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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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シノとユリノ



和桜の国へ到着してすぐ、ユナさんと別れてシノさんとダンジョンへ向かいます。

早くレイアの姉でもあるリオさんを自由にしないと、きっとレイアが悲しみますからね…。


リオさんに対しての、”こんな時に何をしているのですか?”という怒りはこの際飲み込みます。

私もやらかした過去がありますし…。


「ユリノ、ここのダンジョンって〜なにがとれるの〜?」

「ここは貴金属ですね。鉄などの鉱石類から、レアなものですと宝石などです」

「じゃあ稼ぎやすいってことね〜?」

「いえ、鉱石とはいえピンキリでして…金属の含有量が少ないものはほとんど価値がありませんから」

「そういう物が大半ってことかしら〜」

「ええ。質のいい鉄が手に入ればそこそこの金額になりますが」

この国は武器の大半が鍛鉄による刀や槍等ですから需要が高いんですよね。


しかし、シノさんの強運なら或いは…と思い、ここを選んだのですが…。

「シノさん! どこへ行くのですか!」

「えっ…? あ、ごめんね〜。あの人の尻尾がフラフラと揺れてるのが気になっちゃって〜…」

「獣人の尻尾を許可もなく掴んだら大変なことになりますから!」

「そうなの〜?」

この方は本当に…。レイア以上に目を離すと何をするかわかりませんね。

迂闊に考え事をして会話を途絶えさせたら大変なことになります。


首輪と鎖をつけられたら楽なのですが…。

ぽやぽやしていて抜けているように見えるのに、全くスキがないんですよね。

何なのでしょう…本当にレイアのご家族は底がしれないというか…。

あぁ! またフラフラと!


話題をどうしようか悩んで、思いついたのがレイアの話を聞くと言うもので。

これが功をそうしたのか、会話が途切れることもなく。

レイアについてならずっと語ってくれますから、私もレイアの事を知れて一石二鳥です。

「それでね〜?小さい頃から撫ぜてあげるとすぐに眠るの〜」

「可愛いですね…」

再会したらまたレイアにしてあげましょう。

私もしてもらいましたが、果たしてそれを思い出してくれるのでしょうか…。


港からしばらく歩き、山沿いにあるダンジョンに到着。

「シノさん、あれがダンジョンです」

「えっ? あれね〜洞窟みたい〜」

「ええ。正確には洞窟の中でも坑道タイプと呼ばれるものです」

「それで鉱石〜。納得だわ…」

入り口で手続きをして入ろうとしたら止められてしまいました。


「他国のギルドタグではお通しできません。我が国のギルドで手続きを済ませてください」

「何が違うのよぅ〜」

「仕方ありません、街のギルドへ行きましょう。幸いここからさほど遠くはありませんから」

おかしいです…。私の知識ではギルドタグが使えないなどと言うものはありませんでした。

これは、ゲーム世界から完全に乖離したから?

それとも…何かもっと他の要因が?そもそも私は何者なのですか?

…考えてもわかりませんね。



あぁもう! 少しの思案も許されないのは本当に面倒くさいですね!

危うく獣人の尻尾を掴みそうなシノさんの手を寸でで掴み、ギルドへ。

「レイアちゃん以外と手は繋ぎたくないのだけど〜」

「それは私もです! これは繋いでるのではなく案内してるだけですから」

「ん〜それならいいわ〜」

この方はレイアの言うように本当に利口なのか、単に抜けているのか本当に判断に困ります。


ギルドでの手続きに結構な金額を取られ、手持ちがさらに寂しくなりましたが、ダンジョンへ入れなければ意味がありませんからね。



移動はシノさんの腕を掴んだまま。

案内といえば抵抗もせず素直に付いてきてくれるのは助かるのですが…レイアの警戒心の無さは、この方に似たせいでは?

そう思わずにいられません。



正式なこちらのギルドタグを提示し、ようやくダンジョン内へ。

戦闘中は集中しているのか、はぐれないでくれるのは助かりますね…。

そういえばレイアも戦闘中は離れても必ずついてきていました。

大切な時に集中力を発揮できるのも似ているといえば似ています。



弓の腕に関してはおそらくレイアより頭一つ、二つは抜けているでしょうか。

「よくこんな小さな的に当てられますね」

「見えたら当たるわよ〜」 

そうは言いますが、遠距離から数センチの的へですから…。

お陰で毒虫から咬まれずにすみましたけど。


「あっ、またあったわ〜」

「またですか!?」

私が見ても見分けがつかないのに…。


「みてて〜」

そう言って拾った石をカツンと手刀で叩き割ると出てきたのは…

「また宝石ですね」

「色からしてサファイアかしらね〜」

先程からずっとこんな調子で…。

ダンジョンに入って数時間ほどで既に山盛りの宝石が。

私はクズ鉱石ばかりですのに。


レイアが言ってましたね…。張り合うだけ無駄と。

身を持って体感しましたよ。

「そろそろいい時間ですし戻りましょう。換金するにもこの量ですと査定に時間がかかりますから」

「わかったわ〜。はい〜」

「なんですか?」

手を出してくるのにはなんの意図が…。

あっ、そういう事ですか!


「ご案内しますね」

「お願い〜」

段々この素直さが可愛らしく思えてきましたよ私は。

何というか、レイアの姉ですね…。

私より三人とも歳上なのにですよ?全員どこか放っておけないと思えるのは何なのでしょう。



ギルドでの査定は予想を遥かにこえるもので…。

「大金持ちになりましたね…」

「そうね〜。これだけあればリオは助かるかしら〜」

「ええ。豪華客船の一等船室に何十回と乗れる程のお金になりましたから。ギルドが破産すると泣いてましたよ」

「知らないわよ〜。これ以上は無理〜とかいって返されたのもあるのよ〜?」

三割ほどは突き返されましたからね…。

あれだけ大きな宝石を大量に納品すればこうもなりますか。


「残りは持っててね〜」

「私がですか?」

「…私はいつこちらに居られなくなるか、わからないもの…。レイアちゃんの為に、ね?」

「了解致しました」


レイアを想う見返りを求めない愛はやはり長女ならではなのでしょうか。

少し羨ましくもありますね。私には家族が居たのかさえ…。

「ユリノ、辛い時は甘えていいのよ〜?お姉ちゃんだから私〜」

「…ありがとうございます…」


私より華奢で背の低い、それでも包容力は決して勝てない…そんな方に私も少しだけ甘えてもいいでしょうか…。

「レイアに会いたいです…」

「そうね…私もよ〜」

抱きしめてくれるその腕は温かく、そして優しくて…。

耐えていたものを吐き出すように甘えさせてもらいました。




「大丈夫〜?」

「ええ。ありがとうございます。お恥ずかしところをお見せしました」

「気にしなくていいわ〜。貴女も私の妹よ。年齢的にはリオより下かしらね〜?」

「よくわかりましたね?誰にも年齢は言ったことはないのですが…」

「カンよ〜」

本当にはかりしれませんね、この方は。


その私の年齢も記憶ではなくステータスからわかるだけの物でしかないのですが…。











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