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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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救出



轍を追って走り続けてどれくらいたったでしょうか…。

途中、道を逸れてから何度も見失いそうになりながらも、なんとかここまで轍を追いかけてきました。


馬車と、見える範囲に数人。

それに小さな小屋と洞窟…。

間違いありません、あいつらがレイアを…私の大切なレイアを!!


その後は怒りであまり覚えていませんが、十人弱の男女を確実に仕留めたことだけは覚えています。


奥の小屋に入ると、パニックになったレイアと、それを慌てて押さえつけている一人を見つけました。

「その子から離れなさい!!」

「誰だお前は! 私の部下は!?」

「全員仕留めました。残るはお前だけです」

「…そうかい。私も年貢の収め時ってやつかね」

もっと抵抗するかと思いましたが意外とあっさり引き下がりましたね…。


「こんな事を私が頼むのも筋違いかもしれないけどね。その子だけは助けてやってくれ。私らの仲間じゃない。さらってきた子さ」

「……」

なぜ人さらいがさらった相手を気遣うのです…?


「最期に良い子に巡り会えたよ。抱けなかったのは心残りだけどね。多分この子は本当にこういう経験が無かったんだね…。あんなパニックになるなんて…」

それは…私のせいです…。


「もっと早くこの子に出会えてたら私は…。 いや、詮無いことだね。抵抗するつもりはないよ、自分のやらかした責任は自分で負うものだって、その子に言われてハッとしたよ…。 こんな幼い子に教えられるとは…さぁ好きにしとくれ」

素直に降参している相手を攻撃するのも憚られて縛り上げる。

連行する手間はできてしまいましたが、仕方ありません…。


気を失っているレイアはどうしましょうか。

今起こして、またパニックになったらそれはそれで事ですし…。


やむを得ず、縛り上げた人買いのボスや、アジトにあった証拠品を奴らの馬車に載せ、レイアはボスから取り上げた鍵で拘束を解き、御者席に寝かせて来た道を戻ります。


目を覚ましたら私はどんな顔でレイアに接したらいいんでしょうか?

また逃げられたら…私は心が折れるかもしれません。




ルリマリと合流し、レイアの無事を知って二人ともホッとしていました。

お手数おかけしました…。

ここからだと、ニャンダーのが近いのでそちらへ向かいます。

決してカピバラックでレイアの姉と遭遇したくないからではありません!




寝ているレイアもいる事ですし、馬車はゆっくりと進ませます。

私も色々と考えをまとめなくては…。


自分でもわかっています。どうしてレイアにあんなことをしてしまったか…。

ノーラの話を聞いてから、ずっとモヤモヤとしていました。

実の姉とレイアが…?そんな事許されません。 

…いえ、私が許せなかっただけですね。


あの時、知識の全くないレイアには酷だと止めておいて私は…。


レイアを奪われたくなかった…。違う世界へ帰ってしまう、そんなの耐えられません。

それならいっそ…そう思って、手を出したのは間違いありません。


しかし、前準備の段階でレイアは気を失ってしまい、我に返った私はそれ以上何もできず…。


レイア、私はどうしたらいいですか?

離れたくはありません。レイアの姉達にも渡したくありません。

わがままですか…?


私は帰りたいレイアの障害にしかなりませんか?


「んん… あれ!?」

「レイア、目が覚めましたか?」

「……ユリノ姉…なんでここにいんだよ」

「人買いに攫われてたのですよ?」

「らしいな。ボスに買われたけどな」

「そうらしいですね…話は聞きました」

「ボスは?」

「後ろに」

レイアは御者席から後ろへ行ってしまいました。


私より、攫った人間を選ぶのですか…?



「なぁ、ユリノ姉。あの人どーなるんだ?」 

戻ってきたレイアは心配そうに聞いてきますが…

「そこまでは…法で裁かれるとしかわかりません」

おそらく極刑だろうとは思いますが、レイアに伝えるのは酷でしょう。


「そっか…本人もそれでいいって諦めてるんだな」

「ええ…捕まった時に覚悟はしたようです」

「仕方ねぇんだよな…他にも被害者がいるんだし…」

「ええ…」

それっきりレイアは黙ったまま顔も上げません。

大凡を察しているのでしょうか…。

少々抜けてはいますが、こういった事に対しては察しの悪い子ではありませんし。



「…ユリノ姉。ごめん…」

「どうしたのです?」

「逃げ出して、独り立ちしよう、そう決心したのに、あっさり捕まって…また結局ユリノ姉に助けられたからな」

独り立ち!? そんなことを考えていたのですか?


「私はもう必要ないと?レイアはそう言うのですね…」

「そうじゃねぇよ…。頼らずに自分でも色々できるようになりたかっただけだ。そうしたらユリノ姉の負担も減るだろ?堂々と相棒だって名乗れるじゃねぇか」

ほんとにこの子は…。


「負担だなんて思ったことはありません。好きでやっている事です」

「記憶が吹っ飛んでて、怖さだけがあって逃げ出したけど…全部思い出した。ボスに同じような事されそうになったからな」

「……私にされて嫌でしたか?」

「正直わかんねぇ…びっくりして変な感じがして…でも…ボスにやられそうになった時より、ユリノ姉のがイヤではなかったぞ」

「そうですか…」

「…責任とってもらうからな?アザだらけにしやがって!」

「大切だから印をつけたのです。責任なら取りますよ。どうしたらいいですか?」

「傍にいてくれ。やっぱりユリノ姉と一緒がいい。離れてそう思った…。世話かけないようにも頑張るからさ」

「わかりました。私も世話を焼きすぎないようにします」

出来るかはわかりませんが…。


見ているとほっとけないのですレイアは!











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