投稿作品のアピールをビジネスのマーケティングで考えてみます
ビジネスの世界ではモノをアピールするのにマーケティング手法を使います。このマーケティング手法を使って「なろうの世界」を考えてみるアプローチを使ってみたいと思います。
マーケティングというと難しいと思われる方がいらっしゃるかもしれません。でも、最近は良い本がありますのでご紹介します。
・USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 森岡 毅 著 角川書店
2017年にビジネス書マネジメント部門1位を取った本になります。これを読みなさい、以上。と言ってしまえば終わりなのですが、紹介をして考察もしてみたいと思います。
この本の内容は、今でこそ有名なUSJが2004年に事実上経営破綻していた所からマーケティングのアプローチをすることで、TDLを抜いて一位になったということが書かれています。
著者の考えとして、本書の目的は「個人も会社もビジネスで成功するためのカギである『マーケティング思考』を伝えること」を理解してもらう事であると提示しています。では、マーケティングというものは一体何なのでしょうか?
本の内容の核心をいきなりつくと「消費者視点」という言葉にたどり着きます。消費者は「なろう」では、書き手を含む「作品を読んでくださる方々」=「読者」という事になります。本書の言葉を使いながら定義をしなおすと、「読者のほうを向いて読者のために書け」という事が本質です。
USJはオープンした当初、「映画ファンだけのパーク」という作り手側の無意味なこだわりで失敗しています。これを言い換えると「自分の作品は素晴らしい。いずれは皆が理解するさ」という書き手の無意味なこだわりで失敗するとも読み替えれます。
ここで注意をしておいて頂きたいのですが、趣味やサークルとして書いているのであれば問題ありません。あくまでもビジネスとしてみるのであればという事でエッセイを書かせて頂いております。
本当に良い作品であれば誰かに偶然みつけられて、誰かが宣伝してくれて、この小説は凄いということになるかもしれませんが、そのような偶然は確率的に低いと考えます。つまり、本気(=書籍化)で勝負したいならビジネスとして捉えたほうが確率は高くなるのではという事です。
あくまでも良い作品を書いている前提ですが、きちんとプロモーションをしていますかという話が結論です。間違えて頂きたくないポイントは、プロモーションの「ターゲット」=「作品」ではないということです。ビジネスアプローチで考えれば、「ターゲット」=「書き手」という部分です。
USJの話に戻しましょう。確かにUSJに入場料はありますが、楽しみにしてるのはアトラクションです。TDLもそうですが、消費者が期待してるのは場所にいくことによって満足感を得られることです。これを「なろう」に当てはめると、「アトラクション」=「書いた作品」、「ターゲット」=「書き手」となる事がわかると思います。
そして本の中では3つのことが書かれています。
(1)消費者の頭の中を制する
(2)店頭(買う場所)を制する
(3)商品の使用体験を制する
くどいと思われるかもしれませんが、この3つの考察に入る前に、もう一度書かせていただきます。あくまでも、一般的なビジネスアプローチを当てはめようとした考察です。もし「なろう」の流儀という話であれば、以下のリンクがいいと思います。
・ブクマ3の底辺作家がブクマ1万超と書籍化2冊を達成! PVが増える方法を徹底検証中
https://ncode.syosetu.com/n5584et/
さて、本題に戻りましょう。マーケティングの3つの手法です。
(1)消費者の頭の中を制する
いわゆる認知率です。これをブランディングによって、その書き手の作品イメージをつくります。一体どうゆうことなのか? というのを「なろう」流に考えれば、この人のコメディなら読みたいとか言う形です。書庫化作家様の作品というのも一つのブランディングになるかと思います。
人間は知らないものに対しての購買意欲がわかないといわれており、知らないブランドよりも知っているブランドのほうが安心するという形になります。
ただ、これは書き手としての最終目標なのかなと感じています。私のように何を書けば皆様に読んでもらえるかを試行錯誤している時点では関係ないかもしれません。一ついえば、コメディは認められたところもありますので、私の場合はコメディ要素を入れながらくみ上げるのもよいかもしれません。
(2)店頭(買う場所)を制する
これは、「配荷率(Distribution)」「山積み(Display)」「価格(Pricing)」で決定されます。これを「なろう」流に考えると、「毎日更新するor沢山話数がある」「ランキングに乗る」「読みやすい小説」になります。特に考察することもないのですが、強いて言うなら「漫才・コントコンテスト」があったときに、名もない私がコンテスト19位の評価を頂けたのは、「短編」「コンテストでの検索あり」「1000文字~2000文字」という、誰も買う場所を制することができない条件だったからかもしれません。条件が同じであれば、ほとんどは内容および(1)と(3)の勝負になってくるはずなので……
(3)商品の使用体験を制する
単純にいうとリピート率になります。この商品を体験したら他の商品もというものです。これは「なろう」でいうところの人のイメージでしょうか? 怖いのは期待を大きく下回ったときに(1)において悪いイメージがついてしまうことになります。
この本でも書かれていますが、「消費者を大きく落胆させる作品ならば、ブランド価値を大きく毀損するので世の中に出さないほうがまし」とまで書かれています。
強引にいえば「エタる」事は「なろう」ではよくあることなのかもしれませんが、何かしらにせよ一旦話としては終わらせる事をおこなうことはマーケティングのアプローチとしては重要になります。
如何だったでしょうか? 「なろう」の世界をビジネスとして捉え、「まだまだPT取得にやれることがある!」と思われた方がいらっしゃえば、書いた甲斐があったかなぁと感じております。
基本は改稿で進めておりますが、
取り上げてもらいたいテーマがあれば感想で書いて頂ければと思います。
マッチする話題があれば、書きたいと思います。