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2週目勇者様は魔王ちゃんを可愛がりたい  作者: 星野 優杞
私は悪い魔王じゃないよ。
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『建築はギャラリーの魔族が手伝ってくれました』『目を塞ぐのが有効的だと考えたなどと供述しており』

●建築はギャラリーの魔族が手伝ってくれました


「というわけで今から温泉を掘る。多分魔王お望みの含鉄泉が出ると思う。」


ユーシャの言葉に周りがわーっと盛り上がる。何だこのギャラリー。浴場ぐらいでしか会わない連中もいるぞ。


「ブール様が立ち会ってくれるなら安心ですね。」


安心しないでくれ。確かこいつは、植物を育ててるココとか言ったな?ユーシャに物申せるならユーシャを止めてほしかったんだが。


「ブール様が出来ないことが出来ると思いますか。」

「まあそうだな。」


そんなことを話していたら軽く地面を掘っていたユーシャがツルハシを構えた。固い地盤でもあったんだろうか。大きく振りかぶって


「アース……ストライク!!!」


大技使いやがったー!!魔王様相手にも技名叫ぶような技使ってなかったのに、地面相手には使うんかい!!


「魔王は傷つけたくないけど、地面は割りたいからな。」


なるほど。納得したくないけどなるほど。

そっとユーシャの手元を覗き込めば地面には深く亀裂が入っていた。

そして、少ししてじんわりと赤茶っぽいお湯が湧き出した.


「湯量も温度もそこまでの調節は要らなそうだな。優秀な源泉だ。というわけでこの温泉で魔王用の風呂を作ってくれ。」

「そういえば僕が呼ばれた理由そんなんだったな?!」


僕は慌てて浴場の設計を考えた。




●目を塞ぐのが有効的だと考えたなどと供述しており


「魔王。」

「あ、勇者。今日はあんまり執務室に来なかったから悪夢でも見たのかと思った。」

「今日は普通の夢だった。」

「夢は見たのか。」

「見ない日はないな。」


毎日夢見てんのかよ、こいつ。

そんなことを思っていると勇者がついてくるように言った。


「何だ?おやつはさっき食べたから違うよな?」


プリンに色々のせたプリンアラモードとかいうやつ。美味しかった。


良いよな。クリームとかを乗せただけで、食べ方が何通りにもなるんだ。パフェにも言えることだが、食材のコントラストが素晴らしい。


プリンならカラメルソースを味わい、茶色がかったプリンを味わい、黄色いところを味わい、その後それぞれの組み合わせを楽しむのだ。クリームがのると組み合わせの種類がぐんと増えるだろう?食べるのが楽しいよね。

因みにクリームとアイスの組み合わせが一番好きなのでどうしてもパフェが一番なのだけど。


「食べるほうじゃないな。衣食住……にあたるのか?一応。」

「その本人も分類が分かってない感じ、不安しかないな。」

「わくわくするだろ?」

「ひやひやするんだよ。」

「似たようなもんだろう?」

「全然違うんだな、これが。」


そんなことを話していると勇者が何かを思いついたように立ち止まる。


「どうした?」

「いや、思いついたんだが」


そして勇者はおもむろに私の顔の前に手を持ってきて

―――――ピカッ


「ぐはっ!?」


フラッシュによる目潰しを行ってきた。


「ちょ?!何?!目潰し!!?」

「状態異常暗闇だな。」

「構える暇もなかったからもろにくらったんだけど!!」

「ダメージはないので問題ないだろう?」

「そういう話かな?!」

「あ、足元気をつけろよ。」

「暗闇状態にした本人が言うな!!」


文句を言うと勇者が黙り込む。これ以上何をしようというのか。そう思って身構えていると背中と足に触れられたと思ったら、体が宙に浮いた。


「うわあっ?!」


思わず声を上げる。


「さすがに暴れられると落としそうだからやめてくれないか。」

「問答無用で持ち上げといて言うセリフじゃない!」


これは、あれだな。視界が悪すぎてよく分かんないけど横抱きにされてるな。

一応視界を塞いだお詫びに目的地までは運んでくれるつもりらしい。理解して身を預ける。


「……。」

「……。」

「さっさと移動しなさいよ?!」

「いや、何というか……お前、慣れてないか?」

「ブールとかエールもたまに運んでくれるので。」

「……ほお?」

「何だその反応?」


声のトーンと雰囲気が何かいつもと違うぞ?

ああ、なんで私は今暗闇状態を付与されているんだ。勇者の顔を見てみたいのに見れないじゃないか。


「まあいい。さっさと行くぞ。」


そう言って勇者は移動を始めた。


勇「お前、食べ物に関していきなり長文になったりするよな。」

魔「感想は述べるべきでしょう。」

勇「あれは感想なのか?食べ方に関するこだわりじゃないのか?……グルメ小説になったのかと思ったぞ。」

魔「魔族に人間的な食事は必要じゃないけど娯楽としては優秀なので、グルメ路線に走っても私的には問題ないかも。」

勇「俺的にも健やかに楽しくお前が生きられるのならそこまで問題はないな……。だが多分、小説的に問題なんだろう。」

魔「散らばった伏線を回収せずに、グルメ路線に方向転換?……確かに問題な気がするな?さて、次回は『ブールの苦労も報われてよかったね』『魔王城の離れみたいなところに温泉が出来ました』だな!」

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