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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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魔王の通達



「魔王様からの通達を申渡す。 ”零、今すぐに出てこい。隠れても無駄だ。 もし匿うようならそれらも含め全て潰す。” 繰り返します……」


「お母さんやりやがった!!」

「しかも魔王って言ったよ!?」

「お母さんは魔王でしょ」

「それはタダのあだ名だよ!」

それはわかってるけど…ゲーム内では現実になったようだよ?


「あはっ…あはははっ…やめっ…」

「理乃…?」

「やめっ…あははっ…」

あー…詩乃姉か。

うちもくすぐられる前にログアウトするか。


案の定、詩乃姉が理乃に馬乗りになってくすぐっていた。

あっぶねー…。


「あらあら…由乃はくすぐれなかったわね〜」

やられてたまるか!

「はぁ…はぁ…殴らないでとは言ったけどこれもひどいよ!?」

涙目の理乃にはちょっと同情する。


「お母さんはどうしようかしら〜」 

「下手な事をしたらこっちが危ないしね」

「合流できなかったし、お腹空いたらログアウトしてくるんじゃない?」 

うちらの思いは共通。自分が魔王を目覚めさせたくない…。


「私お父さん呼んでくるね」

その手があった。お父さんならお母さんも怒らない。


「じゃあ〜由乃は私のお手伝いね?」

「はいよー」

パン屋もすでに閉まってる時間だし、お父さんは明日の仕込みだろう。

それでも夕食までにはいつも戻ってくるから、大丈夫なはず。


案の定、直ぐに理乃はお父さんを連れて戻ってきたからあとは任せる。




「向こうでどうなったの〜?」

「それが…」

詩乃姉に説明。いつもニコニコしてる詩乃姉が珍しく真剣な顔になった。

「大丈夫なの…?それ」

「わかんない」

「美緒にはメールしといたから。 あっ、返事きたよ」

「なんてー?」

「あー… はぁぁぁ? ちょ、嘘でしょ…」

慌てて話しにならない理乃からスマホを奪い取る。

「由乃姉!?私のスマホ!!」


………。

これはたしかに叫びたくもなるね。


「どうしたのよ〜?」

「お母さんは、魔の国っていうところの王様に配置されたんじゃないかって」

あのゲーム、プレイヤーがつく職業によって、それまでNPCの役割だった職業や立ち位置に、プレイヤーが取って代わるという事が起こるそうで、今までも、NPCの経営していた宿屋が権利を買ったプレイヤーの経営する物に変わったとか、漁師の船長が〜とかもあったと。

目立つ人だとワンッダの国の騎士団長が入れ替わったそう。ぜってー犬だろそいつ。


ただ、いきなり国のトップが入れ替わるというのは前代未聞らしい。


挙げ句の果てには、お母さんのあの宣言は魔王による宣戦布告みたいに受け取られているようで、プレイヤーたちが大騒ぎしてるらしい。

美緒も、まさか魔王にプレイヤーが配置されるなんて考えもしなかったそう。


「どうなるの?」

「さぁ? と言うか、零くん出てくるのかな?」

「無理でしょう…私でも逃げる」

逃げ切れると思ってる理乃はまだ甘いな。

あのお母さんだぞ?


「あぁー薄情者共が! なんで迎えに来なかったんだ?」

お父さんとリビングにきたお母さんがブチギレてる!?


「いったよ! 由乃姉とめっちゃ走ったよ!」

「居なかったけどな」

「あぁ!?」

美緒から聞いた事を説明するも、ゲームに疎いお母さんが理解してくれたのか…。

唯一わかったのは、懐かしいあだ名が職業欄の上の方にあったから選んだってことくらい。

本当に選べたんだ…。うちのお母さんどんだけだよ!


「あんだよ…じゃあアレか?あの世界を支配しちまえばいいんだな?」

「なんでそうなるの!?」

「よし、お前らは自由行動を許すから零を探せ。その間に私はあの世界を手に入れてやる」

マジかよ! マジだなこの人…。めっちゃ楽しそうに笑ってるし。


「麻乃、やめないか! 他の人も楽しんでいるんだから、それをめちゃくちゃにしたらいけないよ」

「でも京…!」

「零には出てくるように言ったんだよね?じゃあ待てばいい。娘達も探してくれるんだから」

「そうだよ! やっと姿も見えるようになったから。後は連れ戻す方法を探すだけだよ」

「…わかった。あとは任せる。私はもうゲームはしない、それでいいか?」

「そうね〜私達に任せて」

さすがお父さん。良かった…本当に魔王降臨するとこだったよ。


ようやく落ち着いたお母さんには、零くんの身体がないのは死んでるからかもしれないとか、違う世界へ行っちゃったとか言ったらだめだ。

うちもそんな事口に出したくない…。

それをしたら本当になってしまいそうで…。



「あっ、でも…零って」

理乃!?

慌ててうちは理乃の口を塞ぐ。何言おうとした!?

「…んっだぁ?私に何か隠してるのか?」

「零くんが〜向こうで体調崩してたのよ〜」

「…それで?」

「しばらく安静にって言われてたから、それまでは出てこれないかもってこと!」

「……まぁいい。ゲームは手放そうかと思ったが、お前らを見て気が変わった。三日だ。それまでに成果を出せ」

この連休中に終わらせろって事!?


「ちなみにそれを過ぎたら〜?」

「私が直接探す。無茶はしないから許してくれ、京。それならいいだろ?」

「うん。 それならいいよ。 娘達も無茶しないようにね。零もだけどみんな大切だからね」

「「「はい…」」」


三日か…。

零くんの行き先を突き止めて、帰る方法を探して…連れ戻す。

でも…もし…もし、零くんが…。

止めよう。辛くなるから。



とりあえず理乃は後でシメる!

迂闊すぎる。あと、うちには理乃を殴る理由があるし。







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