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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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取られたら取り返す



ギルドで纏まったお金のできたうちらは、それを持って例の猫カフェへ。

今日こそ会えると思っていたのに…

「来てない!?」

「ええ。別に今日働いてもらうとは言ってないわよ?」

ミミがログインしたという店長と話をしているんだけど、どーも様子がおかしい。


「おい、ミミどういう事だよ。零くんは!?」

「それが…」

ミミは昨日、店長が零くんにカフェで働くっていう契約書を渡していたから、てっきり今日来るものだと思っていたらしい。


「日付の指定がないものだったようで…いつ来るかはわからないと」

「なによそれ〜じゃあ会えないわよね…?」

「はい…運良く見かけることができればってレベルです」

そんなの無理っしょ…。さんざん歩いたから知ってる。

この街、バカみたいに大きい上にプレイヤーやNPCもわんさかいる。


「僕らの狩りは無駄だったの!?」

「いえ! お金は何するにも必要ですし…」

「……うちログアウトする」

「ユナ…?」

「会えないのに、ここにいたら頭おかしくなりそうだよ」

「そうね…ごめんなさいね、ミミちゃん。そういうことだから」

「私こそすみません…私も一度落ちます。そろそろいい時間ですし」

「ミミ、ありがと。また僕にメッセージもらえる?」

「はい。それはもちろん!」

詩乃姉と理乃はなんで普通にしてられるの? 

違うか…そう装ってるだけだ。姉妹だからわかる。


うちらは暗い気持ちのまま、街の広場からゲームをログアウト。



待っていたであろうお母さんはうちらの様子から大体を察したのか、不機嫌ではあったけど何も言わないでいてくれた。

ありがたいよ。今責められたら、うち耐えられなかったから…。



食事をして自分の部屋に戻っても落ち着かなくて…なんとなく零くんの部屋へ行った。

「由乃姉!?」

「理乃…どうしたんだよ」

聞かなくてもわかるけどな。零くんのベッドで泣いてたんだろ。うちだって一人でここへきたらそうなってたと思うし。


起き上がってベッドに座った理乃は俯いたまま。

「…なんかさ、私何してたんだろうって思って」

「うん?」

「ほら、諦めるとか踏ん切りつけるとか言って、美緒を零にけしかけといてさ」

「それに関しては理乃を殴りたいけどな」

「だよね…それは仕方ないと思う。私が告白するのを止めていれば零は…零はゲームを始めなかっただろうからね。そうしたらこんな事には…」

「確かにそうだな。それに関しては理乃が悪い。でも…」

「…?」

「失って気がついたか?」

「…うん。零はいるのが当たり前で。彼女が出来たって、私達のところに帰ってくるって、そう勝手に思ってたみたい。私は元々、由乃姉みたいに初めての女になろうとか思ってなかったから…戻ってきてくれるならそれでいいって」

「自称彼女の名前すら知らなかった零くんなら、確かにそうかもな」

「…零らしいよ」

うちもなんとなく理乃の隣に座る。


「由乃姉…会いたいよ零に…うぅ…ぁぁ…っ…」

「うちも…会いたいよ」


「あらあら〜二人で零くんの部屋で何してるのよ〜」

詩乃姉こそ…。台所で片付けとかしてたのに。


「…ここに来ると余計に居ないのを実感しちゃうわね…」

詩乃姉は零くんの部屋をぐるっと見渡して、うちらの側にくると突然抱きしめてきた。


「二人は〜そうやって泣いて諦める? そうなら私が零くんを一人で助けて〜貰っちゃうけど…」

「諦めないよ! やっと気持ちに正直になれそうなのに!」

「うちだって! 二人には渡さない!」

「あらあら…でも既に彼女いるのよね? 零くんには」

「美緒には悪いけど、取り返すよ!」

「取られたなら取り返す! 相手が女だろうが、ゲームの世界だろうが!」

「そうよね〜それが私達だもの」

詩乃姉なりにうちらを元気づけてくれたのは嬉しい。

零くんは渡さないけど…。




翌日、うちらは美緒と待ち合わせてゲームにログインした。

その上で正面から宣戦布告。美緒はそれを逃げもせずに受け止めた。

「私は一歩リードしていますからね! お姉さん達には負けません!」

うちら相手に引かない勇気だけは褒めてやる。

でもな? 渡すわけにはいかねーんだよ!



それはそれとして、今は力を合わせるしかないんだけどな…。

見つけない事には話にもならない。

「昨日、一つ思いついたことがありまして」

「うん? またカフェに行っても仕方ないんでしょ?」

「いえ、ギルドへ行きます! それで、指名依頼を出します」

「指名依頼〜? それって、零くんへ直接って事?」

「はい! 本人がギルドに所属していれば、ギルドの受け付けへ来た時に、依頼があると通知がありますから、気がついて貰えるはずです」

そんな便利機能が!?


「よし、じゃあ行こう。書類の書き方はバッチリだからな」

「そうね〜ただ、内容をどうしようかしら…」

「僕は決めてるよ」

うちも決めてある。零くんが受けてくれそうなものを! 

前回のは少し焦りすぎた自覚があるし。



四人で連れだってギルドへ入った瞬間、ミミが叫んだ。

”零くん!” って。今いるのか!? 

駆け寄るミミに先回りして、何もない空間を手探りで抱きしめた。

捕まえた!! 今度は離さないから!


そしてうちはまた零くんを気絶させたらしい…。

ミミに叱られた。真っ青になってぐったりしていく零くんを目の当たりにしたら…。うん、それはうちもキツイ。

やった相手を許さない。

今回それをやったのはうちだけど…。だって見えないんだもん!!

「運営に通報されたら終わりですよ! 私にしか見えてないからいいものの…」

「…気をつける」

「そうしてください!」














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