『パパっと説明』
ここまで読んでいただきありがとうございます。そろそろ2章も終わり予定です。閲覧、ブックマーク、評価、感想もありがとうございます。
●パパっと説明
「お前の言う約一か月前、俺にとっては約三年と一か月前、俺は勇者として旅立った。」
「三年?!」
「ああ。なかったことになった時間は三年だ。」
意外と長期じゃないですか。
「王族の……王女とその騎士と、賢者と一緒に俺は旅をした。」
パーティメンバーは4人と。
ていうか王女ってあれだろ、フワル王女だろ、それ。
「そして世界を救うために色々やって」
勇者が視線を改めて私に向ける。
「その結果世界を救えなかった。」
「それが、間違っていた結末……?」
勇者は珍しく大きく感情を表情に現した。苦虫を嚙み潰したような表情だ。
「途中で間違っていると確信した。だけどそれは、すでに手遅れで、そのまま俺も死んだ。」
「待て待て待て?!お前死んでるの?!」
「じゃなきゃ2週目なんかに突入しないだろう。」
「当たり前みたいに言わないで?え?死んでからの巻き戻り?」
頭の中に赤い夕陽が過る。
まさか、まさかまさかまさか
「え?もしかして…………お前を殺したのって私だったりする?」
「それはない。」
勇者はすっぱり言い切った。
あんまりにも堂々とした断言に思わず体の力が抜ける。
「おい、大丈夫か。」
「いや、安心しただけ。」
だって世界を救えなかった勇者の結末なんて、魔王に殺されるのが定番だと思ったから。
それにアカは勇者との関係を『勇者と魔王』だと言っていたから、そういうこともあり得るかと思ったのだ。
「俺を殺したのは、パーティメンバーの賢者だ。」
「唐突な反逆!!」
え?何その賢者、怖いんだけど。
ていうか一体全体どういうことなわけ?
「け、賢者って一緒に三年旅をしたんじゃないの?仲間なんじゃ」
「仲間なんていないと以前言っただろう。」
「そういえばそうでしたね!!」
そりゃパーティメンバーに殺されたら仲間なんていないって言いたくなるよね!納得!!
「あ、もしかして。」
人間界で野菜を食べてたあの時。勇者が逃げ出した、あの金髪の男が。
「そうだ。あれが賢者。王族の分家の息子で、直系ではないが王子と呼ばれる立場でもある。」
「うわあ……。なんというか、面倒そう。」
「面倒も面倒だ。人を都合のいいように転がして、用済みになったらさっくり殺す奴だ。」
つまり賢者としては勇者も用済みになったわけか。
魔「衝撃の事実が盛りだくさんなのに、パパっとしてるのは何なんだろうな。」
勇「割愛してるからだな。あと感情は込めないように頑張ってる。」
魔「色々大事なこと省いてない?」
勇「手の内を全部見せれるほど俺も飲み込めているわけじゃない。」
魔「自分が死んだことは話したくせに。」
勇「俺にとってそれは細事なので。」
魔「細事とは。」
勇「とにかくようやくタイトル回収だな。やっと情報共有者が出来た。」
魔「正直、抱え落ちされたらどうしようかと思ってたぞ……。次回は『魔王ちゃんは153歳』『お名前をどうぞ』だよ!」
勇「一応次回が2章最終話の予定らしい。」
魔「まあ3章のタイトルはまだ決まってないらしいけどな!」




