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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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ダンジョン脱出



アースドラゴンのノーラと友達になるっていうちょっとしたイベントはあったけど、そろそろダンジョンを切り上げる事になった。

いい素材が手に入ったから早く換金したいってルリマリも言うし、ユリノ姉もオレを心配してくれてる。

「あんな大事件があったのにどうして冷静なのですか! レイアにとってはカフェのがダメージ大きいのですか!?」

「当たり前だろ…」

あんな格好で接客させられて、ノーダメでいられるかよ。

しかも変なあだ名までつけられて。


「レイアちゃんってちょっとズレてるというか、心配になるわね…」

「庇護欲刺激されるよねー」

「私の相棒ですからね?」

ひょっとしてオレは今、悪口言われてるか?



ダンジョンからの帰りは、行きより早く感じる。それでもなんかこう…

「ぱっと入り口とかに帰れたらいいのにって思うよな」

「そのようなマジックアイテムはありますが、高額ですから持っているのなんてごく一部ですよ」

「あるにはあるんやな。羨ましい」

「レイアちゃんのテントも相当良いものだからねー?」

「同じレベルの〜とまでは言わないから、今回の稼ぎで買いましょう?せっかく大物の素材まで山分けにしてもらえたんだから、無駄にしないわよ」

「はーい。レイアちゃんのおかげで薬も使わずに済んだものねー」

オレが魔法で回復したからか。一時的とはいえ仲間なら助けるのは当たり前だろ…。

こっちだって助けてもらってるんだしな。


何組かのパーティとすれ違ったりもしたからか、敵との遭遇もなくサクサクと進む。

行きには誰とも会わなかったなそういえば…。混む時間帯とかあんのか?

まぁおかげでかなり出口に近いところまで進むことができた気がする。


「レイア、この辺りで今日は休みましょう。無理をしてもよくありませんから」

ユリノ姉が指定した場所でテントを張って一泊。

当然ルリマリも一緒。

タオルを抱えて、お風呂に入る気まんまんだし…。


「お二人はお先にどうぞ」

「いいの?昨日も先に借りたけど…」

「ええ。ですよねレイア」

「ん?かまわねぇよ。 遠慮なんかせず好きに使っていいから」

ありがとうって喜んでテントへ駆け込んでいった。


「それで?ユリノ姉、何か話でもあ…ぐえっ…ちょ…苦しいって!」

「本当に心配したんです! わかりますか?目の前で諦めた顔をして落下していくレイアを…手を伸ばしても届かず、見ている事しか出来なかった私の気持ちが!」

「悪かったって。でもおかげでここがゲームじゃないって事を実感したわ」

「…今更ですか!?」

そうは言われてもなぁ…。


「今日はもう離しませんからね!」

「オレも風呂入りたいんだけど…」

「一緒に行きます。温泉でも一緒だったじゃないですか。問題ありますか?」

たしかにそーだけどよ…。


抵抗虚しく、抱きかかえられて風呂へ連れ込まれた。

「人聞きの悪い言い方しないでください」

「…これは浮気になんねぇのか?」

「……レイアはあの子と付き合ってる気ないですよね?」

なんでバレた…。


「言ってましたよね?まずはお互いを知ろうって言ったと。それはつまり恋人どころか友達未満です。アレは自称恋人です!」

「そうなるとオレは、あの時ユリノ姉にひっぱたかれ損だと思うんだけどな?」

「細かいことはいいのです」

まぁいいけど。オレにも非はあったからな。名前聞きそびれてたとか…。


ユリノ姉の理屈はよくわかんねぇけど、浮気とか言われてひっぱたかれないのならいいか。

丁寧に髪を洗ってもらえるのは心地良いし…。眠くなるなこれ…。

「ふわぁ…」

「温まったら早めに寝ましょう」

「そうだな。思ったより疲れてたのかもなぁ」


風呂を上がっても抱きかかえられたままベッドへ。

なんか今は抵抗しても無駄そうだし諦める。

…眠いし。


ーーー

ーー



翌朝は少しのんびりしてから、ダンジョンの出口へ向かった。

入ってきた所にあったギルドの簡易受付で帰還報告をしがてら、戦利品の売却査定を頼む。

「なんか人が多くねぇか?」

「はい…。 まさか!?」

ん?

焦ったように周りをキョロキョロとするユリノ姉。


「どうしたんだよ?」

「…いえ。査定が終わり次第、宿に戻りますよ」

「はいよー。ルリマリは?」

「二人はそのまま買い物に行くそうです」

あーテントか。お目当てのを買えるといいな。


やたら急かすユリノ姉に連れられてダンジョンをでる。

「あれ…あんな改札みたいなゲートあったか?」

「ええ。ありました! 空いてたからすぐに通り抜けましたよ」

そうだったか…?なんかもっとフリーで通過した気がするんだけど。

まぁ、確かにこんなに混んでなかったからな。そのせいかも。



街を歩いていてもなんか落ち着かない様子のユリノ姉。

「大丈夫か?また体調悪くなったとかなら早く言えよ?」

「え、ええ。それは今のところ大丈夫です」

今のところ…? 


あれ?あの後ろ姿…。

「レイア? どうしたので…!!」

ものすごく見慣れた二人の後ろ姿に駆け出したオレは、追いつくと同時に後ろから声をかけた。



「詩乃姉と由乃姉だよな? こんなとこで何してんだよ?」

オレが声をかけたのに、怖い顔をしたままブツブツと言いながら無視する由乃姉。

あれ…人違いじゃねぇよな?

詩乃姉は立ち止まってくれたし、嬉しそうにハグしてきた。 

うん、詩乃姉だ。間違いない。


「ユナ! ユナってば! 待ちなさい!」

「なんだよ! うちは今落ち込んで…て…」

詩乃姉に呼び止められた由乃姉は、怒りながらも振り返ると、ものすごく驚いた顔をした。

あんまり見ない顔にちょっと笑ってしまった。

その直後、体当たりのようにぶつかられて押し倒され、また締め落とされるんじゃねぇかって力で抱きしめられた。


「公衆の面前で何をしてるのですか! レイアを離しなさい!」

「うるせーよ! お前が連れ去ったせいでうちらがどれだけ探したと思ってんだ!」

「そうよ〜。療養させてくれるのはいいけど、一言くらい言って行きなさいよ〜」

「…いない相手にどうやって伝えろと?」

ま、まて…ケンカするな。街が滅ぶ…というかそろそろ…無…




結局オレはまた締め落とされて、そのおかげか姉達のケンカも中断。

目が覚めたら宿でした。って最近こんなんばっかだな?

締められ上手ってスキルでもついてんのかオレは…。


でもおかげでカピバラックの街は救われたな。

オレ、街の英雄では?救ったんだぞ?

気絶しただけだけど!

「人をドラゴンや化け物みたいに言わないでください」

むしろそのドラゴンのが冷静に会話してくれたが!?



「零くん! 零くん!」

由乃姉のスキンシップがすごい…。いくら宿の個室とはいえ、恥ずかしくなる。

今までも結構ベタベタとしてきたけど、今回はその比じゃない。

まぁ、ずっと見えてなかった…し…? あれ?

「なぁ?由乃姉と詩乃姉が普通に見えてるんだけど、どーなってんの?オレ、ゲームの世界に戻ってきたのか?」

「…レイアが気絶している間に契約したんですよ」

「それなのに! こいつはうちらに何も言わずに零くんを連れ去ったんだ! 誘拐犯だよ零くん!」

「ユリノ姉はそんな事しねぇよ…。確かに何も言ってなかったってのはびっくりしたけど、居なかったらどうやって伝えるんだよ?」

「だけど!!」

「こうしてまた会えたし、話ができてオレは嬉しいよ。由乃姉、詩乃姉」

「…零くん」

「もう〜怒る気も削がれてしまったわ…」

ケンカしないでくれるのなら一番いいけどな。


「理乃姉とミミは?」

「今コッチに向かってるわ〜フレンドチャットで会えたことを伝えたから」

「なんだその便利機能! うらやま…」

「…………」

ユリノ姉はずっと不機嫌だな…。


「ありがとな、ユリノ姉がオレを心配してここに連れてきてくれた事はわかってるから」

そう言って撫ぜる。

「「ああっ!!」」

リアル姉二人がうるさいけど今は放置させてもらう。


「…ごめんなさいレイア」

「ん?」

「湯治は口実です」

「ん?別にそれでもいいさ。 ここの滞在は楽しかったし、結果的に姉二人にも会えたんだからな」

「はい…。わかりました」

心配してくれたのは間違いないんだから、それで充分だ。


「ちょーっとまて! うちらは納得しねーからな!?」

「わざと引き離そうとしたのはわかってるのよぅ〜?」

「それに!」

「「何を当たり前に撫ぜてもらってるんだよ!!」のよ!!」

声でけぇって…。


「他の客の迷惑になるから大声出すなよ…せっかく落ち着ける宿なのに。 ここ、料理も美味いからな。詩乃姉には叶わないにしても食べてみる価値はあるぜ?」

腹減ってるとイライラするからな。


姉三人を連れて宿の食堂へ。

「せっかく来てくれたんだ。オレが奢るよ」

クオリティーに対して安いからオレの手持ちでも充分払える。


由乃姉と詩乃姉は複雑そうな顔をしてたけど、食べたいものを選んでくれた。

話しながら出来上がるのを待つ。

「お待たせしました〜」


「ほら、食べよう?腹が減ってると落ち着かねぇって」

「…うん」

「そうね〜…」

「お二人は和食はお嫌いですか?」

「そうじゃねーけど…」

「私は得意料理よ〜」

まさかオレの奢りとかふざけるなってこと? 理乃姉ならタカってくるのにな。


「なんだよ…せっかくオレが稼いだ金で初めて姉達にご馳走できるって思ったのに。いらねぇならいいよ。ユリノ姉二人で食べようぜ」

「そうですね」










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