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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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捕まえて離さない



ほんとにここに零くんはくるのかな…。だんだん不安になってきて、泣きそうだよ。

店に入ってから、かれこれ一時間くらいかな。

さすがに店員が迷惑そうにしてるけど、今は手がかりがここしかないから許してほしい。


そう思っていたら、突然店員が身振り手振りで接客を始めた。

「どうなってるの〜?ゲームって見えないキャラとかいるの…?」

「もしかして、零くん達かもしれません!」

「そうか! 契約する人しか見えないんだったら…」

「私はリオさんを呼んできます!」


「シノ姉、そっちを固めて! うちはこっちを」

「あぁ〜そういうことね?わかったわ〜」

すぐに戻ってきたリオとミミにもカウンターを囲んでもらう。


レジカウンターでは、渡したものが消えて、受け取ったものが突然見えるという意味のわからない現象が起きている。

何がどうなってるの!?


意味がわからなくて混乱していたら、何かが身体にぶつかった。

もしかして今のが!?慌てて手を伸ばすも同じ場所には触れるものはなく、少ししゃがんで手を伸ばしたら…

いた!! 見えないから手探りで体型を確認。

ほんとに女の子だ…スレンダーだけど、ちゃんと柔らかいものを持ってる。


「…えっと、お二人には見えてないのですか?」

店員が誰かに話しかけてる。間違いなく零くんだろう。


「貴女には見えてるの!?」

「えっと…?よく意味がわからないのですが」

「詩乃、由乃、理乃が来たと伝えて!」

「美緒もです!」

「は、はぁ…」

訳がわからないと言う感じだけど、うち達の事を伝えてくれた。


会話によってうち達に聞こえたり聞こえなかったりするのは謎だけど…。

「美緒って誰やって言ってますが…」

その瞬間ミミが泣きながら崩れ落ちた。

ちょっと笑えるけどさすがに可哀想になる。

どうせ零くんの事だから、女子の名前なんて記憶してなくて、それを言い出せないままだったんだろう。

でもね?さすがに仮とはいえ彼女として認めたならそれは無いよ?

同じ女として少しお説教が必要かな。


「迎えに来たのに見えてないのは寂しいわね〜…」

うん…触れられたのに、見えない。

零くんがうちを見てくれないなんて…耐えられないよ。


「待ってください! 私をこの人達の中においていかないでー!!」

えっ? 慌てて手を伸ばしたけど、そこにはもう触れるものはなく…。


「…零が逃げた?今ぶつかったのがそうなの?」

「追いかけます! 私の名前も知らなかったなんて!!」

それは…同情するけどね。


「追いかけるって言っても見えないのにどうするの〜?」

「あ、カフェだよ! シノ姉、ユナ姉! 今日もバイトしてたのなら、報酬をもらいに行くよね?」

「あぁ! シノ姉、走るよ!」

「ええ〜!」

うちらのが零くんより運動神経はいい。

零くんだって、頑張ればうちらに匹敵するポテンシャルを秘めてるはずだけど、無気力だからなぁ。


多分、いや…間違いなくうちらのせい。

心配すぎて色々押さえつけてきたし、できる姉を見せようとうちらは頑張った。

お姉ちゃんすごい。お姉ちゃん大好きって言ってもらいたくて。

それを見せつけられた零くんがどう思うかなんて、幼い頃のうちらは考えもしなかった。


今ならわかる。何度もいい点数をとったテストを自慢するため、零くんに見せたときの寂しそうな表情の意味を。

それでも笑顔ですごいね、って言ってくれてた零くんの思いを…。

何してるだろうち…。

こんな事じゃ零くんを幸せになんて…。


ダメだ! 決めたじゃない。

可愛い弟をうちらが守って幸せにするって。

姉妹の約束。

最初は純粋だった思いも、いつからか女と男っていう枠にはめたくなった。

それはうちだけじゃなく、姉妹共通。

姉妹の誰かに取られるのならまだ諦めもつく。でも突然湧いて現れた他の女に取られるのだけは無理!!


うん、大丈夫。なんかスッキリした。

絶対に連れて帰るから!


「僕はシノ姉と裏に回るよ」

「じゃあうちは表だね」

「見えないけど、触れられるなら逃さないで!」

「誰にいってる?」

理乃、じゃなくてリオはシノ姉と裏へ走っていった。


幸い、時間的に客足も少ないから、入り口で待ち構えてても邪魔にはならないな。

「はぁ…はぁ…早すぎますよ…どんな身体能力してるんですか!」

「うちらは零くんを守ると誓ってからずっと鍛えるから」

「…そうですか…」

「お前には渡さない」

「私はもう彼女です!」

「名前も知られてない彼女がいるかよ…」

「うぁぁん…酷いよ、零くんのバカぁ!!」

ちょっと卑怯だけど、手段は選んでられねーんだよ。すでに一歩出遅れてしまったんだから!


突然カフェの扉がカランっと音を立てて開いた。

誰もいないのにだ。

きた!!


うちはためらう事なく、さっき触れて知った背格好を意識して、腕を伸ばして触れたものを思いっきり抱きしめた。

「捕まえたよ! 零くん!!」

ようやく…ようやくだ。


「ミミ、いつまでも泣いてないで、捕まえたってシノ姉達に伝えてきて!」

「ぐすっ…捕まえたんですか?」

「ばっちり!」

今はなんかぐったりしてて抵抗もしないけど…。

力加減間違えたかな。

絶対逃がさねーって思って抱きしめたから。

まさかこれやっちゃった…?








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