばかりだよオレは…。


「そういや、姉達との話し合いはすんだのか?」

「まぁの…あやつらほんと怖いのじゃ…」

何を言われたんだよ…。












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