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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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二人ダンジョン



オレが寝込んでた間にミミはログインしなかったらしい…。

後から理乃姉…リオ姉にそう聞いた。

「ものすっごく落ち込んでてね…立直ればまた会えるから」

そう言われたけど。オレも謝りたいから早く会いたい。



リアル姉達とは別行動になり、久しぶりにユリノ姉と二人きりな気がする。

ここ何日かずっと姉達がいたし。

「レイア、ニャンダーの近くにもダンジョンはいくつかあるそうですが、行ってみます?」

「アイテム狙いか?」

「はい。頼りきりなのも癪ですし…」

張り合うなよ…。しかもシノ姉に運で張り合うのは無謀やぞ?


「女には負けるとわかっていても引けないときがあるのです」

「性別関係なくねぇか、それ…」

「気持ちの問題です」

「別に行くのは構わねぇけど、二人で行くのか?」

「ええ。不安ですか?」

「いや…ユリノ姉の負担が多くないかと思ってな」

「大丈夫です、レイアにも頼りますから」

ならいいか…。



ギルドで申請をして、街の外にあるというダンジョンへ向かった。

「以前、ルリマリと行ったんですよね?」

「道中は記憶にねぇんだよ…帰りは暗くなってたしな」

「内部は?」

「遺跡みたいで、ノーラのダンジョンよりは明るかったぞ。道が狭いから出会い頭の戦闘に注意だな。あとは当然罠が危ない…」

「及第点といったところでしょうか」

不意打ちで試験するな!



入り口は相変わらずフリーパスだけど、結界みたいなものはしっかり働いているらしい。

「こういうダンジョンって、みんなが出入りしてるんだから、宝箱とかなくなってるだろ?」

「遺跡タイプのダンジョンは入るたびに構造が変わります。当然宝箱も」

「なんでやねん…ゲームやろやっぱり」

「死にたくないのなら甘い考えは捨てなさい。遺跡タイプで構造が変わるということは、罠も都度変わるんですよ?」

「わかったよ…」

この世界ではそーゆーものって割り切るしかねぇか。



以前ルリマリに教わったように警戒しながら、いつでも戦える体勢でユリノ姉についていく。

雰囲気が変わらないから、構造が変わっているのかわかんねぇ…。


ユリノ姉はうちの姉と同じように罠も敵もなぎ倒していく。

蛮族が増えた…

「やかましいですよ。手っ取り早いんですこれが!」

他の姉達も多分同じこと言うな。


ユリノ姉はケガもしないし、敵の倒し漏らしもしないから本当に出番がない。

「戦ってみますか?」

「あぁ。頼ってばかりでいないって言ったからな」


オレもルリマリが罠を見つけてたのを見てたから、警戒すべきなのは理解してる。

それでも見つけられるかは別で…。


カチッ…

何かを踏んだ、そう思ったときにはユリノ姉に首根っこを掴まれて引っ張られた。

「落とし穴です」

言われて覗き込むと確かにすっごい竪穴。

ふわーっと、風まで吹いてきてる。


「なぁ、ユリノ姉。風が吹いてくるって普通なのか?」

「えっ…本当ですね。罠に見せかけた通路でしょうか…」

「だからって降りれねぇだぁぁぁぁぁぁーーーー!」

嘘だろお前…飛び降りるならなんか言ってくれよ!


「早くしないと落とし穴が塞がります!」

「高さもわかんねぇのに着地どーすんだよ!!」

そう叫んだ瞬間にオレを抱きかかえたユリノ姉はズドンっとすごい音を立てて着地。

「………ユリノ姉、脚へーきか?」

「問題ありません」

「人型兵器かよ!! ロボなの?ビーム兵器持ってんの?戦いを止める宿命でも背負ってんのかよ」

「シッ…」

「……」

何かいるってことか。


ユリノ姉に下ろしてもらい、弓を構えて周囲を見てみるも広い空洞としかわからん。

ただ、やっぱり風は吹いてくる。

手振りでそれを伝えて、風上へ進む。


さっきまで遺跡にいたのに突然洞窟なのはどうなってんだ?

落ちてきたのを踏まえても腑に落ちねぇ…。


しばらく風上へ進むと、広い空間に出た。きれいな湖もある。

「これ…ノーラのいたところにそっくりだな」

「ええ…それもそのはずかと」

「ん? うぉぉ! またドラゴンかよ!!」

「…うるっさいわね、さっきから! あたしのテリトリーになんの用?返答次第では生きて返さないわよ!」

「また普通にしゃべるんやな。ダンジョンを攻略してたんだけどな?この姉が落とし穴に飛び降りたものだから。ズドンって落ちてきたんだよ」

「……なんで普通に話してんのよ! ビビりなさいよ! 人間の分際で!」

「残念でしたー。オレ、ハーフエルフだぞ」

「どっちでもいいのよそんな事!! ムカつくわねお前」

「あぁ?なんだよ感じ悪ぃな…ノーラのがよっぽど話のわかるドラゴンだったぞ?」

「ノーラ…? ノーラ姉様を知ってるの!?」

「知ってるも何も、繋がってるぞ?」

「何をバカな………うそ…ホントだわノーラ姉様の力を感じる…」

でかいドラゴンが慌ててるのちょっとおもしれー。

「はぁ…」


「じゃあホントなのね?それであたしにも会いに来たのね」

「いや?お前のことなんて聞いてねぇし、ここに来たのはたまたまだぞ?」

「…………」

なんかすっげーショック受けてるけどなんか悪いこと言ったか?


「じゃあ何しに来たのよ!!」

「だから落ちてきたって言ったじゃねぇか、人の話聞いてる?」

「……言ってたわね」

「だろ? お前も寝てたのか?起こしたなら悪かったよ」

「べ、別に怒ってないしっ!」

これかツンデレってやつか?


「それより、ノーラ姉様の事聞かせて! 元気だった?」

「もちろんいいぞー出会いはなー……」

(なんでこの子は、臆しもしなければ戸惑いさえないのですか…ドラゴンより私に押し倒されたほうが怖いとでも言うのですか!? …まぁ、こうやってノーラとも知己を得たというのはわかりましたが…)



「ノーラ姉様をねぇ…あたしも攻撃しないでよ!?」

「しねぇって…こうやって話したのなら友達みたいなもんじゃねぇか。なんで攻撃しなきゃなんねぇんだよ」

「と、友達!?」

「嫌なら知り合いでいいぞ」

「べ、別に嫌じゃないわ! 友達くらいなってあげてもいいわよ!」

「オレはレイアだ。よろしくな」

「あたしはシードラゴンのフォーラよ」

「私はユリノです。この子の姉です」

「そ、そう。よろしくしてあげてもいいわ」

シードラゴンって事は水タイプか?


「この地底湖は海につながっているのですか?」

「ええ。洞窟そのものが海につながってるわ。海流が激しいから船とかは近付けないし、あたしには平和な洞窟だったの。なのに…あんた達がきてうるさくなったわ…」

「それはすまん…二度とこねぇから、ゆっくりしてくれ」

「えっ…! なんでよ! 友達なんでしょ? 会いに来てよ…」

「いいのか?また騒がしくして」

「…たまにならいいわ」

素直じゃねぇなぁ…。ドラゴンなのに可愛く見えてきて…

「いってぇ!! なんでつねるんだよ!」

「……」

無言は怖ぇからやめろ…。


「あたしからもプレゼントあげるわ。だからまた遊びに来なさい! 来なかったら許さないから」

「あぁ。ノーラにもフォーラに会えたって伝えないとな!」

「ええ。お願い」

フォーラはオレの胸のあたりに爪をトンッてしてきた。

相変わらず雑音みたいで何が起こったかわかんねえけど、また会えるのならいいよな。


「会いたくなったら海に手でも足でもいいから入れてあたしを呼びなさい。迎えに行くわ」

「わかった! ノーラは会い方を教えてくれなかったからな。フォーラは優しいな」

「べ、別に優しくなんて…ほら、今日はもう暗くなるわ。送ってあげるから」

「ありがと、また来るから!」

「ええ。待ってるわ」

フォーラはシャボン玉みたいなのでオレとユリノ姉を包むと、爪で弾いた。


次の瞬間には海岸に立ってた…。

「ここどこだよ!!」

「ニャンダー近くの海岸ですね。街までさほど距離はありませんよ」

「そうなのか?」

マップを開くと確かに街は近い。


海に手を入れて…でいいんだよな。

「ありがとな、フォーラ。助かった」

”いいわよっ! 早く帰りなさいっ”

中途半端なツンデレドラゴンか。


「あっ…」

「どうしました?」

「いや、世界の渡り方とか知ってるか聞けばよかったかなと」

「おそらく知らないでしょう。ノーラをお姉様と呼んでいたくらいですし」

「それもそっか!」

「どうしても気になる時は、また会いに来たらいいではないですか」

「だな。 で、なんでユリノ姉は不機嫌なんだよ?」

「…ドラゴンより怖いと思われてた事実に凹んでるだけです!」

「…だって…倒せるだろ?」

「そうですが、やりませんよ!」

「ヤバい方を怖がるのは道理だろーが!」

「いいでしょう。お望みならその怖さを教えてあげます!」

「もういい! もういいから!」

「待ちなさい!」

待つかよ! またあんな事されたら…あれ?別に嫌じゃねぇ気がしてきた…。


「そうですか…ふふっ」

「やっぱなし! 今のナシ!」

「しっかり聞きました!」

「言うてへんやろ! 心読んだだけや!」

うん、やっぱりユリノ姉と一緒にいるのはいいな…。


「ふふっ…」

くっそ…ユリノ姉のセクハラ姉!

「なんですって!?」


騒ぎながら街まで走って帰ってきた。

逃げ切ったぜ…。

「手加減しただけです」

「…ギルドに報告しよう。姉達にも新しいドラゴンの友達ができたって話してやらねぇと!」

「きっとびっくりするでしょうね」

「あぁ!」


まさかギルドに帰ったら、驚くのはオレの方になるなんて…そんなの予想できねぇよ。










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