なろうにとっての影響力というものをビジネスを踏まえて考えてみます
皆様は影響力という言葉をどこかしらで聞いた事があるのではないでしょうか?
影響力とは、「働きかけによって人の心を動かし、行動を喚起したり、考えを変容させたりする力」のことです。 ビジネスでは、1人で完結する業務は少なく、他者の力が必要な場面が多々あります。 そうした中、影響力が高いと周囲の協力を得やすくなり、仕事の推進力もぐっと高まります。
ただ、なろうの世界は書くという作業については孤独なものであり、創作をするという行為については影響力は関係ないようにも感じるかもしれません。
しかしながら、私の持論ですが、読み手様はお金を払っていないにせよ時間という対価を支払って小説を読んでいます。つまり、読み手様の気持ちとしては読む時に外れを引きたくないという気持ちが出てきてもおかしくありません。
マーケティングの説明では注目をされるためには、なろうの機能であるランキングをマーケティングを使っていきましょうという話をさせて頂きました。これは読み手様から見れば、少なくともランキング上位の作品であれば外れを引きにくいという事を前提としたものです。
そんな偏見などは世の中には存在しない! 自分の作品は素晴らしいので読む人がいるし、誰もが発見するはずだ! と考えますでしょうか? 自身の作品を商品と置き換えて考えると分かり易くなると思います。
売れ筋No.1のお菓子とか食べたくなりませんか? それは既に周りに影響されているといえると思います。ということで影響という言葉を考察するのは、それなりに面白い事だと思います。
それでは、なろうにおいて読み手様に影響をあたえる事項を列挙して考察してみたいと思います。
・ランキングによる影響
・ブランドによる影響
・口コミやインフルエンサーによる影響
【ランキングによる影響】
マーケティング回にも話をしていますが、なろう(読もう)の正式の機能でポイントランキング制度があります。ここに毎日ランクインすれば当然ながら宣伝となり、読まれる確率も高くなります。日間ランキングや週間ランキングを気にするのは、その影響が非常に高いからです。
なぜ影響が高いのでしょうか? それは皆が面白いと考えるのであれば、安心して読めるからです。私が時間が対価だといった理由はそこにあります。
【ブランドによる影響】
一番手っ取り早いのは書籍化作家になる事だと思います。「小説を読もう」のページにいけばわかりますが、「ユーザーを探す」という項目で「平均点順作者一覧」というのがあります。つまりポイントを常に獲得している作家様がわかるのですが、上位の書き手様は殆ど書籍化されている先生方で埋め尽くされています。これは先生方にポイントが集まる事を意味しています。
ただし、私がビジネスを当てはめるというテーマで話をしているこのエッセイとしては、自身の作品が何故読まれないのかと悩まれている良い作品を書かれている人向けとなりますので、書籍化しなさいという意見は矛盾しています。
では、ブランドって意味がないじゃないかという話になりかねませんが、もう一つ方法があると考えています。あくまでもランキングインする必要はありますが、自身が書く作品のテーマにぶれをみせないという方法です。ある書き手様の話ですが、あるジャンルに対して大量の作品を投下して日間ランキングの1/4を埋め尽くしたという話がありました。作風も強烈だったというのもありますが、これにより自身の名前をブランド化したのです。そして、あるジャンルの作品で年間ランキング10位以内という「常に自身の名前が広告がされている状態」を手に入れていました。
そこまで来るとファンが必ずいる状態となります。書籍化をしていなくてもブランドを確立すれば好循環が生まれるというのは、ビジネスのブランドの考え方とよく似ています。
【口コミやインフルエンサーによる影響】
あまりにも小さなページなのでご存じないかもしれませんが、なろうのマニュアルで「小説の宣伝」という項目があるのはご存じでしょうか?(https://syosetu.com/man/senden/)
ここで公式に示されている「小説の宣伝」の方法は2つになります。
・活動報告
Twitterを使うのは所謂「口コミ」の狙いだと思います。私はこのTwitterがどこまで影響があるのかがわかっていないのですが、上手くいけばユーザー登録されていない読み手様にもつながる事が可能となり、宣伝になるのではないかと思われます。よく使われているハッシュタグを設定すればよいのではないかと思います。
ただし、Twitterはコントロールが効きにくいという問題もあり、下手すると炎上する可能性もあります。フォロワーを増やすのは並大抵の努力では難しいかもしれません。
一方、活動報告という「なろう」の機能があります。小説を読もうのページの「ユーザーを探す」という項目で「新着活動報告」で一般の人も見る事はできますが、小説を読む事を目的としている読み手様が好んで読むとは思えません。
そうすると活動報告は誰が読むのかというと「逆お気に入りユーザー様」になります。つまり、自分の事を気に入ってくださっている読み手様に向かって発信するのが活動報告です。ユーザーページには登録しているユーザーの新着10件の活動報告が乗る形になりますので、ある意味宣伝にもなるというのは理解できると思います。
そう書きつつも、私は活動報告の機能をサークル活動のように使っています。なろうには交流機能が少ない為、この機能を使って書き手同志の情報交換の場として使わせて頂いているという感じです。活動報告の輪を広げる事で、自身のブランドを固めていくということが出来るのかもしれないと考えて、活動報告の機能は積極的に使っています。
次に話題を変えてインフルエンサーを考えてみたいと思います。インフルエンサー(influencer)とは、影響や感化、効果作用を表す「Influence」を語源とし、他者の購買行動に強い影響力を及ぼす人のことを指す言葉です。
例えば化粧品などの広告ですが、あの芸能人が使っているからということで購買影響を与えるといわれており、芸能人の中ではCMに出ないという契約を結ぶ人もいるとのことです。最近では一般人でもSNSやブログによってインフルエンサーになっている人がいます。
この購買に対する影響力を「なろうの読みたいという作品」と置き換えればインフルエンサーによるマーケティングも「なろう」に使うことが出来るかもしれません。ただ、この言葉を使うにはコンシューマー商品とは規模が違うため、読み替えながら考えていきたいと思います。
読む行動に強い影響力を及ぼすものはなんでしょうか? 一つに公募があるのではないかと思います。毎回書いていますが、時間という対価を使っていますから読み物に外れを引きたくありません。そうすると公募において選考を通過した作品というのは読んでみたいと思うのではないかと感じます。選考を通過された書き手様の活動報告において作品のPVやPTが増えたという内容がありました。
あとは書籍化された先生が宣伝をすると影響があると思います。私も一度だけ書籍化の先生からレビューを頂けた事がありますが、瞬間PVがあがったという事実があります。だからと言って書籍化の先生にレビューを書いてくださいという行為は失礼極まりない話ですので、やめた方がいいと思います。
影響を与える人へのアプローチは、ビジネスにおいても一つの手法です。自身がインフルエンサーになるというのも面白いかもしれないと感じます。
いかがでしたでしょうか? 「なろう」の世界をビジネスとして捉え、「まだまだPTを獲得するのにやれることがある!」と思われた方がいらっしゃれば、書いた甲斐があったかなぁと感じております。