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20/23

情報が溢れる社会における広告の手法をなろうに重ねてみましょう

 前にマーケティング手法の話をしていますが、マーケティング手法は数多く存在し、それぞれに効能があります。まずは本題に入る前に、マーケティング手法をつかったPT取得の流れを書きます。


・アーリーアダプター(スコッパー)もしくはお気に入り様に読んで頂く機会を増やす。

・そして、運がよければ日間ランキングに入り、週間ランキングに載る事ができる。


 単純にいうと、この2つなのです。前に話した通り「配荷率(Distribution)」「山積み(Display)」「価格(Pricing)」で決定される「買う場所を制する」を実践する事が重要であることを説明させて頂きました。


 具体的に結論をづければ、以下となります。

1.出来るだけ読み手様に寄り添った読み易い内容の物語を構想する。

2.長編を書く(スマホで読むユーザーも多いので1話を3000文字ぐらいを数話にするとよい)

3.最初の投稿は1日に3話、時間をあけてアップする(話数があるならしばらくはそれで進める)


 1は企画などで始めると読み手様がつきやすいのでお勧めしますし、読んで頂く機会を増やすというのが目的なので、お気に入り様と交流を持つのも一つの考え方になります。2と3は店頭を制するを「なろう」で実践するのであればマーケティング手法として最も有効なことになります。


 もう少し発展させると、ランキング作品を連打することにより、自分自身の作風をブランド化して、読み手様の期待を裏切らないようにするとよいのではないかと感じます。


 ただ、この方法でも運要素がまだ高いので、別の回では広告に使われる手法を「タイトル」応用できないかと考えました。


 広告の定義は主に世間に広く情報を知らせることであり、主に企業の情報や商品・サービスをビジネス目的で世間に周知させることを広告と言います。テレビや新聞や看板広告が昔は主流でしたが、今ではWeb広告なども重要視されています。


 では、作品の広告をなろうで出来るかというと、常に見る事ができるのはランキングぐらいしかありません。そうすると新着では「タイトル」が唯一の広告になるということです。

 唯一とはいいすぎでした。書き手様が発信できる場としては活動報告もありますが、多くの書き手様の活動報告は、「XXXを更新しました」という味気ないものですし、活動報告がランキングのように表に出る事はありません。そういう観点からも目につくという意味では「タイトル」の役割は広告発信として重要であると感じます。


 おそらく、今のなろうで「長いタイトル」が必要になったのは、それが実際に効果があったなのだと思います。


 では、一般的にどういう広告が良いのでしょうか? ビジネス活用として良さそうなのは、広告の父と呼ばれたデイヴィッド・オグルヴィの考え方ではないかと思います。なろうに役に立ちそうな内容を3つ紹介をしましょう。


1.広告は効能を語れ

2.商品を知りポジショニングして違いを際立たせる

3.自画自賛よりも誰かの推薦


 まず、「広告は効能を語れ」は、重要な内容になります。単に長いタイトルではなく、効能をしっかりと語るという事です。私は毎回書いていますが、読み手様は「時間」という対価を使って作品を読んでいます。読む人からみると正直「外れ」作品は読みたくないのです。


 タイトルからその作品でどのような気持ちになれるのかを表すと効果的であることがわかります。たとえば、「もう遅い」というようなタイトルの場合は「立場逆転モノ」で、スッキリするという事が分かります。


 次に「商品を知りポジショニングして違いを際立たせる」は、同じようなタイトルだと結局はブランドイメージが強くなるためどういうポジションの物語なのかをしっかりと見極める事が必要ということになります。例えば異世界ものであってもコメディ要素が強いのであればコメディを狙うべきであるという事だと思います。そして違いを際立たせるは、『「もう遅い」って色々あると思うけど、自分の作品は少し違う違う「もう遅い」です』という事を表現できれば良い事になります。


 そして、最後の「自画自賛よりも誰かの推薦」は、心理学としても理に適っている論理です。

 この「推薦」と言う考え方で最近論議を巻き起こした「ブランドは広告でつくれない」(著者: ローラライズ、 アル・ライズ)は有名なところです。


 インターネットで情報が溢れてしまっている現代においてブランドの作り方は広告ではなく今後はパブリシティになるというものです。簡単にいうと「第三者による紹介」であり、自分たちの広告ではないということです。

 よく考えれば、広告は確かにきっかけになりますが、大半の人は誰かが使った感想などを聞いて最終判断をしています。あとは有名タレントの○○さんが使っているから等の広告も多くなっているのが事実です。そして現在の広告の信頼度は15%以下と言われていますので、なろうで言えば「活動報告で単純に○○を更新しました」と書いても、あまり喰いつかれないかもしれません。


 私はTwitterはやっていませんが、Twitterは「自画自賛よりも誰かの推薦」ですね。

 ご縁を頂いている方から、Twitterで、私の作品を押してくださっているのを確認していますが、PVが伸びたりしています。インターネットの世界では口コミが意外と重要な気がします。


 とはいえ、タイトルが広告として使われているのは確かなので、広告の要素をしっかりと頭に入れた方がよいと考えます。これには「費用対効果が23%アップする 刺さる広告」レックス・ブリッグス (著)の4Mの考え方を取り入れるのがよいと思います。


・モチベーション

・メッセージ

・メディア

・マキシマイゼーション


 この4つが広告の効果要素と言われているものです。これを「なろう」に読み替えると

・そのタイトルは読むモチベーションを与えていますか?

・そのタイトルは何がその物語から伝わるのかが書いてますか?

・どういう手段でタイトルをアピールしてますか? (ランキング、公募、企画の参加、Twitter)

・そのタイトルの表現は効果的ですか?

 を問う事になります。


 つまりタイトルの長さは「読むモチベーション」「物語のメッセージ性」をしっかりとアピールしなければなりません。そういってしまうと本エッセイである『ライターXエックス「私、失敗ばかりですので!」』は全然ダメということになります。

 作者の言い訳を言いますと、タイトルがドラマのオマージュで、あらすじで遊びたかったというだけという……


 話を戻しまして、「タイトルの表現は効果的か?」は結局は読みたいと思わせるセンスになるのだと思います。そんなセンスがあるなら苦労しないと仰られる方も多いかもしれませんが、実はマーケティング手法に「顧客の記憶に焼きつくメッセージを作る6つの原則(出典:アイディアの力)」というものがあります。


・単純明快

・意外性

・具体的

・信頼性

・感情に訴求

・物語性


 創った作品を6つの原則をつかって表現すると心に残るタイトルを作る事ができるという事になります。「もう遅い」や「聖女」などが流行ったのには、この6原則を上手く表現がしやすいといった所にあるのではないかと思います。


 私の作品で申し訳ありませんが、以下の作品があります。


「おねぇ聖女が凄すぎて、歴史書には残すことができません!」


 この作品はラジオの企画ということもあり、1000文字という非常に短い短編ですが、1000pt以上というポイントを頂いている作品です。これを6原則に当て嵌めてみましょう。


・単純明快:おねぇ聖女は凄い。

・意外性:おねぇが聖女!?

・具体的:歴史書に残せない行動

・信頼性:期待を裏切らないおねぇっぷり

・感情に訴求:残せません!って突っ込みたくなるのね

・物語性:お笑い


 私が唯一失敗したと感じているのは、この物語を最初からコメディジャンルにしなかったことです。それはさておき、6原則の内タイトル要素はこの中で4つもあります。特にこのエッセイでの手法を使ったわけではありませんが、結果的にそのようなタイトルにしてしまったのだと思います。結果としてラジオ企画としては1000件以上投稿された作品の中で当時上位40位に入る事が出来ています。


 いかがでしたでしょうか? 「なろう」の世界をビジネスとして捉え、「まだまだPT獲得にやれることがある!」と思われた方がいらっしゃれば、書いた甲斐があったかなぁと感じております。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「おねぇ聖女が凄すぎて、歴史書には残すことができません!」は、インパクト抜群のタイトルですよねwww
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