『レベルを上げたい少年』『先輩勇者の忠告』
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●レベルを上げたい少年
クリウスとそんなことを喋っていると少年意識を取り戻したようだ。
「大丈夫?」
「お前人間か?なぜこんなところにいる?」
寝起きの少年に対する声色じゃない。クリウスの声色は厳しく冷たい。
「こ、ここは……。そうだ、俺は……。」
少年は何か呟きながら状況を整理しているようだ。
「えっと……助けてくれたんですよね?ありがとうございます。」
「うん。体は大丈夫?」
「はい!」
素直にお礼が言える子のようだ。
「それで?お前は人間なのか?」
クリウスの声は相変わらず厳しい。少年は背筋を伸ばして答えた。
「人間です!俺はマルテ。レベル上げのためにここにきて……。」
「並みの人間じゃここでレベル上げは出来ないぞ。」
「はい……。体感しました。」
少年はシュンとしている。
「とりあえず出口までは送ってあげよう?」
見殺しにするのも微妙な気分だし。
クリウスはため息をつく。面倒だけど一応賛成してくれるらしい。
「どうしてマルテはレベルを上げようとしたの?」
遺跡に飛び込むなんて大分レベル上げに焦っているようにしか見えない。
「俺は……俺は勇者になりたいんです!!」
「「は?」」
●先輩勇者様の忠告
勇者って、勇者ってお前ええええ?!
心の中で絶叫する私を置いてけぼりにして彼は語る。
「勇者になって、俺は世界を救いたいんです!!」
勇者って、だって勇者はクリウスで……。
そうだ!クリウスの反応は?
「お前がなりたい勇者は人間の勇者か?魔族の勇者か?それとも……世界の勇者か?」
「え……?」
クリウスがめっちゃ威圧感を出して問いかける。
これが先輩勇者の威圧感だね!!
「な、なんですか?!魔族の勇者って。魔族は倒すべき悪じゃないですか!!」
あー……そういう?
「……ちなみにお前の出身は?」
「え?マース村ですけど……。」
マルテは怪訝そうに答える。クリウスはその答えにため息をついた。
「マルテ。お前の村では全員が学校に行っているだろう。」
「は、はい!賢者様の進める教育方針のもと、最新の教育を」
「お前が受けた教育は教育じゃない。」
「……え?」
「教育とは、教えて育てていく……ただし本人の意志や思考を染める目的を持っていない。教化は意志や思考を染めたり、狙った方向に導いたりするものだ。」
私はその言葉を聞いて、教育って難しくね?と思う。どうしたって教える側の意志が入ってしまいそうだ。もし魔界で統一した教育を考えるなら教化にならないように考えるべきかもしれない。
「な、何を言ってるんですか?!」
マルテは目を見開いている。
「お前は魔族がどういう物か知った気になっているだけだ。もしもお前が勇者を目指すというのなら、己の選択を間違わないように、周りに流されるだけでなく、自分で見て考えて見極めるんだ。」
「それは……」
「魔族は悪いものだなんて最初から思い込むな。教えられた知識を疑え。お前自身の経験を得たうえで考えろ。」
マルテはその言葉に目を伏せてしまった。まあ、いきなりは無理だよね。
魔「推奨レベル99+の遺跡に簡単に人間が入れていいのか?」
勇「見つかりにくい、入りにくい場所にあるが人間界の遺跡には門番も何もいないからな。頑張れば入れる。」
魔「遺跡の敵は中からは出てこれないけど、遺跡の中にはある意味誰でも入れるのか……。危ないな?」
勇「セーフティーシステムは魔界の遺跡の方が優秀だぞ。一定以上のレベルじゃないと道が開かれないからな。」
魔「それを聞いてちょっと安心したよ。次回は『魔王ちゃんの質問』と『魔界の遺跡について』か。噂をすればなんとやら、魔界の遺跡の話が出てくるな。」




